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2009/10/06

09【HOME】第28節@千葉戦

今節も、勝つことの難しさを教えられた試合だった。
開始数分の失点劇、ボールが取れない時間帯、撃てども撃てども入らぬシュート・・・
最近見慣れた光景に、次の展開も容易に予測できてしまいそうになるも、逆転弾が何とかそれを思い留まらせてくれた。
勝負の行方は、紙一重。一発のゴールが、自チームだけでなく相手チームの気運も変えてしまう。そんな心理状態も表れた試合だったと思う。

前日からの雨が止んで、爽やかな秋晴れの朝。気持ちよく家を出よう・・・と思っていたところ、空が急転。出がけに大粒の雨が降ってきた。天候は午後から回復の予報。これを信じて傘以外の雨具を持たずに外出。美園駅に着いた頃には雨も止み、ひと安心。空は時々不安定な様子を見せるものの、何とか降られぬうちに開門時間を迎え、スタ入場。

091003chiba1照らず降らずの空模様に、潤いを含んだ芝が映えていた。実はこれが曲者になろうとは。
前半、肝心な場面で滑る選手たち。しかも滑るのはホームチームの選手。スパイクの選択を間違えてしまったのだろうか・・・そんな理由で負けでもしたら、戦術云々の問題ではない。
実際、開始7分で先制点を奪われ、早速にもビハインドの状況。すぐさま相手陣内でのFKポイントを獲得し、それを阿部が見事な弾道で決めてくれたものの、その後の試合展開も何ともシャレにならない状況に。
091003chiba3失点のきっかけとなった不用意なパスを出した梅崎については、その後のプレーにも雑さが散見された。失点の責任を感じたのか、立て続けにシュートを撃つ意欲は褒めたいが、その後も危ないパスを出したりと、どこかショックを隠せない不安定さが見られた。まるで前節の、前半ロスタイム失点後の啓太のように(やはり、前節同様、この事態を監督は放置せず、後半始めから梅崎OUT→達也INと交代)。
しかし、この前半の膠着感は、梅崎ばかりが生み出していたわ091003chiba4 けではなく、開始早々の失点を招いた時点から、チーム全体からも醸し出されていたと思う。ボールを引き出す動きが少ないばかりかイージーミスの連発で、危険なシーンを自ら演出していた。確かに千葉の運動量は多くプレスも強かったが、相手のいない場所でのミスには何と説明をするべきか。かたやチャンスと思えた時には、芝に足を滑らせてしまい・・・。
091003chiba5『背水の陣』の決意か、ラインを上げてコンパクトな中盤での勝負に賭けてきた千葉陣営に対し、ボールを奪えずに右往左往する浦和陣営。そして素早く簡単なパス回して手数を掛けずに攻めてくる千葉の攻撃スタイルは、浦和の目指すものではないのか?と首をひねりたくなることしきり。前半の後半以降は、互いにシュートも撃てずの展開が続き、ますます募る膠着感。ミシェウや深井が浦和最終ラインの間を破ろうと頻繁に突き刺さってきたが、幸いにもその後が続かない相手の拙攻もまた、そのグダグダ感を増幅させてくれていた。
嫌な展開を予感させながら、前半終了。果たして、千葉より追加点を先にあげることが出来るのか・・・

後半頭から、度を失った梅崎に替えて、達也投入。今回は、これが当たった。
明らかにボールが回るようになり、選手の動きも徐々に活況を帯びてきた。支配率も上がり、徐々に千葉を自陣内に釘付けにする展開に。しかしこれも良し悪しというか、浦和の芸風的には「悪し」の状況とも言える「相手が引いた時の攻撃」にどう対処していくのか・・・見慣れた光景への打開の道はあるのか。
撃てども撃てども入らぬシュート。飛び出してきた阿部がGKをかわして放った絶好の一打はゴールマウスに滑り込んできた相手GFに掻き出され、エジミウソンのゴールマウス直近での決定的なヘディングシュートは、GKに真正面で防がれ、ついに業を煮やして投入された高原のシュートは見事に周囲の期待を外してくれ、、、何か巨大な見えない壁でも存在するかのような千葉のゴールマウスは、シュートを撃つたびに途方の無さを増幅させ、見る者の気を遠くさせるに充分な力を有していた。悲壮感さえ漂う必死の形相で守られる千葉ゴールを割るには、それに打ち克つだけの気概を浦和に求めていた。

ようやく試合が動いたのは、後半33分。これまた業を煮やして前線に顔を出した闘莉王の折り返しを受けたエジミウソンがゴール至近距離から蹴り込み、ようやく「壁」に風穴を開けた。天井を突き抜くかのような弾道は、ゴールへの執念を感じさせるに充分な威力があった。その瞬間、千葉の選手の表情から色が消えていくのがうかがえた。

091003chiba2徐々に鈍りだしていた千葉の選手たちの出足が、みるみる重くなった。この事態をフィンケは待っていたようである。この逆転劇の前後からシュートを打てなくなっていた千葉は、ついに終盤まで浦和ゴールまで辿り着けなくなっていた。この逆転のショックは大きかったようで、疲労のみでなく、どこか諦観が漂いだしていた。
勝負の世界は厳しい。そんな相手に温情をかけていては、こちらが首をかかれる羽目になる。否、相手がどうであれ、浦和は追091003chiba7 加点を欲していた。選手もサポーターも。連敗から脱したもののどこか不安定な闘いぶりを変えるためには、「追加点」が必要だった。
その願いは、嬉しい形となって具現化された。エリア内で達也→エジとボールが渡る間、走り込んでくる峻希の姿が視界に入った。続けて転がり込んできたボールを捉えて迷わず右足一閃! 豪快なミドルシュートがゴールネットを突き刺した。喜びを爆発させて、ベンチの元気と直輝のところまで走って抱きついたプロ初ゴールの若者の姿に、スタンドも歓喜した。新しい時代の到来を予感させてくれるような、会心のゴール。

091003chiba8 その後は、気持ちに余裕も生まれ、危なげなく時間を過ごし、試合終了。
一時はどうなることやらと相当気を揉ませたが、後半の修正が何とか効果を見せた。
相手の不出来にも助けられた部分もあったにせよ、この試合においては、選手たちの心境変化も勝敗を左右したと思う。千葉は2失点目で、心が折れてしまったようだった。あえて守備的に引く戦法を執らず、先制点を奪ったあとも、積極果敢に攻守に挑んでいた。すぐに同点に追いつかれてもその高いモチベーションは保たれていた。しかしあれだけ頑張ったにもかかわらず、奮闘虚しく逆転されたことで、張り詰めていた気持ちの糸が切れたのかも知れない。豊富な運動量の代償となった疲労も、その気力を奪ってしまったようだった。
091003chiba9 しかしこの話、浦和にとっても表裏を成す話である。開始早々に失点したうえに、やることなすことうまくいかず、ただ焦燥感のみが募る展開だったが、これを打破してくれたのが、2点目の逆転弾だった。この一発のゴールが勝負の行方だけでなく、選手たちの心理をも逆転させてしまった。
しかしこれは、サッカーの勝負ではことさら珍しいことではない。それだけ常に高い確率でその表裏が存在しているところが恐ろしい。誰もがその落とし穴に嵌り、誰もがその地雷を踏む可能性があるのである。

集中力の持続。

これからの浦和に必要なことは、これなのかも知れない。

091003chiba10追記:
帰りの美園駅までの歩道から眺めた中秋の名月。
心穏やかに愛でることができました。

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コメント

nigoeさん、こんにちは。
千葉戦は、なかなか評価が難しいゲームでしたね。
先制点を取られた直後、形になってきた素早いパス回しから相手ペナルティエリア前で阿部ちゃんの鋭い切れ込み。たまらず、千葉DFはファールで止めるしかなく、直接FKを獲得。ポンテ、闘の蹴らせろプレッシャーを撥ね退けて、自ら、ワールドクラスのビューティフル・ゴールを決める。この数分間の素晴らしさ、歓喜の時間帯と、前半の(失点までのシーンも含めて)その他の時間帯の落差っぷり。
後半、達也投入による浦和のワンサイドゲームの時間帯到来。何度も繰り返される、ゴール前のスペクタクル・シーン。
そして、強いREDSでの定番だった、セットプレイからの闘絡みのゴール。
今期のREDSがやり続けてきたコンビネーションから峻希のフィニッシュ。

次が大事ですね。そして、そこでどんな闘いができるかで、千葉戦の評価が決まりそうです。
天皇杯は、フレッシュなメンバでナビスコの時のわくわくする戦いが再現できるか。新潟戦では、今期の強い新潟を圧倒する闘いができるか。
2戦とも現地参戦はできませんが、フィンケ・REDSのコンビネーション・サッカーの醸成具合をしっかりと確認していきたいです。

投稿: たまのり | 2009/10/07 16:13

@たまのりさま
そうですね、「次」の試合でどんな闘い方をするかで、前節・千葉戦の評価ができそうですね。
多少メンバーを入れ替えるであろう天皇杯か、いわゆる「主力」中心の構成となる新潟戦か、、、どちらがフィンケの目指すサッカーを具現化してくれるのか、注目です。

投稿: nigoe | 2009/10/08 12:17

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