« 執念~第24節大分戦の展望 | トップページ | 08【AWAY】第25節@大宮戦 »

2008/09/20

08ACL準々決勝【AWAY】アルカディシア戦

セットプレーの3失点、退場、中東の笛、レーザー光線、値千金のアウェイゴール2点。
国内リーグ戦とはまるで勝手が違う、アジアの闘い。薄氷を踏む思い。
焦れる展開の中、死地に活路を見出す、逆境の底力・・・久々に、そんな浦和を感じた試合だった。


現地に集結した、浦和の精鋭(ウルトラ)たちの画像がTV映し出された時、寝覚めの体に熱い血がどっと巡りだした。高まる心臓の鼓動。私を一気に戦闘モードへと導いてくれるのは、やはり同志たちの姿。自分にできることは、今この場で必勝の念を送ること。

いよいよ、2度目の、浦和のACLが始まった。

予想どおりの完全アウェイの様子が、画面を通して伝わってくる。あの地方特有の、宗教指導者のアジテーションか説法もどきの声が、拡声器を通して日本のTVのスピーカーをがなり散らす。その音声の間を縫って聞き慣れたチャントが伝わってくる。その声に自分の思いをのせてピッチ上の戦況を見つめた。

国際試合になると、理論的には説明が付かないが、不思議な化学変化を起こす選手がいる。
直近のリーグ戦での闘いぶりから、初戦アウェイで慎重な立ち上がりになるかと思ったら、さにあらず。ところどころ剥げた柔らかそうな芝と勝手の違う気候に難儀しながらも、積極的にボールへアプローチをかけ、選手が前を向いて動いている。久々の先発に戻ってきた暢久。試合勘が心配されたが、「とりあえず」無難にこなしている。右サイドには永井が広範に動いていたので、先日の大分戦のような3ボランチの一角を担わされた格好のようだったが、微妙なポジションで、しかもACL初戦のぶっつけフォーメーションにも何とか適応していた。浦和の主将を(マイペースで)務めるだけあって、この男の心臓には毛が生えているようだ(笑)。左サイドの相馬も、何故か国際舞台となると、前方への推進力が増加するようで、積極的に相手陣内に仕掛けていく。ただ、相馬の攻撃への活躍は、同時に彼の後方スペースへの配慮を必要とすることを意味する。将棋で言えば香車の駒。極端に言えば「上がりっぱなし」の左サイド。
動きは積極的に見えて3ボランチの守備的(?)即席フォーメーションとサイドのスペース・・・やはりアルカディシアは、そこを見逃さなかった。

時間の経過とともに、徐々に浦和のリーグ戦での「素顔」がここクウェートの地でも見え隠れするように。サイドのスペースを使われるシーンが目立ちだし、徐々に押し込まれる格好に。さらに悪いことに、ボールを奪い返しても攻守の切り替えが遅い。ボール保持者へのサポートも少なく、攻撃の枚数も足りないために散発パターンに嵌りだした。
味方の動きをよく観ながらポンポンと簡単にパスを回す相手と比べ、明らかに浦和の動きと対応の遅れが見て取れた。
やはり、2週間前に中東遠征したばかりの闘莉王と阿部のプレーの切れが芳しくない。特に闘莉王の対応は後手に回るシーンが散見され、疲労の色が隠せない。
それでもなんとか最終ラインを崩されることなく持ち堪えてはいたものの、前半18分に与えたFKポイントが失点のきっかけに。得点したイブラヒムもHSの打点が高かったとは言え、フリーにしてしまっていた時点で失点やむなし、といったところか。
先制され目を覚ましたのか、浦和はボールを奪い返してからの攻撃の速度を早めた模様。しかし守備への比重は変えぬままのカウンター狙い。アウェイゆえの常套手段であるから、守備的なこと自体は悪くないのだが、当然、攻撃時の前線と中盤との距離は開き、サポートが少ないため、パスを出す味方を探す様子が散見。守備においてはボランチが最終ラインに吸収され、バイタルエリアにスペースを与えがちに。端的に言えば、この試合は終始こんな調子だったと思う。
しかし、そんな中でもあきらめずに狙ったフィードが起点となり、サイドを力強く駆け上がった永井からのセンタリングをエジミウソンが中央からズドンとカウンター同点弾。国際試合における永井はどことなく日本人離れした、ワールドクラスの風格さえ漂う。ボールを持った瞬間が、とても頼もしい。かたやリーグ戦での鬱憤を晴らすかのように、ポスト役に、守備に奮戦するエジミウソン。確かに国内リーグ戦での態度を思い出せば今でも腹に煮えくりかえるものを思い出してしまうが、プロは結果を出すことがすべてであり、この試合のアウェイゴール2得点は白眉の出来。彼はきっとACL要員であったのだ、と理解することにした(笑)。このふたりもまた、“化学反応”した選手だろう。

このまま同点で行けばまずまず、、、と思ったこの試合。
しかし、現実は甘くない。甘くないどころか、規格外の“化学反応”が生じてしまった。
顕著だったのが、審判団のジャッジ。接触プレーの基準が乱れだした。浦和側が受けたファウルが認められない。アルカディシアの選手が倒れれば、笛が鳴る。ロビーのノーゴール・シーン・・・エジミウソンのオフサイドは微妙ではあるものの仕方無しとあきらめられるが、堀之内の犯したファウルは完全に枠の外。そして浦和2得点目の際のアルカディシアGKの遅延行為の見逃し。正直、この判定を下した主審は疑われても仕方がないだろう。

3-1と敵地で逆境に立たされた浦和。
しかし、浦和は選手もサポも試合を捨てない。3点目を取り勢いづいたアルカディシアサポの歓声が大音量で響いても、なおも海を越えて流れてくる同志たちのコール。
これが、私の愛する浦和。
これを聞いて奮い立たずんば、『漢』に非ず。
何とか反撃のきっかけを掴もうと、相手陣内を探る浦和の選手たち。幸い相手も足が止まりだしたうえに、選手交代で守備体制が乱れたところに、浦和必殺の闘莉王攻撃参加。
3失点目の起点となったミスを取り戻そうとの気迫に漲った敵陣侵入と粘りのドリブルを、中央でフリーで待ち構えていたエジミウソンに託した。闘莉王の願いに応えたエジミウソンの一蹴はゴールに突き刺さり、2点目を叩き込んだ。
この2点目が有ると無いとでは、天国と地獄ほどの差。まさに値千金。

かえすがえすも3失点が口惜しい。しかし、1・2失点目は、予想の範囲内での出来事だったことは、忘れずに書き留めておきたい。3失点に共通して言えることは、あのようなバイタルエリアでセットプレーの起点を与えたこと自体が『ミス』であるということ。ノックアウトステージでは致命的なミスである。
そしてその事態を招いたものが、中盤での攻防の脆さ。高い位置からの守備不足はなおさらその事態を招きかねない。おそらくは黄紙を食らったために途中交代させられた細貝であったが、彼の不在が相手にチャンスの起点を与えてしまった、と言えそうな気がする。
しかし、悪い材料ばかりではない。3失点は食らっても、内容を見れば浦和の最終ラインは最後まで破綻することは無かったし、崩されることも無かった。攻撃面でも、相手はどうやらサイドからの横の揺さぶりに弱そうだ。
次戦まで時間はないが、しっかりと対策を立てて欲しい。

90分枠では敗戦であるが、180分枠では決して不利ではない状況。
準決勝進出への望みをつないでアウェイから戻ってきてくれたことが、どれだけ心強いことか。
その反面、チーム現況を鑑みれば、リーグ・大宮戦での啓太の復帰も難しいらしく、達也も同様に見送られる模様。闘莉王も足に違和感を訴えているという。
過密日程、満身創痍、、、胃の痛くなるようなサバイバルゲームが続くが、こんな痛さならとことん付き合ってやる。
次は、アジア最強・浦和のホーム、埼玉スタジアム。
勝つのは、われわれだ。


現地参戦の皆様、遠い異国の地まで、本当にお疲れ様&ありがとうございました。
事故やトラブルの報道もなく、全員無事に帰国された様子、嬉しく思います。
次はわれらがホーム・埼スタです。
彼らに「本物のアウェイ」の凄さを、思い知らせてやりましょう。

|

« 執念~第24節大分戦の展望 | トップページ | 08【AWAY】第25節@大宮戦 »

浦和レッズ」カテゴリの記事

コメント

nigoeさま

じーじは生きていますゾ!
ご無沙汰しておりま~す。

しかし、審判は何とかなりませんかねー。
中東のチームと中東での試合、で、審判も中東!
で、ジャッジもちゅうとはんぱなら良かったけど、偏りすぎ。

やはり国際試合は別地域からがいいな。
でも、次はフィジーとかトンガの審判希望!
お隣の国とはいえ、半島の審判だとかえって危ない、特に北の方は。

投稿: なごやのじーじ | 2008/09/20 22:23

@なごやのじーじさま

お久しぶりです。余所様で少しお見かけいたしましたが(笑)、元気でお過ごしのご様子、安心いたしました。

あのイラン人審判ですが、疑われてもしょうがない判定でしたね。後で謝られてもこっちも困りますがな、っても思ったんですが、まだ正直な分、マシなんでしょう。
別大陸からの招聘が無理なら、オーストラリアはじめ太平洋周辺国の審判が適任かも知れませんね。
当該対戦国に近い国の審判をよこしたAFCって、一体何考えてるんでしょう? ゲルトの頭の中みたいに不可解です(笑)。

投稿: nigoe | 2008/09/23 12:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/139833/42514644

この記事へのトラックバック一覧です: 08ACL準々決勝【AWAY】アルカディシア戦:

« 執念~第24節大分戦の展望 | トップページ | 08【AWAY】第25節@大宮戦 »