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2008/11/27

08【HOME】第32節@清水戦

私は、“ボランチ4番”と心中するつもりはない。
そして、指揮官の奇策にも付き合うつもりもない。
開始直後のフォーメーションがひと目に理解できないばかりか、判明した時点でさらに驚かされて・・・この一年、この繰り返し。
仮に勝ち続けていたとしても、これを座興と楽しめただろうか。

勝っても、嬉しさ半減。
負けても、悔しさ半減。
こんな奇妙な心地で過ごすシーズンは、かつてない。


081123shimizu1 夜明けの薄暗闇の中、埼スタへと向かう。そんな時間でも多くの人は私と同じ方向に歩いていた。(前抽は別として)ナビスコや天皇杯決勝で国立に向かった頃以来の時間。確かに、“決戦”という意味では似たような状況ではあった。試合が終わるまでは。
初冬の冷たい空気をはねのけるように、急ぎ足で向かう。

081123shimizu3 抽選を済ませ、曇り空のもと待機列にて時を過ごしていたところ、舗装の冷たさが体温をどんどん奪っていく。札幌は例外として、今季初めて冬の到来を感じさせた待機列。しかし寂しいかな、今季残された試合数は、「3」。例年より早いオフシーズンの到来で、ベンチコート を着ることもなく今シーズンを終えるのだろうと思っていたところ、陽射しが降り注ぎ冷えた空気を暖め081123shimizu2だした。ああ、やはり今年はコートの出番はなさそうだと思った次第。
入場し、小春日和なスタンドでキックオフを待つ。しかし11月も下旬となると冬至も近く、お天道様の動きが速い。試合開始を待たずに、席は冷たい影に覆われた。

スタメン発表では、それほどの驚きは感じなかったが、いざ試合が始まった途端、私の頭は急速に混乱した。
081123shimizu8まずは、細貝の位置に驚愕。慌てて中央部に目を遣ると、闘莉王と啓太がいた。左サイドが妙に気になり、その視線を左に向けたところ・・・相馬の後方に平川!
予想だにしなかった配役に、さらに驚きに拍車をかけたのが、フォーメーション。3バックとも4バックとも覚束ない陣形に、十数分 ほど悩まされた。4バックの割にはSBの後方を狙われすぎなうえに細貝のタテへの動きが少なく、3バックの割には細貝や平川が自陣深く081123shimizu7守りにくる(結局は、平川-阿部-坪井-細貝の4バック)。達也との2トップの一角と目されたセルに至っては右サイドに「積極的に」流れていく、、、要するに、事例に囚われていた私の感性がついてゆけなかっただけのようで、柔軟な思考を持つ指揮官は慣例に縛られることなく、聞けば練習でも試さなかった形で本番に臨んだという。何という英断だろうか。。。

立ち上がりの10分程度こそ積極性を見せた浦和だったが、その後は見るも耐えかねるほどの惨状。素人の私が観てもわかるくらいに、

ボールが、つながらない。
いや、つながっていた、、、バックパスでは。

081123shimizu4 激しい相手のプレスやマークを一旦引きのばすためのバックパスなら私も理解できるが、ボール保持者はどう見てもパスの出しどころを探していた。受けてくれる味方を探していた。ボールを保持してからの次のアクションへ移る速度が、清水と比べて圧倒的に遅い。前線では、ボールを引き出そうと後方まで達也が下がって貰いに来るのだが、1トップが頻繁にそのような動きをしていては点が入る気配がしない(というか、達也の1トップが不思議なのだけど)。
その達也後進の原因を作り出していたのは、言わずもがなセントラル・ミッドフィールドの選手たち。攻撃時の組み立てができない。相馬-ロビー-セルと並べた2列目は、SBの進出における“フタ”となり、サイド攻撃は機能不全。守勢に至っては、前に3人並べた影響で、浦和の中盤は相手のパスが簡単に飛び交う“空き地”と化していた。もはや「骨抜き」な状態。加えて、ケガ持ちのうえ中東遠征の疲れのある闘莉王を、最も運動量を必要とするポジションに配した時点で、浦和の中央部は「死に体」となるのは当然。失点シーンにおいて、最後に枝村の至近距離にいた彼が身を挺することなく(できず、と言うべきか)シュートを許した。この選手配置に加え、動けないうえにパスミス続出で明らかにコンディション不良の闘莉王を最後まで起用した論理は、まさに謎と言わざるを得ない。
そのしわ寄せで場違いな配置を強いられた細貝に至っては、SBらしく右サイドを駆け上がるのではなく、一旦キープしながらパスの出しどころを探す姿が散見された。本職のボランチが行う動きそのものである。彼自身、与えられた仕事をこなしながら、何を思っただろう・・・
悶々とした、観る者にとって半ば拷問のような前半は、ようやく終わった。

081123shimizu6 後半は立ち上がりから、達也と件の2列目において、程良い距離感が掴めた模様。
清水陣内でボールがテンポ良く回り、パスを引き出す連動的な動きが増え、久々に心地よい感触が伝わってきた。波状攻撃が展開され、得点の匂いも漂った。清水右サイド深い位置まで繰り返し侵入した相馬からのクロスがファーの闘莉王にわたり、角度のない位置からのシュートが決まって同点。これでイケイケ状態になった浦和は、さらに畳み込もうと攻勢を仕掛ける。さまざまな選手の動きが活路を開き、達也がGKと1対1となったシーンが、この試合のクライマックスだった。しかし、そんな浦和逆転劇の夢想を砕いたのは、清水DF陣の「執念」だった。素早く帰陣した清水の選手は、ざっと数えて4人はいただろう。ゴールを死守せんと信じがたい反応で達也のシュートをはじき返してくれた。
事実上、この時点で浦和逆転の気配は霧散した。

ビッグチャンスを逃した浦和の攻撃には、焦りの色が垣間見えた。前掛かりになった浦和の背後を清水が突き、立て続けに数本のカウンターを食らう。負けじと浦和もボールを奪い双方“殴り合い”の様相になりかけた時、その「焦り」からなのだろうか、不用意な細貝のパスを掻っ攫われ、一気に清水陣内にボールが運ばれた。その時、左SB相馬が相手カウンターを追えず歩いていたのが見て取れた。攻撃で疲労困憊した彼にボールを追う体力は残されていなかった。無惨にも矢島に決勝点を叩き込まれたシーンをピッチ上で見届けた直後、相馬OUT→暢久IN。何とも皮肉なタイミングでの交代劇。
さらに、浦和の悲劇はこれにとどまらなかった。
唯一の光明であった達也OUT→エジミウソンIN。
その後、「誰がどこに?」とピッチの様子に目を凝らしていたら・・・
細貝がボランチに戻るのは、凡人でも理解可能な範疇なのだが、細貝のいた右SBには、何と左SBを務めていた平川をコンバート。トコロテン式な思考のままに平川の持ち場を誰が?と思って視線を遣れば、そこに暢久!新潟戦であれだけ「味噌の付いた」配置にも関わらず、なおも採用する指揮官の思考や如何に。
“とどめ”は、細貝にボランチの場を預けた闘莉王が、私の視界間近に接近。2トップの一角に変身していた。終了直前、闘莉王はハイボールを競れないほど、跳べなかった。

081123shimizu5どうしようもない寂寥感と無力感が、スタンドに押し寄せてきた。

ホイッスルが鳴り、歓喜する清水の選手たち。当然の結果を受け止めざるを得ない浦和の選手とサポーター。アウェイスタンドに『王国清水』の横断幕が掲げられた屈辱を、耐えて忍ぶしか術はなかった。

081123shimizu9 与えられたポジションに囚われるあまり、本来の動きを発揮することができない選手たちへの同情を禁じ得ない。
「闘ってはいても、サッカーにならなければしょうがない」
というロビーの言葉は、端的に今のチーム状態を表している。
浦和には、もう081123shimizu10『戦術』というものは存在しない。
選手にファイトがあっても、それだけでは勝利を得られないことを、現実は教えてくれた。
さて。
これを『悲劇』と片付けるか、それとも『契機』と捉えるか。それこそ「気持ちひとつ」である。残り2試合を消化試合としてやり過ごすことなく意義あるものにするのは、自分たちの「気持ちひとつ」にかかっている。

札幌ドームで、久々に再開した応援。あの時もそう思った。「自分たちの気持ちひとつ」だと。
ゴール裏は、あの時から腹を括っていると思う。ある決意を持って。
何だかんだあっても、結局現場に立たされた選手とサポーターが闘わねばならないことを。司令官と指令系統を無くした戦場では、最前線の兵が団結して闘い抜くしかないことを。

あと2試合、人事は尽くそう。
まだ、すべてが終わったわけではない。
より良い結果は、力を尽くした者にこそもたらされるものであるから。

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コメント

ハーフタイムに知人と交わした会話。

知人「いや、ひどい前半でしたね。」
私「いや、これでも、丸亀の前半に比べたら良くなってますよ。」

選手は、おそらく、これまでのサッカー人生でもあり得なかったくらいの逆境を戦っているのだと思います。
そういう選手を、残り2試合、しっかり応援しようと思っています。

投稿: sat | 2008/11/27 13:03

メンバー発表で目をパチクリ。
フォーメーションを見て笑っちゃいました。
ナニ考えてんだか。

あれで勝っていてもちっとも嬉しくない。
素人じゃないんだぞ、っと!
来年は参戦を半分に落とそう、心に決めて埼スタを後にしました。

この一年、ちっとも楽しくなかった。

投稿: なごやのじーじ | 2008/11/28 12:11

@satさま
丸亀参戦、お疲れ様でした。前半は本当にヒドイ試合だったそうですねww
仰るとおり、選手たちはサッカー人生最大の逆境に置かれていると思います。昔の負け続けていた頃だと割と素直に何が原因か受け入れていたと思いますが、ひとたび栄達の道を登ると「何故なんだ?」との疑問が先立つために、本質を見失ってしまうところがあるかも知れません。それが逆境を作り出しているような気がします。
たった2試合で問題が解決できるとは思えませんが、迷える選手たちが少しでも力を発揮できるように、私たちにできることをやっていきましょう。

@なごやのじーじさま
ホントに、あのフォーメーションには驚かされました。もう「奇天烈」というよりは「酔狂」という印象でした。

>来年は参戦を半分に落とそう、
>心に決めて埼スタを後にしました。

来年、思いがけなくじーじさまの参戦機会が増えますように(笑)、そのためにも万博に行ってきます。
来季のために、残り試合が意義あるものとなるためにサポートしてきます。

投稿: nigoe | 2008/11/28 18:46

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