« 残り2試合に、今季の「答え」を見たい | トップページ | 『ら』の季節@浦和2009オフシーズン »

2009/12/09

09【HOME】第34節@鹿島戦

氷雨に打ち据えられ、全身ずぶ濡れになりながら、対戦相手の歓喜の胴上げを見届けた今季の最終節。
しかしこれは、この日だけの結果が招いたことではなく、この一年間の積み重ねの結果であることは、誰もがわかっていること。いや、誰もがわかっていなけれなならない。

091205kashima1 「この一年間の積み重ね。」
今季の浦和が、この一年間で積み重ねてきたもの。
それを見届けるための最終節でもあった。

端的に言えば、昨年の最終節からの変化は感じ取れた。「○○頼みのサッカー」からの脱却は図れていた。全員攻撃・全員守備091205kashima2の意識が高く、昨季に比べれば運動量もあった。特に前半の中盤部のプレスも強く、立ち上がりから動きにやや硬さのある鹿島の選手をよく抑えていた。集中してよく動き、中盤のスペースを絞り、今季最後の試合という気概を満ちあふれさせながら、積極果敢な「浦和のサッカー」を展開していた。
サイドに目を転じれば、ダブル山田と達也のコンビネーションで、鹿島左サイドを炎上化させることに成功、執拗に攻めて得点の機会を窺っていた。

しかし。
091205kashima3評価の基準を、昨季最終節ではなく今季スタート時に設定変更して見てみると、改善は見られるもののその変化は前者の差ほどもなく、その差の少なさを補完するかのように、課題は膨らむほどに表れていた。
前半の途中までは、どちらかといえば浦和のほうが攻勢であった。運動量も豊富で中盤の攻防も良くコントロールしていた。チャンスの数も多かった。
091205kashima5だが、、、チャンスを確実にものにする術がなければ、100のチャンスも相手のたったひとつのゴールに沈むものである(実際、そんな結果となってしまったが)。フィニッシュもさることながら、そこへ繋がるプレーの精度も低い。サイドからのクロスは頻繁に見られたが、どうも攻撃としては一本調子に陥りがち。しかし時折見られるコンビネーションプレーやパス連動は、開幕当091205kashima6初に比べると多少の進歩と安定感を感じることができた。だが、攻撃の型にこだわるあまり、手数を掛けすぎるきらいがある。これは開幕当初と比べて停滞した部分だろう。極端な場合、鹿島の攻撃の数倍の手数がかかっていることも。ポゼッションは高まっても、 なかなかゴールには辿り着けず、肝心のシュートに至る前にボールロストを招いてしまう。形にこだわるうちにパスコースを消され、不用意なバックパスで逃げようとすれば、おのずと窮地が訪れる(平川のバックパスで一瞬背筋が凍り付きそうになったことも・・・)。
何のためのパスサッカーなのか、何のためのコンビネーションなのか・・・パスやコンビネーション自体が目的化する傾向はシーズン途中にも表れていたが、ついにそれを進化させることができなかったようだ。
それを打開するひとつの方策としては、豊富な運動量による前への推進力増加とスペースを突く素早さなのだが、、、ここに09年浦和の弱点はあった。

前半の終わりごろから、鹿島は焦りを見せながらも、浦和のボール保持者に対して猛然とプレスとチャージをかけてきた。浦和の選手1人に対し、最低2人は寄せてくる鹿島。守備時だけでなく、攻撃時にも素早く切り替えて、狭い局面でも数的優位をつくって いた。常に味方を孤立させず、あらゆる形でサポート体制を即座に整えるあたりには、彼らの老獪さを感じさせられた。前半40分から42分までのたった2~3分間の鹿島のシュート数が5本。ゴールマウスも山岸を援護するかのようによく防いでくれたが、前半終了までの数分間に、鹿島の執念を感じさせられた。

091205kashima7少々押し込まれる形で終わった前半の鹿島の勢いが、後半の浦和に多少の影響をもたらしたのかどうか。。。
勇気を持って保ったコンパクトな中盤が、糸がほつれるように少しずつ緩みだした。浦和の選手の足が、時間の経過とともに鈍くなってきた。それでも浦和はよく耐えて、自分たちのスタイルを貫きながら、真っ向から鹿島との勝負に挑んでいた。
091205kashima4けれど、その糸のほつれを見逃す鹿島ではなかった。後半21分、カウンター一発。これが決勝点となる。内田からのクロスを待っていたかのようにスイッチを入れた興梠に突き刺される。カウンター被弾・・・ここにも09年浦和の弱点があった。
また、マルキーニョスもこの得点劇に絡むべくサポートに走り込んでいた。対応していたのは坪井ひとり。闘莉王はどこにいたのだろう。数的優位を常に形成するチームと、数的不利に陥りやすいチームとの差。ここにも09年浦和の弱点が。

先制点を奪われて、戦況は鹿島のゲームプランに沿った筋書きに。巧みに時間を消費することなど、誰もが思いつくことではあっても、それが実に巧妙。タイトな守備網を緩ませることもなく、浦和のチャンスの目を早期に摘む。『老獪』という言葉はこの状況を指すに相応しいものだと思い知らされる。
すっかり筋書きを乗っ取られた浦和は、選手交代で戦況打開を図ろうとした。しかし、直輝を下げたことで浦和の運動量は低下し、元気を下げたことでパスの手数がさらに増えた。形だけは押し込んでいるものの、ダイナミズムを失った浦和からは、得点の気配をついに感じ取ることができなかった。
しかし、私はサポーターである以上、勝利を信じる心は最後まで捨てることはできなかった。磐田戦然り、最後の笛の音を聞くまでは、何が起こるかわからないから。
だからこそ選手には、ゴールが見えた時もっとシュートを撃って欲しかった。撃たなければ何も起こらないのだから。その思いを届けたかった。ひたすら跳ねて、声を出した。最後まで。
0-1のスコアが物語るもの。
かつてCWCでACミランと対戦した時のような途方もなく計り知れない「差」ではないものの、どこかその思いに似た「差」を痛感させられた。ほんのちょっとの大きな「差」を。

2009年の浦和のシーズンは、すべて終了した。
水を打ったような静けさの北ゴール裏。体からも心からも温もりを奪う冷たい雨に全身濡れながら、鹿島の胴上げを見届けた。見たくない者は三々五々にスタンドを去っていった。しかし、見たくないシーンでも、見なければならない時がある。対戦相手が王者となったらなおのこと。それが敗者の義務である。
拳を握りしめ震えながら見つめる鹿島の表彰式。寒さがひとしお身に滲みた。

091205kashima8ホーム最終節恒例の選手・スタッフ周回の前に、社長の挨拶があった。社長がピッチに現れたと同時に、「待ってました」とばかりに罵声とブーイングを浴びせかける者多数。毎度書かせてもらっているが、よくぞそんな元気が残っているものだな、と。普段の生活の不満を吐き出すかのように、いい大人が社長に「死ね」などと叫ぶ。非難されるべきはどちらなのだろう。来季の北ゴール裏が思い遣られる。

その間、ピッチ上の闘莉王は正面を向かず、そんな北ゴール裏をじっと見据えていた。この時の彼の心境をどう察すれば良いのか、私には今もわからない。

091205kashima9やがて選手がピッチを周回し各方面に挨拶。選手への激励の言葉や拍手が起こるものの、何とも形容し難い寂しさがスタジアムを包んでいた。それはシーズンの結果に対する反応としてだけではなく、サポートするわれらを含めた、今季の浦和レッズ全体の一体感の欠如をも醸し出しているかのようだった。

このままで良いはずがないことは、誰もがわかっている。
変革を必要としていることは誰もが気付いている。
ただし、変革と、確固たる『土台』の構築が必要なのは、ピッチの上だけではない。

 

追伸:
試合後の浦和の街で、思いがけなく多くのブロガー様・サポーターの皆様との交流が図れましたこと、嬉しい限りでした。その節はありがとうございました。
実像(=ずぶ濡れ酔っ払いの中年婦人)を観察されて、さらに印象が悪化された方が多数発生されたことと心中お察し申し上げます(^^;
こんな管理人のぼやきサイトではございますが、今後ともお目通しくだされば幸いに存じます。

|

« 残り2試合に、今季の「答え」を見たい | トップページ | 『ら』の季節@浦和2009オフシーズン »

浦和レッズ」カテゴリの記事

コメント

実像から『酔っ払い』という部分を外せばちょっとやら(ry
こんなふざけたコメントが最初ですんまそん。

最後になりましたが今季は大変お疲れ様でした。

投稿: にゃんた2号 | 2009/12/09 23:08

社長へのブーイングには違和感ありましたね。
シーズン途中でクラブを引き継ぎ、言い訳もせず、逃げも隠れもしない社長に対して、よくもまああれだけ上から物が見られるものだなあと。
まあ、闘莉王への拍手も違和感あってしませんでしたが。

夜はお疲れ様でした。

投稿: あかひと | 2009/12/09 23:26

@にゃんた師匠
なるほど、中年紳士の心の琴線に触れましたか(笑)
『酔っ払い』の一言を入れておいて良かったヨカッタ(´∀`)
今季もお疲れ様&いろいろとお世話になりました。
最近バタバタしてちょっとご無沙汰状態ですが、元気にしております。たぶんすぐにでもお邪魔いたしますので乞うご期待(^^)。

@あかひとさま
浦和の街では、お世話になりました。
突然席にお邪魔させていただいたのに、温かくお迎えくださり、ありがとうございました。皆さまにもよしなにお伝えください。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

>シーズン途中でクラブを引き継ぎ、言い訳もせず、
>逃げも隠れもしない社長に対して、よくもまああれだけ
>上から物が見られるものだなあと。

「金払って観に来ているいる客」感覚の人が増えましたね。北ゴール裏でそのような人に出くわすと、ホント心が萎えてしまいます。

闘莉王への拍手、ワタシも違和感があったのでしませんでしたが、コールリーダー同様「がんばれよ」くらいの声がけ程度で送別を済ませました。
退団の理由も進路もはっきりしないまま送り出す選手・・・こういうスッキリしない送別も珍しいかな、と思った次第です。

投稿: nigoe | 2009/12/10 10:54

nigoeさん、こんにちは。
鹿戦、お疲れ様でした。試合に合わせるように降り出した冷たい雨が、レッズサポの心に容赦なく叩きつけて来るようで、きつかったですね。
nigoeさんと同じように、たまのりも息子と二人、優勝セレモニーを悔しい気持ちで見つめていました。そして、来年、再来年、きっといつの日か、逆の立場で、鹿スタで歓喜の雄叫びを絶対に上げてやるんだと、「心の萎える凍えたシーン」を胸に刻み付けました。絶対にこの屈辱は忘れない。「1999.11.27」を絶対に忘れることがないように・・・。

試合自体は、痺れるような良い試合でした。でも、レッズと相手の力の差は、悔しいけれど、点数以上にあるように思えました。
でも、乗り越えられない壁じゃない。それどころか、若手とベテランをバランスよく配した中でのこの戦いぶりです。来年、逆のポジションになることだって、決しておかしくは無いと感じています。
そんな前向きな感想で締めくくった、たまのりand息子の最終戦でした。

投稿: たまのり | 2009/12/10 18:02

nigoeさま

お疲れさまでした。
最終戦、私は速攻でスタジアムを後にしました。拍手もできませんし、味方へのブーイングは私の趣味?ではありませんから。

今季はわけありで8月以降の参戦は最終戦だけでした。来季の埼スタ参戦はもっと少なくなると思います。さみしいけど。ここ4年間毎年参戦してきた開幕戦や最終戦も、いまのところ気力なし。少し疲れました。

少し引きますがレッズの応援はやめません。
今後もよろしくお願いいたします。

投稿: なごやのじーじ | 2009/12/10 23:30

ご無沙汰しております。

北の空より『気』を送りましたが、力足りず...。
参戦の皆さまには、冷たい雨の中本当にお疲れ様でした。

来季に向けて、ささやかではありますが光が見えたように思えた
最終節でした。
一昨年、昨年と暗澹たる思いが胸に残った最終節の戦いとは雲泥の差がありました。
長いOFFの間もいろいろありそうですが...来季は期待しましょう。

また11/21はご事情を知らなかったとはいえ、能天気なメールをさしあけてしまい、申し訳ありませんでした。

また、来季もどうぞよろしくお願いします。

投稿: A | 2009/12/11 14:15

@たまのりさま
お疲れ様でした。
今年のこの悔しさが、必ずや糧となる日が来ることを信じましょう。屈辱を甘受することは、時として必要なものと思います。
鹿島の目の前で胴上げする・・・これは将来の約束となりました。どんなに連勝して早期優勝秒読みとなっても、日程調整して彼らの目前で胴上げしなくては←そんな余裕があればいいんですが(笑)

>でも、乗り越えられない壁じゃない。

そうですね、かつて全盛時の磐田に途方もない距離を感じていましたが、今はそうではありません。互いの盛衰という相対的事情もあるでしょうが、浦和だって「乗り越えられてしまった」立場でもあります。
勝負の世界は精進のみ、それを信じて来年もがんばりましょう。

@なごやのじーじさま
遠方からのご参戦、お疲れ様でした。
せっかく遠くからいらしたのに、あの結末は堪えますよね。この日私の友人知人が北海道から3名参戦しましたが、かつて私も遠距離サポの経験があるので、やはり心中いかばかりかだったろうと思いました。

来年は参戦機会が少なくなるとのことですが、体調のほうはいかがなのでしょうか?くれぐれもご自愛くださいますように。
どこにいてもレッズの応援はできます。自分が応援しているその場所が、浦和の中心なのですから(^^)。
名古屋から、どうぞレッズをお見守り続けてくださいね。

投稿: nigoe | 2009/12/11 14:22

@Aさま(たぶん、○○さんですね)
タイミングが行き違ってしまいました(^^;。
北の国からのご声援、ありがとうございました。きっと選手たちにも届いていると思います。
昨季の最終節と比べれば、数倍も良かったと思います。まぁ、この結果をどう評するかは人それぞれなのでしょうが、あの焼け跡の荒廃からは間違いなく成長の痕跡はあったと思います。
オフに入り、さまざま人事往来の情報が流れていますが、、、来季が楽しみですね。

11/21の件は、どうぞお気になさらずに。急な事態でしたので。。。お心遣いありがとうございます。
そんな事情でご返信できずに失礼いたしました。お許しください。

投稿: nigoe | 2009/12/11 14:40

nigoeさん
ようやくお会い出来て光栄です。
nigoeさんは想像通りのnigoeさんでしたね。
浦和丸でDVD選んだのはnigoeさん 
来季も宜しくお願いいたします★⌒(@^-゜@)v ヨロシクネ♪

投稿: 酔いどれ | 2009/12/12 22:39

@酔いどれさま
浦和丸では温かくお迎えくださり、ありがとうございました。本当に偶然の出会いでしたが、ようやくお会いできて嬉しかったです。
「想像どおり」のワタシ・・・やはり「酔っ払い」?(笑)
DVD放映をご提案された酔いどれさん、まさにグッジョブでした(◎´∀`)ノ
しかし、、、『REDS-NAVI』より昔の試合への店内客の食いつきの良さといったらもう!(笑)。福田や伸二のゴールで大盛り上がりでしたね。

皆さまにも、どうぞくれぐれもよろしくお伝えください。
こんな管理人ですが、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: nigoe | 2009/12/14 11:42

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/139833/46968332

この記事へのトラックバック一覧です: 09【HOME】第34節@鹿島戦:

« 残り2試合に、今季の「答え」を見たい | トップページ | 『ら』の季節@浦和2009オフシーズン »