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2009/05/13

09【HOME】第11節@川崎F戦

フィンケ元年1学期の『中間試験』には不足のない相手、川崎F。その結果は、試合運びや戦術理解度を比べても相手が上であったこととともに、自分たちの未熟さを確認できたのではないだろうか。ジャッジの曖昧さを差し引いても、サッカーの神様は、「及第点」をお与えくださらなかったであろう。
この課題を再確認できただけでも今節の収穫。結果の順調さに惑わされ、あとで現実を思い知るよりは遙かに賢明で妥当な結果(=敗戦)であったかと。


090510kawasaki1 早朝から照りつける陽射しの中、当日抽選を済ませて木陰で休息。涼やかな湖岸の風に誘われ、しばしまどろむ。陽が高くなり木陰が欠けてきたところには、真夏のような陽射しが差し込む。投げ出していた足に陽が降り注いだ瞬間、あまりの暑さに思わず足を引っ込めた。この暑さに、この日のゲームコンディションが気がかりになる。

090510kawasaki2 キックオフが近づくにつれ、北ゴール裏スタンドには陰が延びてきてありがたい限り。若芝薫るスタジアムは、半袖で過ごすにちょうど良い。真夏のような気候に真昼の試合。練習する選手たちも暑そうな表情。この条件がゲームをどのように左右するのか、同じ空気を共有する者は皆、そう考えたに違いない。

090510kawasaki6 負傷のロビーは、やはり先発に名を連ねず。体調不良が報じられた細貝は辛うじて出場できたようで、先発メンバーはほぼ前節どおりの中、ビジョンに映される前節の立役者・セルヒオの名が新鮮に場内に響く。川崎も先日のACLの疲れがあるのか戦術的なものなのか、天津でのスタ メン、特に守備的なポジションに少し手を加えてきた模様だが、090510kawasaki5ジュニーニョ、鄭、ヴィトール・ジュニオールのJ屈指の強力攻撃陣はそのまま先発。疲労はあるとはいえ、彼らのスピードと破壊力はやはり脅威。守備の堅調さが評価されてきた浦和がこのところ失点するようになり、やや不安は覚えつつも、相手の攻撃力を鑑みれば、失点やむなしの覚悟は当初から必要であったと思わ れる。過去にも派手なスコアが記憶に残る埼スタでの川崎戦であるから、なおのことである。090510kawasaki7そんな勝負を如何にしてものにするかは、「追加点」にかかっていた。今節のテーマこそ、「最少失点」と「追加点」であったろう。その2つのテーマを、果たして同時に実現できるのか、、、期待して見守ることに。

前半は、警戒心が「期待はずれ」となる意外な展開となった。浦和ボールの際、川崎守備陣は無理にボールを獲りに来ない。運090510kawasaki4動量を極力抑えスペースを埋めて守り、ボールを奪取したら一斉に動き出す、まさに「省エネカウンター」モード。前線は破壊力充分の3人に基本的に任せ、他は自分の持ち場での行動に専念するという、どこか懐かしい浦和のACL仕様時代の姿が重なった。アジアとJを闘い抜くということはそういうことなのだろう。
運動量を制御している相手に対して、浦和の攻撃はどうかと言えば・・・何と申し上げて良いのやら。4月にわれらを魅了しつつあったコンビネーションは、この数節影を潜めているが、この日もどうやら同じ模様。さらにボールを巡る選手たちの動きが鈍い。スタメン固定化による連戦の疲れか、連動性も低下。しかしながら、何とか川崎の守備陣形に風穴を開けようと駆け回ったり、ボールをできるだけ高い位置から奪おうとするエジミウソンと直輝の動きには、多少の可能性を感じ取れた。だが、こちらも期待の若手であるはずのセルヒオには、この2人の動きのような可能性をあまり感じることができないでいた。「攻撃的守備」「コンビネーション」を謳うフィンケ・サッカーにおいて、運動量の少なさや個人技に偏重する動き(ドリブル固執など)は、戦術の機能低下に直結してしまう。無論、足の速い遅いは別の話として。セルヒオ自身、どこまでフィンケの戦術を理解しているのか、、、と時々思ったが、後半足が攣ったところを見ると、彼は彼なりに懸命だったことは伝わってきた。しかし、、、だけど、、、と、つい思ってしまう。先制点のアシストとなるCKはセルヒオからのものであったが、相手マークを外してゴールをこじ開けたり、それに至るまで攻守にわたり相手DFにプレッシャーを与え続けるエジミウソンのような動きを、セルヒオにも求めたいのが正直なところ。

090510kawasaki3 さて、対する川崎。無理にプレスをかけてこないのは、これは戦略だったのだろうか。前半の多くは南側でのハーフコートゲームに近い状態で、それほど危険なシーンも少なかった。ただ前半の終盤にかけて、川崎は少しずつ高い位置からボールを奪い、シュートまでもっていくように。その際、浦和の選手のボールをもらう動きが一歩出遅れたり、不用意にボールを攫われたりするシーンが少し目についた。パスも回らなくなっていた。あとになって思えば、あの頃から早くも浦和の選手の足が止まり始めていたのかも知れなかった。後半、川崎の足が早々に止まり浦和のチャンス到来と思っていたのだが・・・現実は全くの裏目に。前半に追加点を挙げて2-0にしておきたかった。私も見通しが甘かった。

090510kawasaki7_2 後半、川崎の伝家の宝刀・カウンターが満を持して炸裂。これで浦和は一気にゲームプランを狂わされることに。
後半12分、森から鄭にクサビが入った。その前へ一直線に走り込むジュニーニョの姿が確認された時点で、失点は容易に予感できた。ポストプレーによるお手本のようなコンビネーション・プレー。恐れ入谷の鬼子母神。

失点後すぐ、元気OUT→高原IN。この頃から闘莉王の姿が頻繁に視界に入るように。同点にされたことから浦和の選手たちに攻撃のギアが入る。川崎陣内に詰め寄る時間も人数も増えだした時に、セルヒオの足が攣り負傷(前半踏まれた足首をかばったためとのこと)。交代で峻希IN。相手選手への寄せのスピード、CKの精度を見ると、もっと早めに峻希に替えておくべきだったのかも知れない。失点からの数分、活気を帯びた浦和攻撃陣が川崎ゴール前に繰り出した成果は、奇しくも峻希のスローインから生まれ、詰めていた闘莉王の左足一閃で帰結。闘莉王のシュートの巧さに助けられた逆転弾だった。

その先、このまま川崎の攻撃を凌げばそれで終わっていた試合だったが、、、2失点目で、フィンケ浦和の歯車は完全に外れてしまったようだった。
PKを献上した闘莉王が責任を感じたのだろう、なりふり構わず前線に張り付くように。同点にされ逸る気持ちを抑えられなかったか、他の浦和の選手たちも前がかりに。冷静さを欠いた戦法ほど脆いものはない。PKで同点とされた3分後、手薄となった浦和の背後は、中村憲のセンターサークル手前からのロングフィードに刺され、教科書どおりの見事なカウンターを浴び、3失点目。ついに逆転を許す。
指揮官であるフィンケは試合後、「私は根本的にホームでの試合で、このような同点のときに、守備的に試合を進めようとは一切思っていない。できる限り、ゴールを目指すべきだと思っている。」との持論を披露した。その考え自体は間違っていないと思うが、その考えを試合に反映するタイミングには一考の余地があったのではないだろうかと思う。特にピッチ上の選手には。

逆転劇に、色を失った浦和の選手たち。しかも後半だけで3失点とは。
しかしまだ後半31分、まだ15分の時間が残されていた。
多くの時間が残されているにもかかわらず、次々と川崎の複数の選手たちが、ピッチに倒れ込むシーンが増えていく。何とも露骨な転がりように、スタジアムはブーイングの嵐。時間は容赦なく過ぎてゆき、焦る浦和の選手とサポーター。狡猾に時間を消費し相手を焦らす川崎の戦略もまた、アジアとJを闘ううえでの処世術なのだろう。しかしこの頃の川崎の選手たちの足が止まっていたのも事実で、私も思わず「川崎、足止まってる!」と叫んだ。このタイミングまで堪える忍耐力が浦和に、そして闘莉王に備わっていたなら、試合の行方は違ったものになったかも知れないと思うと、歯がゆさが残る。

こうなると、ますます焦る浦和に戦術の「形」を見出すことは難しくなり、いわゆる「闘莉王頼み」にボールを集約するパワープレーに終始。最後は新潟戦の再来とばかりに坪井まで助太刀に。確かにこれが決まればパワープレーも「是」とされるだろうが、このところの試合内容を鑑みれば、決して「攻撃のオプション」とは言えず、「攻撃の主流」と言わざるを得ない。これを肯定すれば、昨年までの浦和と何ら変わらない。

今季始めから積み上げてきた成果を発揮することもなく、連戦の最後を敗戦で締めくくった。カウンターに沈んだ敗戦は、カシマでの開幕戦を思い起こさせてくれる。
さらに新潟戦以降というもの、コンビネーションプレーによる得点より、ねじ込むゴールが多くなったことは誰もが知っていた。感じていた懸念の数々が、ここにきて一気に表面化し並び示された。

11節にして「3歩進んで、3歩下がる」、そんな状況。

090510kawasaki8 しかし、全く「ふりだし」に戻ったわけでもない。
戦況にもよるが、いわゆる守備時の「引きこもり」は昨年より少なくなったし、守備の重心もより前方に置かれるようにもなった(その弊害でカウンターも受けやすくなったが)。少しずつだが成長の跡は確認できる。ただ、最初はうまくいっていたのにだんだん調子が芳しくなくなったところが、予想外にも好調だった成績の影にちょっと隠されてしまっただけのことだ。その陰に隠れた部分を引っぱり出す作業のきっかけになってくれるのが“敗戦”であるし、戦術面だけでなく体力面、精神面での成熟の度合いを計れるのもまた“敗戦”である。

浦和の選手たちは、出場選手をほぼ固定化され、連戦の中で疲労度はピークに達していたことは理解できる。しかし川崎の選手たちのほうが浦和以上に疲労条件を抱えていたのは確か。今節に限れば、決して疲れを言い訳には出来ない。

そして。
選手を落ち着かせるも急かすも、サポーターの醸し出す雰囲気次第ではないだろうか。サポーターが冷静さを失うことなく、浦和の成長過程を見守っていくことが今年最も必要とされている。
ジャッジへの不満はあっても、われらの不満を審判団にぶつけることで、選手たちが抱く不満を増長させることは決して得策ではない。試合後に余計な警告を受けるのは選手なのだから。
成長が必要なのは、サポーターも選手と同じ。日々精進である。

試合後、闘莉王から反省の弁があった。同点にされた時点で、慌てるべきではなかった、と。己の焦りが敗因に繋がった、とも。ゲーム運びに対する自分の未熟さにも及んで話していた。
試合には負けても、得るものが多かった、そんな試合だったと思う。
次に川崎と対戦する時は、この恩をきっちりと返したい。

 

追記:
読み返すと、「たら」「れば」が多いエントリとなりました。
しかしこれは、勝利を得られなかった悔しさから来るものではく、別の方法を採れば違う成果が得られたであろう可能性を考察するきっかけを探りたいとの思いから来るような気がします。
今回の敗戦を素直に受け入れていることが、その気持ちを生み出しているのかも知れません。

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コメント

nigoeさん、こんにちは。
川崎戦で一番感じたのは、「動けてないなぁ。」です。特に、レッズがボールを保持しているとき、レッズも川崎も動けてなくて、睨み合い状態でした。こんな時こそ、パスアンドゴーが有効なのに、アクション出来ていないと感じました。一方、川崎側はやっぱり攻守の切り替えは早かったです。ボールを奪ってからのアクションが非常にスムーズで、決め事が徹底されていましたね。前後分断サッカーではありますが、前3人の個人能力を活かしきるサッカーは迫力十分ではありました。
後、この試合で気になったのは、川崎の前3人との1対1を頻繁に作られ、さらに度々負けていたことです。今年のレッズは数的優位を攻守どちらでも作り出すサッカーです。それがこの試合では上手くいっていなかった。そして、特に守の部分で破綻気味だった。カウンターへの対応は、まだまだ十分ではないということですね。
次節の相手のガンバは、川崎とは違った形での攻撃型のチームです。現時点でのフィンケサッカーがどこまで通用するのか、ガチでのぶつかり合いがとっても楽しみです。
追伸:国立の柏戦でレイソルサポが「あたって砕けろ!」とコールしていて、たまのりは「砕けてしまっていいのかよ。」と、笑ってしまいました。次節のレッズはガンバ相手に「あたって蹴散らせ!」て貰いたいものです。

投稿: たまのり | 2009/05/14 17:59

@たまのりさま
コメント遅れまして、失礼いたしましたm(_ _)m

>こんな時こそ、パスアンドゴーが有効なのに、
>アクション出来ていないと感じました。
まさにご指摘のとおりで、運動量や数的優位をつくらなければフィンケの目指すスタイルにはなりません。
さて今後どうなるか・・・と案じていましたが、G大阪戦が終わった今、川崎戦での修正がきっちり出来ていることに、とても嬉しく思いました。成長に大事なことは「修正する能力」を持ち合わせていることだと思います。闘莉王が終盤、自分の持ち場をがっちり守っているところを見て、「自分がまずやるべきこと」を自覚したなぁ、と(笑)。ささいなことですが、本来の役割をまず果たすことが基本ですものね。セルも「自分の役割」を自覚してましたし、他の選手も「運動量」が意味するものをしっかり理解していました。
川崎戦が良い薬になってくれたと思います。

>レイソルサポが「あたって砕けろ!」とコールしていて、
>たまのりは「砕けてしまっていいのかよ。」と、笑ってしまいました。
これに同じく、でございました(笑)

投稿: nigoe | 2009/05/18 12:30

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