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2008年8月の7件の投稿

2008/08/21

08【五輪】女子:日本 0-2 ドイツ

日本選手団のなかで一番長く競技した、なでしこジャパン。

本当にお疲れ様でした。
そして、私たちに夢と希望を与えてくれて、ありがとうございました。
残念ながらメダルには手が届きませんでしたが、最後まで存分にオリンピックを堪能してくれたことと思います。

銅メダルを賭けた闘いの相手は、ドイツ。
気持ちを前面に出したアクションサッカーを展開する日本に対し、ポゼッションを基調としたリアクションサッカーのドイツ。
実況席の野地アナ&人間力氏が、日本の試合内容の良さと展開の優位性を盛んに説いていましたが、、、試合を通して、私はそこまで楽観的な印象は感じませんでした。
前半の半分までは、確かに日本が自分たちのサッカーを存分に披露してくれていました。体格に勝る相手に活路を見出すためには、運動量で勝負するしかありません。これは間違いではないと思います。しかし、時間の経過とともに日本は「パス回し」が目的化したような、端的に言えば、ドイツは日本にパスを「回させて」いたのではないでしょうか。くさびで受けたパスを戻したり、中央の選手にパスを預けるあるいは中央突破を計るといった、パターン化したボールの動きを狙われ始めたのを見て(澤が結構狙われていたような・・・)、おそらくドイツはペース配分を考えており、後半勝負を賭けているような気配をちらつかせているように、私には見えました。

後半、それは現実となりました。
実況席がたびたび「ドイツは後半、必ず足が止まる」と言っていましたが、ドイツは単に足が遅いだけなのか、それとも省エネタイプなのか、、、日本の選手に比べれば活動量は劣りますが、局面のアクションの早さやストライドの長さを活かした早さはありました。すばしっこく動くか大きい動作で動くか、のプレースタイルの違いは、目の錯覚を与えていたのかも知れません。得点を取った時の動きも早く、試合終盤では精神的優位性もあってか、焦りに消耗する日本とは対照的に余力を残しているようにさえ見えました。男子同様、伝統の堅守を発揮した、まさに強豪ドイツ。試合巧者というほかありません。
かたや、優勢な時間帯に得点をものにできなかった、、、初戦のデジャブのような光景でしたが、これがなでしこジャパンを象徴する現実の姿となってしまいました。

多少、大本営的な気合い表現はあったにせよ、今日の実況席を責めるつもりは毛頭ありません。
日本の選手たちの、ひたむきさに心打たれて、「何とか勝たせてあげたい」という願いと愛情が感じられました。
もう、こういうときは、これでいいのです。試合を観ている者すべてがサポーターですから。

アメリカには何とも埋めがたい“差”を感じましたが、ドイツには微かながらも世界と互すことができる可能性を感じました。
体格で勝ることは不可能ですが、技術で勝ることは不可能ではありません。
決定力-----男女共通の、この慢性的な課題の解決が、日本サッカー発展のカギとなりそうです。

しかし、持てる力を尽くして、なでしこたちは闘いました。
最後まであきらめずに闘い抜きました。
メダルは取れませんでしたが、日本女子サッカーの新たな歴史を創ってくれました。
彼女たちの、笑顔の帰国を楽しみにしています。

追記:
ハーフタイムにNHK教育で流れていたプレイバック映像には、ちょっと涙腺が緩みました。。。
みな、「サッカーが恋人」と言わんばかりに、愛情に満ちた表情をしていました。

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08【AWAY】第21節@FC東京戦

080816fctokyo1 午後。
飛田給の駅に降りた途端、熱気と圧力のこもった空気の塊が私を再び電車に押し戻そうとした。弾力のあるその塊の中に身を投じると、心なしか空気が薄いのではとさえ思えた。尋常ではない気候の中、昨年の並びの光景が記憶から引っ張り出された。それを考えながら、赤と青のパイロンが整然と並んでいる歩道をスタジアムまで歩く足取りは少々重い。

080816fctokyo2 ペデストリアンデッキから甲州街道を見下ろすと・・・意外な光景が。累々と続く長蛇の列があるものと思い込んでいたが、ない。良い意味で予想は裏切られた。このたびは運営側も学習したらしく、隣のアミノバイタルフィールド脇の芝生に待機列を設置していた。タッチラインの両側に列を引き込んでおけば、沿道に並ぶ必要もない。地面からの輻射熱もなく、フィールドからの風通しも080816fctokyo3良い。もしも真夏の昼日中、灼熱のアスファルト舗装の上に並ばされていたらと思うと、別の意味で背筋が凍る思いがした。友人 の厚意によりシート列に入れてもらい、望外に快適に開門までの待ち時間を過ごすことができた。
しかし、、、北の空に暗雲。夜の予報は雨・・・その予兆か。遠く稲光が見える空を背にゲートへと向かう。途中から甲州080816fctokyo4街道寄りの入場ゲートも開放し、スムーズに入場。
何故このような円滑な運営がこれまでできなかったのか不思議でならないくらいに、今年の入場運営は滞りなく、そしてストレス無く行われたと思う。

入場すると、、、きっと誰もが場内の熱籠もった空気に辟易したに違いない。飛田給駅を降りた時の、あの・・・いやそれ以上の息苦しさがスタジアムに再現された。ただ座っているだけでも汗が噴き出し流れ落ちる蒸し暑さ。そんなはずはないのだが、暑さのためかやはり空気も薄く感じる。こんな状況の中で選手たちは今夜は闘うのか??? 想像しただけで目眩がしそうだった。
080816fctokyo6しばらくののち、ピッチに審判団の姿が。どうも見慣れぬ佇ま い・・・暑さによる幻影かと目を凝らしてみると、さにあらず。主審・副審の3名が外国人。毎度試合前のお約束、主審の名を聞かされては一喜一憂する手間は省けたものの、その手間を省いた「ツケのようなもの」が試合中にじわりじわりと忍び寄ってくるとは、その時思いつくはずもなかったわけで------。

080816fctokyo8陽射しが無いことだけが救いのナイトゲーム。タフな闘いの予感。
浦和はエジミウソンを先発から外し、FWに高原と達也を起用。ボランチ阿部、最後尾に闘莉王を配する形をゲルトは今節も選択。かつての「猫の目フォーメーション」も一区切りか。
FC東京は、早速北京帰りの長友を先080816fctokyo5発起用。カボレ、石川、羽生、今野の運動量に脅威を感じつつも、平山先発には不思議な安心感が(笑)。
予想どおり、前半からパワー全開で飛ばしてくるFC東京。やや受け気味な立ち上がりの浦和だったが、切り返すことができず 次第に押される展開に。開始10分程度で被シュート数3だったのに対し、前半も30分過ぎたころにようやく達也が最初のシュートを放てたという状況に、正直驚かされた。とにかくボールが取れない。ボールを失うと、東京の選手は一斉に動き出し、簡単にパスを繋いでゴールに向かってくる。勢いのある相手に、浦和の両SHも自陣に押し込まれて攻撃参加の余裕もない。できるだけ高い位置でボールを奪おうと高原も前線でボールを追い回し奮闘するも、折角のマイボールはすぐに相手に取り囲まれて奪われるか、前を向こうにも「ボールのおさめどころ」が見つからず。結局攻撃は達也と高原で打開するしかない状況。選手たちは、かつてのひどかった時期と比べれば格段に動いているのだが、、、永井もサイドのケアに奔走しているところから察すれば、前節のロスタイム同点劇の教訓から、「守備重視」の戦術を据えていたのだろう。引いた陣形の副作用だろう、攻守が切り替わった時の中盤の間延び感をどうしても拭えない。だから前線にボールがおさまらない。今日も前途多難かと思っていたところ・・・ふと気が付いたことが。立ち上がりから勢い勇んでいた東京の攻撃だったが、前半10分までに放った3本のシュート以降は、鳴りを潜めていたのだった。思ったよりシュートを撃たれていないことと、東京攻勢の時間帯に先制点を決められずに済んだことは、ある意味不幸中の幸いだったのではないだろうか。

前半30分過ぎに放たれた達也のシュートをきっかけに、浦和は息を吹き返したようだった。前に向かう力がようやく蘇ってきた。というのも、意外なことに東京の選手たちの出足が早々に鈍りだしたことが幸いしたのだと思う。まだようやっとではあるものの、次第にFW2人ででもフィニッシュまで持ち込めるように。そして高原の惜しいシュート・・・一日、いや一秒でも早く、彼のシュートが日本のゴールマウスに愛されて欲しいものである。

080816fctokyo7 何とか持ち直した前半終わりの調子をそのままに、後半はボールも人も回り、攻撃の形が作れるように。達也のタテへの揺さぶりを中心に、東京の4バックラインの裏を執拗に狙い続けた。ここでも惜しいクロスバーへの一撃・・・「惜しい」ばかりで、なかなかゴールが決まらない展開に、じりじりと焦燥感が募りつつも、選手たちは根気よくボールを拾っては東京陣内に揺さぶりをかけた。しかし・・・何かが足りない。
耐えていた時間に、もうひとつ試練が。ボディコンタクトに寛容に見えた審判のジャッジに基準の「ぶれ」が散見されるように。ケガ人が出そうなプレーにも放置の態度。かと思えば軽微な接触に笛を吹く。すると時間の経過とともに、「ぶれ」ているだけでなく、何事か「主張」しているような、そんな佇まいさえ醸し出してきた。何となく嫌な予感・・・。

ついに、ケガ人発生。
しかし、この平川の負傷退場が、試合の局面に。細貝を投入したことにより、より低い位置からタテ方向への動きが活性化。ほどなく指揮官は高原OUT→ロビーIN(疲労の色の濃い永井OUTかと思いましたが・・・)。この采配が奏功し、浦和のセンターエリアに、いわゆる“ハブ”が形成される格好に。スカパー!でも「みんながポンテを見て動いている」と解説していたとおり、ロビーを中心にして、浦和の選手たちが連動して動いている様子が見て取れた。その連動する動きが、やがてひとつの攻めの形をつくった。
「練習でやってきたこと。タイミング良く出ることができた」
との相馬の弁には説得力がある。
そこにいた者が、その場での役割を果たす・・・これぞ『戦術』。だからFWで無くても、トップ下でなくても、得点機に居合わせた選手が決めるべきところで決めればいい。『戦術』は、啓太アシスト→相馬ゴールも可能にしてくれる。胸のつかえを取り除いてくれるような、爽快なゴールだった。

失点し焦るFC東京は、赤嶺と川口を投入し、当然ながらその後攻撃に比重を置いた。浦和はそれを受ける格好に。確かに「引きすぎ」の感はあり、途中投入された梶山を放置しすぎるといった反省点はあるものの、前節の轍は踏まじとの選手たちの意志はよく伝わった。帰宅して多くの人の試合後の感想をネットで目にしたが、TV中継の実況解説の影響を受けた意見(引きすぎて積極性に欠ける、というような主旨)が多いように見られた。堤の交代を疑問視する意見もあったが・・・
現場で正直に思ったこと。
それは「絶対に勝ちたい」という願い、ただそれだけだった。
どんなに内容の良い試合でも、結果として勝てなければ元の木阿弥。ただ勝てさえすれば良いという試合ばかりでは困りものだが、長丁場のリーグ戦、勝利だけが必要な試合もある。さらに正直に言えば、闘い方を選ぶほど今の浦和にはそんな余裕はない。堤の投入も、赤嶺や川口への対応も考えてのことであっただろうし、何より「守って逃げ切り」のサインであったと思う。
080816fctokyo9 試合終盤に足を攣る選手や、終了直後にその場に倒れ込んだ選手たちを見て、重馬場のピッチと過酷な気象条件の中、結果を出してくれた選手たちに、これ以上のものを望むことができるだろうか。現場の状況を共有すればこそ、そして選手たちの苦労を肌で感じることができたからこその「Pride of URAWA」であっただろうから。

ひとつ疑問をはさむとすれば、永井を気にして警告を貰ってしまった達也の一件。この選手交代タイミングの遅さについては、残念ながら前節から学習していなかったのは指揮官だけだったと言わざるを得ないかと。虎の子の先制点を死守した選手たちの真摯な態度に比べたら・・・である。

080816fctokyo10 前半半ば過ぎ~後半得点の間以外の試合内容には課題を多く残しつつも、達也やロビーの復帰は大きな収穫であったし、何よりも1ヶ月ぶりの勝ち点3を手にしたことは弾みになった。久々の凱歌も心に沁みた。
近年、チームコンディションは夏場から後半に上向く傾向にあるので(オフ時のフィジカルトレーニング効果でしょう)、これらの波にうまく乗って、後半戦、巻き返しを図って欲しいものである。
赤羽も頂戴したことでもあるし(笑)。

次節磐田戦、チーム状態の改善状況が、確実なものかどうかを確かめたい。
指揮官の改善状況の確認は、とりあえず置いといて。

余談:
かのポーランド審判団ですが、、、北の大地に出没したようで・・・
相変わらずの、カード裁きを見せていただきました。

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2008/08/15

中山道中膝栗毛@与野~大宮宿~上尾宿

ずいぶんと間が空いてしまいました・・・(`・ω・´)
真冬の話を真夏に書いて涼んだ気分になっています(汗;
現時点では、とうに碓氷峠を越え信濃国・岩村田宿(長野県佐久市)まで足を延ばしておりますが、道中記としてはググッと時を遡り、前回(『蕨宿~浦和宿~与野』編)のつづきを書き記したいと思います。

【JR与野駅(じぇいあーる よのえき) さいたま市浦和区 2008年1月27日 AM11:50】
■天気(東京):晴れ 最高気温:7.0℃ 平均風速:3.8m/s

ついに、「この先」を歩くことに。
080127yono1 前日に日本橋から蕨宿まで歩いたというのに、性懲りもなく歩きます。これから始まる長い旅への覚悟も全然無しに(笑)。
さすがに前日の疲れがあったのか、朝寝坊。昼前に天気の良さだけに誘われて、思いつきでのこの日の膝栗毛。手頃に距離を稼ごうと、上尾宿を目指すことに。
与野駅東口の中山道には、ご存じの方も多いでしょうが、写真のような立派なケヤキの大木があります。往時を偲べる佇まいです。

080127yono2 線路越しに、さいたま新都心の高層ビル群が見えてきたところで、橋の工事現場が見えてきます。かれこれ2年ほど前から実施されている大原橋の架替工事(当サイトでもご紹介しております)ですが、まだやっていました。実はこの橋の下付近には、かつて川口にある赤山城への交通を支えた『赤山街道』が通っていたようです。現在は鉄路で分断されていますが、線路の東西には現在でも『赤山通り』が残っています(数年前、赤山街道は実際巡りました)。工事完了が平成21年3月末だそうで・・・もう少し我慢が必要なようです。

080127yono3 三菱マテリアル前のケヤキ並木に何となく街道風情を掻き立てられますが、これは昭和42年の埼玉国体の際に植樹されたものとのこと。40年も経過すればこのような立派な街路樹となるものだと関心します。さて、この並木が途絶えたところに高台橋という小さな橋があり、そのたもとに小さな祠が建っています。地蔵菩薩像と不動明王像が祀られており、地蔵菩薩像は、叶わぬ恋に世を儚んで身を投げた女郎の供養のため、不動明王像はかつてこの地が刑場であったため、その供養塔と伝えられています。普段良く通る場所ですが、意外に知られていない話を学ばせてもらえるのも、街道巡りの奥深さです。

080127yono4ほどなく『さいたま新都心駅』に到着。この日、さいたまスーパーアリーナで『KICK OFF 2008』なるイベントをやっていましたが、あれこれ逡巡のうえ、パス。ついでに、かねてより訪れたかった蕎麦屋に行くことに。『高山村大使館 日曜庵』という屋号で、一見何の店かわかりにくいですが、概要は、蕎麦愛好家集団が設立したNPO法人が経営する、群馬県高山村のアンテナショップも兼ねた日曜日限定開店の蕎麦屋です(蕎麦粉は北海道・幌加内産等を使用しているようですが)。活動の中心団体は『さいたま蕎麦打ち倶楽部』で、ここを蕎麦打ちの“道場”にしているとか。毎年秋の『中央区民まつり』の出店を楽しみにしていますが、良い機会ですので“本丸”に乗り込んでみることに。ダンナは鴨もり(800円)、私はもりそば(500円)を注文(日曜庵HP写真参照)。丁寧に作られた蕎麦とつゆの味は実に素直。素朴さが舌に優しい逸品ですので、お近くにお越しの際はご賞味あれ。

080127yono5腹ごしらえを済まし、出発。駅近くの子豚マークでお馴染みのラーメン屋のメニュー板(写真)を見てニヤリ。そして氷川参道の入口を横目にてくてく北上。ほどなく吉敷町の交差点に差し掛かればそこは大宮宿の入口です。

 

【4宿目:大宮宿(おおみやじゅく) 埼玉県さいたま市 2008年1月27日 PM0:40ごろ 訪】
■本陣1、脇本陣9、旅籠25軒(天保14年記録より)

080127ohmiya1埼玉県最大の商都・大宮。本陣1軒、旅籠25軒とそれほど大きくない宿場でありながら、脇本陣が9軒もあったのは、何らかの理由で昔から身分の高い旅人に好まれていた場所なのでしょう。さて、現代。これだけ商業施設が集積していたら、往時の中山道の風情を求める方が無理、と言うものなのでしょうか・・・浦和以上に、いえ、もしかしたら中山道の宿場の中では最も往時の面影が木っ端微塵に砕かれた街なのでは、と思われます。ここが旧街道の宿場町だということを彷彿させてくれるものは、残念ながらほぼ皆無。強いて言えば、建物の区画が道に面して間口が狭080127ohmiya2いことくらいでしょうか。当世の街道筋には“リス”が生息している模様。沿道は心なしかオレンジ色に支配されています。首都圏のどこにでもある駅周辺の繁華街を淡々と歩いていくと、大栄橋のたもとを過ぎたあたりから「それらしい」立派な樹木が見受けられるようになります。
JR宇都宮線、東武野田線のガード(道路脇に歩道あり)をくぐって、さらに北進します。

080127ohmiya3大宮郵便局近くのCOCO'Sのところに、追分を示す道標がありました。
幕末の安政7年(1860年)に建てられたこの石碑には、「大山 御嶽山 よの 引又 かわ越道」と記され、中山道から西へ分岐する道の存在と行き先を示しています。COCO'Sと隣の魚屋さんの間に古道があって、与野方面に続いていたとのこと。このような道標は、東京や埼玉の街道沿いで、庚申塔と兼ねた形でよく見かけます。当時の関東では「大山詣で(伊勢原市)」や「御嶽山詣で(青梅市)」が盛んだったことを、今に伝えてくれています。なお、「引又=志木」のことだそうです(以上、現地案内板参照)。

080127ohmiya4 プラザノースとステラタウンという新興行政&商業地を右手に見ながら、県道164号線をさらに北上していくと、新幹線の高架手前に祠が。『猿田彦大神』と記された祠には、元禄10年の年号が刻まれた庚申塔が祀られていました。新しく拓けた街、新幹線、そして庚申塔・・・と時代のギャップを感じながら古に思いを馳せるのも街道巡りの楽しみのひとつ。よう やく中山道の雰囲気がこのあたりから感じられるようになりました。時代の波に呑まれることなく、大切に保存されている地元の方々に敬意を表します。

080127ohmiya5新幹線とニューシャトルを頭上に、そしてすぐ国道17号を地上で横切り、県道164号線をひたすら上尾方面に直進します。
国道17号線=中山道と捉えられがちですが、実は埼玉県内では東京都内ほど重複区間は長くありません。浦和の六辻交差点で交差して以来の国道17号でしたが、ここで一瞬出会ってのち、熊谷まで、またもしばしのお別れです。

080127ohmiya6中山道である県道164号線を上尾方面に向かいます。宮原あたりまで来ると、古刹があったり、大木があったり、庚申塔が多く残されていたりと、街道風情がぐっと増えてきます。ようやく歩く目的を思い出した気分になりました(笑)。ここは英泉が『中山道六十九次』の上尾宿で描いた加茂神社。さすがに上尾駅とさいたま市内を繋ぐ道路ですので、平成の世では人から車に往来物が変わり交通量多し。気をつけて道中を歩きます。

080127ageo1上尾市に入ったばかりのところ、馬喰新田バス停横に、立派な不動尊があります(写真の空き地左の石碑)。寛政12年(1800年)の刻印がありました。これは川越方面に向かう道標も兼ねていたようです。この少し先、下上尾バス停を過ぎたあたりが、上尾宿の入口だったと言われています。

080127ageo3当世、上尾の世情が1枚のポスターで表現されていました。
市民1人あたりの歳出額が全国782市の中で781番だからといって、行政サービスが劣悪なのかどうかは甚だ疑問ですし(人口が多ければ低くなる数字です)、住みやすさ安心度の順位を算出した基準を示さずに順位が低いよと言う数字だけ表示するのも眉唾もののような・・・
確かこれ、市長選告示前の選挙対策用ポスターみたいでした。地元ではバレバレなのでしょうが、候補者の名前が標記されて無いところがツボですね(笑)。

【5宿目:上尾宿(あげおじゅく) 埼玉県上尾市 2008年1月27日 PM3:30ごろ 訪】
■本陣1、脇本陣3、旅籠41軒(天保14年記録より)

080127ageo4現在の上尾駅前交差点周辺が、上尾宿の中心地となっていたようです。旅籠41軒という規模は大宮宿を大きく上回っています。当時は鉄製の常夜灯もあったそうで、裕福な宿場町であったことが偲ばれます。上尾まるひろ百貨店隣りにある、氷川鍬神社が宿場の中心だったようで、まるひろ百貨店付近が脇本陣、氷川鍬神社前を中山道をはさんだ正面に本陣があったそうです。
080127ageo5そこで、本陣があったという対面側にファインダーをふってみると・・・右写真のとおり、昔日の面影は残念ながら残されておりませんでした(つ;д`)
当時は、近くに岩槻道や川越道も通っていたため、いわゆる“飯盛り女”も多く、かなり人気があり繁盛した宿場町だったようです。

080127ageo6さすがに真冬ですので、午後3:30頃とはいえ陽の傾きは早いもの。もともと散歩がてらに歩き出しましたので、JR上尾駅前交差点で、この日の膝栗毛は終了。

何の気無しに中山道北上を始めましたが、この先、体力的にも経済的にも大変な思いをすることになろうとは、、、
たぶん、そんなことを最初から気付いていたら、歩き始めなかったでしょう、きっと。
人生、得てしてこんなもんでしょうな(笑)

 

■2008年1月27日(日) 与野駅~大宮宿~上尾宿全行程
 ・距離:11.1㎞ 所要時間:3時間40分(うち、30分程度休憩)
 ・全行程ルートマップは、
こちら
  全行程マップ右の『ルート再生』ボタンを押すと、ルートを「小僧」さんが一生懸命走ってくれます。
  ご自分の体重・年齢を入力すると、同行程の消費カロリーを計算してくれます。
  お試しください。

(次回:『上尾宿~熊谷宿』編につづく)

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2008/08/14

08【HOME】第20節@柏戦

あの時、「勝った」と思っていたのなら、選手だけを責めることはできないだろう。
試合が終わる前に勝手に勝利を確信し、勝手に落胆し・・・そんな自分に腹立たしい限り。
終了の笛が吹かれない限り、試合は終わっていないのだから。
最後まで闘わず、油断した選手も私も「同罪」と言うべきか。


080809kashiwa5 試合前のピッチ練習中、突然、達也が「消えた」という。
達也の名がないスタメン紹介が場内に響くと、「あれ・・・?」との声がそこかしこから漏れ聞こえた。不可解な状況に少々戸惑った空気を醸し出すゴール裏。しばらく柏サポの威勢の良いコールをじっと聞き入っていたが、それが一旦おさまると、満を持したように浦和ゴール裏の咆吼が始まった。「今日こそは・・・唄いたい」という願いを感じさせるコールに、この一戦に賭ける気概があった。心地よい緊張感に、つい一瞬前の不安は掻き消された。

080809kashiwa4 立ち上がりから積極的に動く選手たち。これまでのホームゲームで見せつけられていた緩慢さとは対照的な、積極的な動き。何より選手たちが意欲を感じさせてくれている。前節・鹿島戦からのアグレッシブな姿勢を保っていて、プレーに集中できている様子。活動量ある柏の選手たちのプレッシングは予想どおり厳しいものの、ボールを失ったあとの対応にも安定感が戻ってきているようだった。やはり闘莉王を本来の最終ラインに戻し、阿部を本職のボランチに配することで、中盤の攻守が活発化した。サ080809kashiwa3イドに目を遣ると、攻撃は左の相馬に任せているように見えた右の平川だったが、どうやら下がり目に守備的対応のポジションを取っていた模様。これは鹿島戦でも見られた『疑似4バック』ではないかと思われた。DFに厚みを増した分、これまで3バックの穴となったいたサイドのスペースへの対応が容易になったためだろう、安心して相馬が再三突破を試みていた。前回対戦の轍は踏まずとの意識も働いたのか、対面の太田に対する相馬の意地が感じられ、応援するわれらも闘争心を掻き立てられた。

080809kashiwa1 しかし。
浦和の攻撃が、どうも「そこまで」なのである。
選手の動きは悪くないのだが、前線へのサポート不足からか、チャンスは作れてもフィニッシュが単発的でうまくいかない。良い流れで攻めつつも決定打が出ないのは、どこかの若き代表チームに似ている。まあ代表チームとは違って守備に重点を置いていたこともあったのだろうが、チャンスの機会が多いうちに畳み込むような攻撃で得点を取るような、攻撃の連動性がまだ足りない。
そうこうもたついているうちに、守勢に入り、普通に対応したと思われた坪井のクリアボールは不運にも菅沼にわたり・・・ややロビング気味に放たれたボールは、都築の指先をかすめてゴールに吸い込まれ、失点。「まぐれ」のようでいて、しかし決して「まぐれ」ではないところがサッカーの恐ろしさ。
だからといって、浦和の守備が破綻していたわけでもない。失点前も失点後も、今季の中では最も安定した部類に入っていたと思われた。攻撃に転じた際も、中盤が良く機能していた。対する柏にしろ、それほどプレーに精度はなく、先制点を奪った後の攻撃は、鳴りを潜めていた。浦和にとって少々不運な失点劇ではあったものの、「取り返せる」期待感は充分に感じさせてくれた。
そしてその期待感は、先刻の失点に絡んだ坪井のカット&ドリブルで現実に。機を見て相手陣内に侵入した平川へボールを渡し、中央から飛び込んできた阿部にパス。一発を浴びせて同点に。中盤中央の動きが活性化すれば、攻守のバリエーションが増えることを体現してくれたシーンに溜飲が下がる思いがした。かたや、これを指揮官がわかるまでに半年もかかってしまったことを思うと、少々遠い目にもなったが・・・(^^;

何とか試合を振り出しに戻して迎えた後半。
立ち上がり相手のシュートを立て続けに撃たれるものの、少しずつ浦和が押す展開に。
相手陣内でのパス回し、揺らし、ドリブルによる仕掛けなど、積極的で厚みのある攻撃を展開するように。ルーズボールも良く拾い、2重3重に攻め込むシーンも見られ、サポーターも白熱。弾かれたボールの行方はフリースペース、そのボールを拾ってシュートを撃つのは「残念、そこは鈴○○太」な場面もあったが(笑)、心をひとつにしてゴールを貪欲に狙う姿勢は、たとえ得点に繋がらなかったとしても志気があがる。

しかし、相手も然る者。ボールを奪うやいなや、前掛かりとなった浦和の背後にボールを放り込み、手数を掛けずに速攻で突いてくる。結局、互いが応戦する形となり、やや展開としては単調さが目立ってきた。エジミウソンが負傷退場で梅崎を投入するも、劇的に戦況を変える効果は見られず。そうこうしているうちに時間は過ぎていき、引き分けが濃厚になりかけた後半45分ロスタイム・・・それまで中盤で、まるで何かを自重していたかのような永井が、私の視界に飛び込んできた。逆転。焦れったいスローモーなプレーでゴール裏の怒りを買っていた菅野を嘲笑うかのように交わして放たれたテクニカルなゴールに、狂喜乱舞するサポーター。
「よーし、いけるぞ!」と上気して叫んだ私の言葉に、ダンナがこう言った。
「おい、まだ試合は終わってないぞ、集中!集中!」
今にして思えば、この言葉がこの試合の“すべて”となってしまった。。。

ロスタイム4分もほぼ費やされた頃、両チームの『真価』が問われることに。多くの誰もが浦和の勝利を確信し始めた・・・否、浦和が浦和の勝利を「勝手に」確信したのであって、柏側は決してそうではなかった、と表現する方が正しいだろう。そうでなければ、残りわずかな時間に同点弾を奪い取る強かさを持ち合わせているはずがない。
柏コーナー付近で少々悶着の後、柏のスローインボールが菅野に渡り前線に大きくフィード。その後のハイボールの競り合いにことごとく負けたうえに、あろうことかフランサがフリーで中央に走り込んで来た(これは反対側ゴール裏からもよく見えました)。毎度彼にしてやられている経験を忘れていなければ、最後まで彼を掴まえていなければならなかっただろうに。。。堀之内が遅れて防御に入ったが、その前に勝負あり。
『油断』以外の何物でもない。
十数秒後に試合終了。自業自得と言うべきか。。。

080809kashiwa2 柏は勝負を捨てていなかった。今の浦和に足りないのはこれなのかも知れない。勝負を「捨てる」のは劣勢に立たされているチームのほうだとは限らないことを思い知らされた。
試合後、ゲルトに対して罵声を浴びせていた人もいた。確かに時間帯を考えずに交代枠を使わなかったゲルトの落ち度もあるだろうが、失点を招いたのは紛れもなくピッチ上の選手たち。もっと早い時間帯であったなら、この状況に選手交代で時間を使え云々の話など通じない。
まあ、そんな人のことをとやかく言う前に、試合が終わる前に「勝った」と思い込んでしまった自分にも非はある。大いに反省すべし。

試合の行方を左右した「集中力の欠如」が特に強い印象を与えたものの、それまでの選手たちの間で保たれていた攻守にわたる「集中力」「安定感」は、前向きな材料と言ってもいいと思う。確かに攻守の切り替えの動きは柏の方が勝っていたが、「これまで」との比較論をすれば格段にマシ(笑)な動きとなっており、改善がみられたのは確か。
かえすがえすも、何故もっと早く手を打たなかったのか、、、このことについて、指揮官に問うてみたいものだ。

痛い引き分けであったが、失ったものと同じくらい気付いたこと、得られることもあった、そんな試合だった。

追記:
負傷したエジミウソンが、途中、負傷者として主審が認めることもない間に、勝手にピッチを離れベンチまで転がり込んだシーンがありました。すぐに促されてピッチに戻り、梅崎の交代を待ちましたが・・・交代手続きを受けるためにも、(負傷者として認められる前に)主審の承認無しに勝手に離れることはできないように思えるのですが。
 #JFA『競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン』
   P59:第3条・競技者の数「交代の進め方」参照→抜粋
装身具警告の件といい、この件といい、競技規則をどこまで理解しているのか、疑わしくなる時があります。

080809kashiwa6 追記その2:
ひとりの愚行が、ついにこんな注意喚起までさせてしまう事態に。
あらゆる客層が集う埼スタでは、駒場時代のような「モラル」と「信頼」が薄らいできてきていることを実感せざるを得ません。

追記その3:
FC浦和、優勝おめでとうございます。
TV観戦しましたが、両者素晴らしい試合でした。
この優勝にあやかりたいんですが・・・

追記その4:
北京オリンピックで見事金メダルを獲得した、柔道の上野雅恵選手。
決勝戦で、『朽木倒し』で一本を決め試合が終わったにも関わらず、相手をまだ畳に押さえ込み続けていました。
この勝負に対する飽くなき集中力が、必要なんですね。

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2008/08/07

08【五輪】男子:日本 0-1アメリカ

この試合の総論については、TV中継のアナ&人間力氏の実況コメントが伝えてくれたとおりでしょう。
象徴的だったのは、前半終了間際のCKの場面で、何故かセットをもたついたシーン。
「急がないといけません!」と実況席からたしなめた解説・人間力氏の言葉は正しかったと思います。
日本の選手たちは、多くのチャンスを自ら手放しているようでした。
前日の『なでしこ』たちの、チャンスを掴むための飽くなきひたむきさと闘志を思えば、爪の垢を煎じて飲ませてやりたい気分です。。。

アメリカの選手は、前半早々から、現場の暑さに相当やられているのが見て取れました。アメリカのチームが普段どういうサッカーをしているのか私は知りませんでしたが、明らかに“省エネサッカー”で持ち堪えようとの魂胆は画面を通しても伝わりました。
対照的に日本の選手たちは前半から活発に動き、柔らかく凸凹としたピッチに苦労しながらも、「つなぐ」意識の高い、攻守に有機的で連動性あるプレーを展開していました。海外やJ2など異なるカテゴリでプレーする選手もいますが、西川をはじめ、谷口、梶山、内田、森重、水本など、Jでスタメンを張る選手たちが揃っていることが幸いして、連携や共通意識や戦術をスムーズに習熟可能にする環境にあったのだろうと、試合を観ながら考えていました。
が、そんな「うまくいっている」という意識が、のちのち危機感を薄めてしまったような気がしました。

男子も昨日の女子同様、特に右サイドの内田が攻撃のハイライトを何度も演出してくれました。鳥肌ものの突破ののち、相手DFやGKの足元を縫うような絶品のセンタリング・・・が、決まらず。中央からゴールをこじ開けようと絶妙にボールを流し込む・・・も、決まらず。別に決めきれなかった森重や谷口を個人的に責めるつもりはありません。ただ「惜しい、惜しい」が続きだすと、その状況に慣れてしまい、危機感が薄れてしまったのでは・・・と、私は妄想してしまいます。
前半をほぼ圧倒して支配していたにも関わらず、その圧倒した状況に慣れてしまった日本。
その気の緩みが、前半終了間際のCKをオンプレーにできなかったのでは、と。
(何か止むにやまれぬ理由があったのならば、どなたか何卒お教え下さい)

そしてそれは、前半だけでは済まされなかったのでした。
後半開始2分。日本の左サイド深く侵入された状況に釣られたDFラインが一直線に下がり、その前に空いたスペースを使われ、シュートを撃たれてしまいました。まさにサイド崩しの基本。ほぼこのワンチャンスしかなかったアメリカが、先制点を決めました。そして、これが決勝点になりました。この試合を端的に物語るスコアではないでしょうか。

先制され、遮二無二ボールを追う日本の選手でしたが、時間の経過とともに足が止まり出す選手が散見されました。彼らは前半プレー時から、暑さによる自分たちの体力の消耗を頭に入れていたのでしょうか。相手の動きが鈍いうえに自分たちが動けている前半のうちに「何とかしよう」という意志があったなら、前半からもっと厳しい表情が漲っていたはず。「まだ前半、時間あるから」との妙な余裕でペース配分していたつもりだったのでしょうけれど、現実は違いました。前半の余裕の表情とは対照的な後半の焦りの表情から、そういうふうに思えてしまいました。ボールを追いたくても足がついて行けず、アメリカの選手たちはキープで時間を稼ぎ、ままならない状況が試合を支配し・・・。
まるで真綿で自分の首を絞めるように、前半の気分の良さに自ら錯覚したというか、自分たちで自分たちを少しずつ危機に陥れてしまった、、、そんなふうに私の目には写りました。

何となく感じたのですが、本田圭のポジションはあの位置(トップ下の下、中央寄り?)で良かったのでしょうか?私には前半、彼が窮屈そうにプレーしているように見えました。後半、ある程度のリスクを負ってのプレーが求められるようになった段階で、ようやく本来の動き(ダイレクトプレーを導く動き)で機能できたのでは、と思えましたが・・・。

アメリカは、前後半通して、「質的に見るべきもののない」(人間力氏、談)試合運びでした。しかし、それでも勝負には勝てるのです。だからサッカーは恐ろしい。
勝つためにはどうしたらいいか、を、アメリカの選手は知っていたのです。彼らは大人でした。

日本の選手たちはどうだったでしょうか?
サッカーが上手いだけでは勝てないことを、今日は思い知ったことでしょう。
この敗戦は、非常な痛手を伴って日本選手に大切なことを教えてくれた、と思うことにいたします。

次戦・ナイジェリア戦、悔しさを糧にかえ、奮起を期待します。

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2008/08/06

08【五輪】女子:日本 2-2 ニュージーランド

8日の開会式に2日先立ち、北京オリンピック・女子サッカー競技が開幕いたしました。
何かと盛り上がりに欠けるこのたびの大会ではありますが、スポーツ好きとしては何だかんだあってもちゃんと観てしまいます。自分の脳内的にも、自己ナショナリズムが最高に発動されるスポーツの祭典が始まりました。

開幕戦は、日本vsニュージーランド。
浦和の3人娘(柳田、安藤、矢野)も、晴れて初戦先発を果たしました。

立ち上がり15分くらいは、日本選手の動きのあまりの硬さに「どうなることやらww」と気を揉みましたが、大野の突破→シュートから我に返って、のびのびとしたプレーを展開。芝の深さが気になっていたのでしょうか、開始から浮き球クロスを多発していた日本でしたが、その頃を境にグラウンダーのパスを勇気を持って回し始めるように。多少は勝手が違っても、「自分たちのやり方」を貫く方が活路は開けます。見違えるように日本のパスは廻りだしました。

いつの間にか、私は日本の選手たちの動きに魅入っていました。
攻撃時の選手たちが、前に向かう姿勢を求め続けています。
そして、「くさび→もどし→後方の選手が受ける」あるいは「パス&ゴー」といった、連係プレーの多用が随所に見受けられました。システマティックな基本動作に忠実であることが、どれだけプレーに安定感を与えるか、久々に感じ入りながら彼女たちを観ていました。
是非、どこかの某クラブチーム(男子)も見習って欲しいものです。
右サイドでは、早々から(上記同クラブの)安藤が大車輪の活躍。日本攻撃の起点として機能しました。再三の突破に業を煮やした相手守備選手が、婦女子には相応しからぬラフプレーで安藤を止めるたびに、浦和サポとしては心配が募るとともに怒りが湧いてきて、、、(゚Д゚)ゴルァ!

さて、話を戻して。
時間の経過とともに、得点の匂いも充分漂ったのですが、いかんせん今日はFW大野が大ブレーキ。動き自体には全く問題がなく、むしろ一番得点の予感を感じさせてくれていた彼女だったのですが、フィニッシュが素直すぎてorz... 後半のビッグチャンスを外したことで佐々木監督は交代を決断してしまいましたが、技術も高く、男子の大久保(神戸)と安田(G大阪)を足して割ったような小気味よいプレーヤーですので、次戦はぜひ「落ち着いて」(笑)、奮起して欲しいと思います。
そんなこんなで得点機を逸してもたつく日本の隙を突くように、わずかなチャンスをものにしたニュージーランドが先制。この失点劇の前から近賀の攻守にわたる不確実なプレーがちょっと気になっていたのですが、不安は的中してしまいました。近賀とGK福元の連携ミスでの失点。押せ押せだった日本側のムードが一気にトーンダウンして前半終了。

わずかなミスが致命傷になりかねないのが、国際試合の恐いところ。
「佐々木監督就任以来、先制点を挙げて勝利に結びつけた」ことを説明する実況アナウンサーの理論を踏襲したかのように、後半は始まりました。

さらに、この試合を微妙に「匙加減」したのは、レフェリーのジャッジ。
リプレイでも不可解な石清水のファウルが、PKを与えてしまい、2失点目(当時のプレーを確認していない現時点では、彼女が不運に思えてなりません)。
2点ビハインドで色を失いかけた日本の選手たちでしたが、、、ニュージーランドの余裕の選手交代で試合の流れに微妙な変化が生じたのを機に、少しずつ冷静さを取り戻した日本の選手たちは、「前」への意識を再び強くしてきました。
すると、その一念が奏功したのか、今度は日本がPKを獲得します。少々、帳尻を合わせたかのようなジャッジにも見受けられましたが(^^;、宮間が相手GKにコースを読まれながらもきっちり1点返しました。

オリンピックの舞台で、PKでもいいから1点獲得できたことが、日本の選手たちへのカンフル剤になったようでした。
そこから日本が、パスに、球際に、ルーズボールへの対応に、積極的なプレーを回復し、試合を支配しました。

そうです。
日本には、澤がいます。
浦和の3人娘がいます。
ボンバー・荒川がいます。
女岡野(勝手に命名)・丸山がいます。

荒川の全くもって惜しいオフサイドを皮切りに、反撃に出た日本。安藤に替えて投入された丸山のサイドでの執拗な掻き回しも効果的に作用し、それら一連の動きの成果として得られたFKの絶好機を今度は逃さず、澤がニアの角度のない難しい位置でボールを受け、ボレーでゴールネットにズドンと一発、同点弾!
何と頼れるお姉様なのでしょう、、、彼女の意志の強さとリーダーシップ無くして、今の『なでしこジャパン』はありません。負傷してピッチ外に出されてもなお速攻で戦場に戻る彼女の飽くなき闘争心には、ただただ敬服の至りです。

押せ押せムードをこのまま続けたかった展開でしたが、時すでに遅し。無情の笛の音がピッチに響き渡りました。
お互いに「痛み分け」のドローでしたが、特に日本にとってはFIFAランク上での格下相手とはいえ、この一戦で勝ち点2を失ったことは痛恨でした。
しかし、今回のニュージーランドがそうであったように、サッカーとは、どこが相手でも「決して勝てない相手ではない」という理論が成り立つ競技です。
この初戦で見せてくれた、試合を捨てない情熱と冷静さを忘れなければ、相手がアメリカだろうがノルウェーだろうが、試合終了のホイッスルを聞くまでは勝負の行方はわからない、ということです。
だから、サッカーは面白いのです。

彼女たちの北京での健闘を、心から祈ります。

追記:
同点弾に喜ぶ日本の選手たちに「戻れ!戻れ!」と叫んでいた佐々木監督を見て、アトランタの光景が重なって見えました。。。

追記その2:
ニュージーランドの監督の叫び声が、かの『大声コーチ』を彷彿とさせました(笑)
 #顔はオーウェンに似ていたのに・・・残念だなぁ(`・ω・´)

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2008/08/01

08【AWAY】第19節@鹿島戦

久々の充実感。
勝てなかった。だから満足していない。
でも、選手と共に闘った実感は、何物にも代え難い。
われらが求めていたのは、この感覚だったのではないだろうか-----「We are REDS」という一体感を。


080727kashima1 さいたまから首都高~外環~常磐道を経由して東進し、車を走らせること2時間半で敵地着。相も変わらず同じ関東とは思えない遠さ。正午過ぎの到着にもかかわらず、すでに多くの同志たちが待機列に並ぶ。深夜到着の仲間の前にはすでに100枚以上のシートが並んでいたとか。遙かこの地へ駆けつけた者の並々ならぬ意気込みを静かに感じ取ることができた。
肌を射るような真夏の陽射し降り注ぐ日中の待機列だったが、入場すると時間の経過とともに陽射しは消え、風が吹き出した。沿岸部特有の夕凪から陸風に切り替わったのかとも考えたが、少し様子がおかしい。気温も心なしか低い。予報どおり夕立の気配が感じられた。

080727kashima2 予感的中。試合開始から霧雨が降り注ぐ。
ピッチでは、そんな天候の変化など一切気に留めず、ただひとつのボールを巡り集中してファイトする選手たちの姿があった。
浦和は、常時先発であったエジミウソンを外し、高原・達也の2トップとし、永井をトップ下に置く攻撃陣。後方は、「ようやく」闘莉王をCBに戻し、阿部を本職のボランチに、啓太と共に据えた。平川・相馬が両サイドを務めれば、暢久は自動的にベンチへ。どうやら「夏休み」か・・・
080727kashima3 コンパクトな中盤でのせめぎ合いは、傾斜の強いスタンドからよく観察できた。ボール保持者への厳しいプレス、球際の競り合い、機敏な動き・・・選手たちの闘争心と集中力が見る者に伝わる緊迫の試合展開。
しかし。
まるでギシギシと軋み鳴るように絡み合った鎖が少しずつ解けるように、ピッチの端から徐々にタテへの動きが顕れだした。
新井場の顔がたびたび至近距離まで見えてくるようになった。平080727kashima5 川が上がった後方のスペースががら空き。啓太のカバーが間に合わず、坪井が応対。かたや啓太がサイドのカバーに引き寄せられるとそのスペースを突かれる。多忙を極める阿部。さすが、鹿島は抜け目がない。浦和陣内の隙を容赦なく突いてくる。そして新井場をバイタルエリアで待ち構えるマルキーニョス。一瞬の身のかわしが早い。堀之内の懸命の対応にゴール裏が援護のブーイング。さらにダニーロが、興梠が顔を出す。押し込み続けられる劣勢に、点を獲られてなるものぞと吠えに吠えるゴール裏。都築の腕が、サポーターの声が、枠に飛んで来る球を弾く。

今季一番の熱戦に、時の経つのも忘れていた頃、雨足が強くなる。風がスタジアムを巻くように吹きつけ、霧雨は粒を膨らませて叩きつけてきた。ハーフウェーラインあたりからの視界が効かない。まるで厚手のレースのカーテンを吹き流しているかのような、選手が何をやっているのかわからない状態。周辺では稲妻がお構いなしに落ち、真昼のようにスタジアムを照らす。
中断。
080727kashima7 何かの祟りかと思ってしまうほどの激しい雷鳴。まるで龍が天を這うような、八方に夜空を裂く稲妻を初めて見た。あまりの現実離れした光景にファンタジーさえ感じた。スタンド上部で1時間余り待機。全身ずぶ濡れ。真夏というのに寒さに震える思いをしようとは、試合前にはゆめゆめ思わなかった。全く意外な展開だったが、不思議にも状況を楽しむ心の余裕があった。カシマスタジアム、嵐、絶対に負けられない相手、劣勢、ずぶ濡れの自分、、、上等だ。

20時ごろ。誰もいないグラウンドに土田コーチがひとり現れ、勢いよくピッチにボールを転がした。その試合再開の合図に湧き上がるスタンド。真っ先に浦和の選手がピッチに広がっていく。この間、中断で削がれたモチベーションを再び持ち上げていく。選手もサポも。
1時間余りの中断を経て、20:20、前半39分より再開。
そして。
浦和スローインから再開した試合は、瞬く間に動いてしまった。ペナルティライン中央付近にフリーでいた小笠原にボールが渡った時点で万事休す。悪いことに小笠原対応のDF複数名が直線状に被り、ぽっかり見事なシュートコースが空いていたのが私にも見えてしまった。浦和相手に、これを決めない彼ではない。再開直後の油断もあっただろうが、もともと押し込まれた展開に、これまで深い位置取りをしていた小笠原にまで前線に顔を出されてしまっては堪らない。
無意識ながらも覚悟していた失点シーンを再開早々に拝まされ、前半終了。
何とも言いようのない気まずさに、ハーフタイム中、無言で過ごす。まさに「水を差すような」雷雨中断と、空を恨んでもみた。
しかし、だ。
ここで心が折れてしまっては、選手もサポも前節の轍を踏む。試合を捨ててはならない。

080727kashima4 後半開始。
日曜、ナイトゲーム、遠方、嵐、中断、不安定なチーム状態・・・多く重なった悪条件にも関わらず応援に駆けつけたことの意味を反芻した。
「絶対に負けたくない。」
ただそれだけが自分を支えていた。

達也も前線から精力的に、むしろやり過ぎるくらいに守備に回った。この日ボランチを務めた阿部は久々の本職に本領発揮。機を見て前線を駆け上がったり、高い位置からプレスを掛けたりと、浦和中盤の『軸』を形成。いままで浦和になかったものがようやく作り出されたような思いがした。啓太もバランスに配慮しながら動けている。坪井の復調も確かなものと確認でき、ハードマークによく耐えていた。

徐々に鹿島の両サイドから切り崩しできるように。前半飛ばしすぎたのか、新井場の積極性が消え、中後が担当する鹿島右サイドは相馬の突破に持ち堪えられなくなってきた。が、何故か相馬OUT→梅崎IN。ここがゲルト・クオリティか。。。しかし梅崎も良くサイドを切り裂きチャンスメークに貢献した。しかし、相馬にしろ、梅崎にしろ、平川にしろ、サイドからのクロスの精度を上げていかねば、せっかくの苦労を自ら泡にしてしまうようなものだ。そればかりか、浦和の攻撃の浮沈にも関わる問題である。研鑽を求めたい。

前半からボディコンタクトに寛容(ファウルを取りきれないとも言う)なレフェリングが気懸かりだったが、その影響か、時間の経過とともに鹿島の選手が転がり「時間が止まる」回数が増加。しかし徐々にヒートアップする状況の中、浦和の選手たちは、闘争心を見失うことはなかった。
前半の劣勢とは対照的に、後半攻勢となった浦和の指揮官は、後半30分前後に交代のカードを切った。献身的に走り回った高原が倒れたタイミングを図り、高原OUT→エジミウソンIN。スピード感と切り替えの早い試合展開に不安増大のこの交代劇・・・。
しかし、そんな理屈や予感が通らないのもまたサッカーというものだろう。
さらにトップ下として空回り感の拭えなかった永井を下げ、最後の切り札として投入されたのが、セルヒオ。これが相乗効果となったのか、劇的に前線でボールが回り出した。「前へ」の推進力とスピードを若き力で表現するセルヒオ。この若者の躍動が連動性を生んだのか、絶妙なコンビネーションの連発で、得点の匂いが一気に立ちこめた。ゴール裏もそれを肌で感じ取ったのだろう、応援の熱が一層高まった。前半はボールを跳ね返した声援が、今度はゴールへ引き入れようと選手を呼び込む。

一念は通じた。
セルヒオから預かったパスをエジミウソンが達也に送り込む。達也の全身を使って押し込んだボールは、スロー再生を観るように、しかし確実に曽ヶ端をすり抜けてゴールに吸い込まれていった。。。
選手たちの気迫が乗り移ったかのような、ゴールへ導かれるような同点弾。
達也と共にボールを押し込んだかのような錯覚に陥るほど、サポーターは念じていた。その思いが通じた喜びに、今季最高のボルテージで歓声が沸いた。

後半運動量が落ち守勢で時間を稼ごうとした鹿島と、負けられないという気迫でボールを追い続けた浦和との意識格差が、勝負に変化を与えた。
選手に気持ちを見せてもらった。次はこちらの番・・・満を持して封印を解いた『Pride of URAWA』が弾けるようにカシマスタジアムに響く。
一気呵成に逆転に持ち込もうと盛り上がる浦和。達也がさらにシュートを放つも、「今日はここまで」と終止符を打つ笛の音がピッチに響きわたった。否、笛の音のタイミングなど関係なく、今の浦和を鑑みれば、確かに「ここまで」だったのかも知れない。

080727kashima8 その動機に憶測は飛び交うものの、従来の固定メンバーとポジションを変更してまで臨んだ今節に、監督と選手の意気込みと覚悟は感じた。しかし、チームの完成度を問えば明らかに鹿島が上。選手個々のスキルも鹿島が高い。アジアチャンピオンの名は過去のものとなり、昨季J王者に胸を借りて挑んだ浦和。即席フォーメーションだけが一因ではなく、今季当初からあった攻守の連携不足や局面勝負の弱さなど、課題は山積である。闘莉王が時折味方DFと被る場面があったのもその一例と言えるだろう。

080727kashima9だが。
形の良いサッカーをしたからと言って、勝利できる保障はどこにもない。
王者・鹿島にも、付け入る隙はあった。
不細工でも、勝負を捨てずに闘えば、活路は開けるものなのだ。最善でなくても次善の利は掴むことができるから。

久々に、選手に闘う強い気持ちを見せてもらった。
それだけでも、鹿島に行って良かったと思う。
勝敗の結果ではない、共に闘う時のためにこそ、「We」を。

 

追記:
080727kashima6 落雷の瞬間。
昼間と見紛うような強烈な稲妻が、測ったようにスタジアムを避けて、近隣周辺に落ちていました。
しかしながら、危険なことには変わりない状況。
「お気持ちはよーく解りますが、危険ですのでコンコースに避難してください」
というアナウンスには、素直に従いましょう。
(撮影位置はこの際不問として/(笑)

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