« 09【AWAY】第13節@大宮戦 | トップページ | 09ナビ杯【HOME】第7戦@大宮戦 »

2009/06/02

09ナビ杯【HOME】第4戦@新潟戦

代表、ケガ人、出場停止と、稼働可能な選手が18名という前代未聞の人手不足状態での「ベストメンバー」編成を余儀なくされた浦和。練習するにもGKとコーチ陣をフィールドプレーさせなければならないほど人が足りない非常事態の中、平均年齢が23.8歳という若きチームが、矢野だけを欠いただけの、ほぼベストメンバー状態の新潟イレブンに立ち向かった一戦。
どれだけダメージを最小限に食い止めることができるのか、、、苦戦必至などと消極的な思考に陥っていたのは、実は自分のほうだったことに苦笑い。
フィンケの哲学は、より若き選手に浸透していたのだと、感嘆させられた。矢野ひとりが抜けた新潟の方が戦力ダウンが大きく、レギュラーが大量に抜けた浦和の戦力レベルはほぼ維持されていた現実に、今年の浦和の未知なる可能性を感じずにはいられなかった。2点差完封勝利という結果もまた、久々に心躍る出来事となった。


090530niigata1 前週の大宮戦同様、2週続けて前日抽選の無い当日抽選。同じく雨の中。北門待機列は、人で溢れかえり・・・と思いきや、拍子抜けするほどの少なさ。リーグ戦時の当日抽選列よりも若干多目なくらいな程度の抽選参加者数だった。雨の影響も大きかったと思うが、何と珍しくA自由席にも当日券が出るという状況。リーグ戦とカップ戦の観客動員の落差には、毎度考えさせられる。都合が悪く参戦できなかった人については何ら問題はないと思うのだが、リーグ戦とカップ戦を差別化する心理の働き具合に、サポーターの成熟度合いの現状を推し量ることができるのかも知れない。浦和に限らず、新潟も、他のクラブにも言えることなのだろうけれど。

090530niigata2幸い、入場する頃には雨も上がり、試合前のコンディションは前週同様の多湿、少し涼しめ、水分をたっぷり含んだ重馬場のピッチ。前週・大宮戦との違いの少ないコンディションで、内容の異なる試合展開を期待できるのかどうか、、、出場選手の違いや、若さがその鍵を握るのか。

090530niigata3 まず衆目の的となったのが、意外にも若手の誰それが先発か云々ということよりも、CB・暢久の起用。本人曰く初めてというCBでの先発は、本人のみならずサポにも緊張感を与えていた。人手不足による苦肉の策とはいえ、他に適任もない。しかしこの最年長の才能と潜在能力に賭けてみる価値は大いにあった。指揮官だけでなく、サポにも彼の計り知れない可能性を知る者が多いから。今季の浦和は、そういう面からも冒険心に富み新鮮だ。しかし、決して昨季の「奇策」のようではない。ある種の「必然」(今回は苦しい必然であったが)に基づいているから、まだ納得もできるというものだろう。
代志也、峻希、セルヒオ、細貝と、若手が4人も先発。サブメンバーを見ても、かつてないほどの若さで、なんと赤星が最年長。果たして中堅・ベテラン選手との融合は成功するのかどうか・・・不安と期待はまさに表裏一体のなか、キックオフ。

090530niigata4 覚悟していた事態は、すぐに目の当たりとなった。中盤がなかなか機能せず、パスミスを繰り返し、何度かピンチを招いてしまった。特に守備面での対応の不慣れさが目に付いた。抜かれるのを恐れて間合いを取ってしまいがちなのか、プレスをかけに行くタイミングが若干遅く、結局じりじりと自陣深くまで押し込まれてしまう。また暢久がCBに配置転換させられたこともあるためか、サイドの抗力も弱い。こればかりは経験不足をあれこれ責めても詮無きこと、大事に至らぬよう祈るしかなかった。ピンチは招いたけれども、幸い、新潟の拙攻にも助けられた場面も数度あった。
しかし「若さ」には、学習の早さで経験不足をカバーできる能力が備わっている。試合中、どれだけ状況を学習して、すばやく吸収し状況に還元して活かせることができるかどうか・・・
かたや「若さ」には、勢いで状況を変える力も併せ持っている。いわば、気分の「ノリ」。メンタル的に有利となれば、強豪と言われる相手をも圧倒することは不可能ではない。
戦っている最中にも次々と訪れる不安と期待。しかしどこかそれを刺激的に楽しんでいる自分がいた。

序盤はそんな混濁した状況だったが、時間の経過とともに、少しずつ視界が開けていくような変化を実感することができるように。守勢では少々押され気味になるものの、ボールを持ち攻勢に転ずると、若者たちの前に進もうとする意識がよく感じられた。どこかで気持ちが吹っ切れたのか、あるいは徐々に状況に順応してきたのか、あるいは細貝の運動量による効果が徐々に表れてきたこともあるかも知れない。いや、細貝だけでなく、後方を守る選手たちは危機感を覚えて、この試合に臨んだに違いなかった。坪井・啓太・暢久の非常に集中した表情に、その心情が垣間見られた。

090530niigata5 「今いる全員で何とかしたい」という選手たちの気持ちが徐々に高まるのが、スタンドの私たちにもよく伝わってきた。ベテラン守備陣の奮闘ぶりも若者たちのハートに火を点けたのだろうか、代志也が、この日マークを担当していたペトロ・ジュニオールからセンターサークル付近でボールを奪うと、さらに前方に出張っていた細貝に預けた。走りを止めない代志也に細貝も迷わず機を逃さずにリターンパス。胸の空くように型にはまったワンツーは見事に決まり、先制点ゲット!コンビネーション・プレーが、若手に浸透していることを証明する瞬間だった。
この先制点が、勝負の行方を左右する大きな意味を持っていたことは、すぐに誰にもわかったと思う。その後のピッチ上の浦和の選手たちの表情に、「自信」と「落ち着き」が徐々にうかがえるようになってきた。確かに、先制点の直後にカウンターを受け、バー直撃弾を浴びる危ないシーンはあったが、ラインを高くしてコンパクトな中盤を保つ今年の浦和のスタイルでは、被カウンター率が高まるのは折り込み済みで取り組んでいかなければ、やってゆけないのもまた事実。若手には多少守備では難があっても、それを補って余りある攻撃の躍動感に賭けてみたいという気持ちは、私にもあった。ただその分、攻撃の選手を含めたベテラン勢への守備への負担は増すのだが、しかしそのベテラン勢にも若手への期待感があったのか、よく耐え、よく走り、よくフォローした。

後半になると、急造であったはずの守備に、安定感が増してきたようだった。啓太と細貝が攻撃の芽を潰すかたわら、坪井のスピードと暢久の読みと巧さで徹底的にカバー。峻希、代志也の若手が抜かれた後を、最年長の暢久が冷静にカバーする光景は、代役とは言え担当したポジションへの順応の高さをを示すものであったし、ベテランの貫禄を見せつけてくれ非常に頼もしかった。また、試合を通して取ったオフサイドの数もいつもより多い印象を受けた。ロープで最終ラインを繋いだ練習の賜物だろう。
エジ・タカの前線コンビもよく守備をし、高原も前線の中継点となるべく粘り強いプレーに徹していた。

ここで誰もが欲するのが追加点。毎試合悩みの種となっている課題を、今節クリアできるのかどうか・・・そんな長い間の浦和の懸念は、なんと後半11分に払拭されてしまった。最後尾から供給されたフィードボールを左サイドに流れてきた高原がトラップしたものの、相手に囲まれボールロスト・・・の直後、それをセルヒオが狙い澄ましたようにかすめ取り、新潟陣内までドリブル直進。後を追って中央部スペースに侵入した高原へパスを渡すも、高原のシュートはDF2人にブロックされ無情にも上空へ。しかしこのボールをセルが再び拾い、サイドに流れた細貝へ預ける。エンド深くまで抉った細貝からマイナスのセンタリングでセルヒオへ再びボールが渡り、相手DFを軽く躱してシュート・・・放ったシュートはやや力任せではあったが、DFとGKの両者に当たりながらもゴールに吸い込まれていった。
相手にシュートをブロックされ天を仰いだ高原の表情と、最後まで諦めずにボールに食らいつき、可能な限り味方と連携しながらゴールへの執念を持ち続けたセルヒオの粘りが対照的な追加点のシーンだった。

追加点を挙げてからの指揮官は、ぬかり無く采配をふるった。消耗の激しい代志也に替えて公式戦デビューの濱田投入。長身の濱田が代志也の位置に入るかと思われたが、そこには峻希がシフトし、峻希の位置に濱田が入った。しかしこれは意外にも奏功し、高い位置からの守備を効果的にした。長身から繰り出されるスライディングタックルは、相手の攻撃を早いタイミングで確実に防御してくれ、右サイドの安定化に貢献。おそらく走力のある峻希をSBに充てたいとの考えもあったかも知れないが、、、しかし、制約条件の多い中にあっても、適確な判断を下せるフィンケの戦術眼の確かさには、感服させられるばかりである。

090530niigata6 新潟DF陣へ圧力をかけ続ける意図からか、セルヒオをできるだけ長い時間引っぱって使い、ようやく後半30分にお役御免で林と交代。このあたりから浦和は安全第一モードとなり、よほどのチャンスが無い限り無理に攻め急ぐことは自重し、時間を使うプレーを心がけるように。終盤にはエジミウソンに替えて久々に赤星を起用。危険度が低くなった頃合いを見計らって、若手を投入し試合経験を積ませることができた。どちらが戦前不利と言われたチームかわからないくらいの余裕の試合運び。
終了の笛が鳴る頃は、試合前の不安などどこかへ吹き飛んでいた。

090530niigata7 内容的には12節・G大阪戦のほうが上出来だったが、結果と内容の両者が伴ったという意味では、多少相手のミスにも助けられたとはいえ今季の中でも最も良い試合のひとつだったと言えるだろう。
危機感が生んだ集中力と連帯感が、内容にも結果にも好作用した一戦だった。毎度このような余裕のない状況を続けるのは勘弁してもらいたいものだが(笑)、ほどよい緊張感が、選手ひとりひとりに責任ある行動を与え、組織としての活動を潤滑させるものなのかも知れない。

もしかしたら、同じことがサポーターにも言えるのではないだろうか。
この試合、頭数が足りなかったのは選手だけではなかった。リーグ戦に比べ極端に少ない観客(27446人)。ゴール裏中心部にも空席が目立つ状況だった。
しかし、面白いもので、ゴール裏のコールも普段よりパワフルな声量だったような気がする。1人のサポが、2人分、3人分の声を出し、闘っていた。参戦者数の少ないアウェイの心意気にも似た雰囲気があった。
そして、もうひとつ特筆すべき現象としては、要らぬ野次がほぼ皆無だったこと(笑)。
スタンドの皆が、選手と心をひとつにして不利な状況を脱しようとの必死さが、私の周囲からも醸し出されていた。野次なんて飛ばしているヒマや雰囲気など無かった。
久々の心地よさを味わいながら、すべてが終わったスタンドを後にした。

誰が出ても、目指すサッカーは変わらない。
そんなチームに、少しずつでも近づいてくれていることが、とても嬉しかった。
ますます今年の浦和からは、目が離せない。

 

余談:
最近では、「山田」と言えば「直輝」がとかく言い囃されていましたが、浦和と言えば「暢久」であることを久々に印象づけてくれました。
30歳半ばにして、なおも進化を遂げるのか、、、観る者を期待させずにいられない天性の能力で、いくつになっても何とも不思議なオーラを発する希有な選手です。
そういう意味では、彼は永遠の若手なのかも知れませんね。

|

« 09【AWAY】第13節@大宮戦 | トップページ | 09ナビ杯【HOME】第7戦@大宮戦 »

浦和レッズ」カテゴリの記事

コメント

ご無沙汰です。
ラインは高いと思っていましたが、オフサイドは多かったんですね。
「若さ」は、時に崩壊し、時に思いがけない力を発揮します。
代志也の一点をきっかけに勝ちたい勝てると言う「若さ」が、働きましたねo(^-^)o

投稿: 酔いどれ | 2009/06/02 17:43

@酔いどれさま
お久しぶりです。先日はお会いできずに残念でした。

>ラインは高いと思っていましたが、オフサイドは多かったんですね。

オフサイドの数は、ワタシ脳内調べだけの世界において、
「いつもより、1~2本は多かった」
くらいの程度で(笑)。今年1試合平均で与えたオフサイドの数は、結構少なめのような印象を受けていましたので、ほんのわずかな差でも却って今回は目立って見えました。それはたぶん、ロープ緊縛練習のイメージが先行した影響かも(・∀・)ニヤニヤ

>「若さ」は、時に崩壊し、時に思いがけない力を発揮します。

つい、光GENJIの
 ♪ガラスの10代~
を連想してしまいますが(笑)、「若さ」って、良くも悪しくも、そのどちらにも無限の可能性を秘めているものなのでしょうね。
こういうことって、歳を取ったらわかるんですねぇ、これが(爆)

投稿: nigoe | 2009/06/03 00:57

nigoeさま

爺・山田は私がサッカー観戦を始めた時から御贔屓の
選手です。孫・山田にバトンタッチかと思いましたが
まだまだ元気ですねー。   (赤人さまのブログで)
赤人さまの異議にイエローを出して父・山田から爺に
昇格させましたが、この元気さでは2階級下げて兄に
しないといけませんかねー(笑)。

なんにしても14~5年のお付き合い、その元気さが
とてもうれしい。

投稿: | 2009/06/03 07:13

nigoeさん、こんにちは。
今年は、ナビスコの楽しみ方が再確認できて、本当に嬉しいです。
若手の躍動感あふれるプレイ、その若手をバックアップして十分力を発揮させようとするベテランの渋いプレイ、楽しすぎます。
リーグ戦とはまた違ったこんな楽しい闘いを、11月の決勝戦まで見ることが出来たらと、期待せずにはいられません。

投稿: たまのり | 2009/06/04 14:56

@(たぶん)なごやのじーじさま

>この元気さでは2階級下げて兄にしないといけませんかねー

精神面も含めて「永遠の若手」のような気がします(笑)
状態が安泰すると、すぐに「タリー」モードになる彼が、今年は全くその気配を見せません。やはり若手台頭の危機感か、あるいは若手をカバーしなくてはとの危機感か、たぶんその両方だとは思いますが、やはり彼の場合は「必死」にさせるとホントにいい仕事ぶりを発揮してくれますね。

@たまのりさま

>今年は、ナビスコの楽しみ方が再確認できて、本当に嬉しいです。
仰るとおりですね。
昨日の駒場、当日券発売のうえに、サポの中でもチケ余りが多くて、どうなることやらと案じておりましたが、なんのなんの、東側ゴル裏は、いつも通りの賑わいでした。17000人を超える観衆は、久々でした。
やはり前節の新潟戦を観て、「今のチームを観てみたい」と思う人々が集ったのでしょう。
若手とベテラン、この両者が融合したチームの成長がこんなに楽しいものなのだと思うと、成長の過程をずっと見守っていきたくなりますね。

投稿: nigoe | 2009/06/05 01:16

nigoeさま

(たぶん)っが当たってます。なごやのじーじですぅ。
失礼いたしました。

で、ふとアクセス地域ランキングを見ましたら、愛知が堂々の4位! 
ジージのおかげでしょうかねぇ~ (´∀`*)ウフフ

投稿: なごやのじーじ | 2009/06/06 08:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/139833/45202772

この記事へのトラックバック一覧です: 09ナビ杯【HOME】第4戦@新潟戦:

« 09【AWAY】第13節@大宮戦 | トップページ | 09ナビ杯【HOME】第7戦@大宮戦 »