« 08【五輪】男子:日本 0-1アメリカ | トップページ | 中山道中膝栗毛@与野~大宮宿~上尾宿 »

2008/08/14

08【HOME】第20節@柏戦

あの時、「勝った」と思っていたのなら、選手だけを責めることはできないだろう。
試合が終わる前に勝手に勝利を確信し、勝手に落胆し・・・そんな自分に腹立たしい限り。
終了の笛が吹かれない限り、試合は終わっていないのだから。
最後まで闘わず、油断した選手も私も「同罪」と言うべきか。


080809kashiwa5 試合前のピッチ練習中、突然、達也が「消えた」という。
達也の名がないスタメン紹介が場内に響くと、「あれ・・・?」との声がそこかしこから漏れ聞こえた。不可解な状況に少々戸惑った空気を醸し出すゴール裏。しばらく柏サポの威勢の良いコールをじっと聞き入っていたが、それが一旦おさまると、満を持したように浦和ゴール裏の咆吼が始まった。「今日こそは・・・唄いたい」という願いを感じさせるコールに、この一戦に賭ける気概があった。心地よい緊張感に、つい一瞬前の不安は掻き消された。

080809kashiwa4 立ち上がりから積極的に動く選手たち。これまでのホームゲームで見せつけられていた緩慢さとは対照的な、積極的な動き。何より選手たちが意欲を感じさせてくれている。前節・鹿島戦からのアグレッシブな姿勢を保っていて、プレーに集中できている様子。活動量ある柏の選手たちのプレッシングは予想どおり厳しいものの、ボールを失ったあとの対応にも安定感が戻ってきているようだった。やはり闘莉王を本来の最終ラインに戻し、阿部を本職のボランチに配することで、中盤の攻守が活発化した。サ080809kashiwa3イドに目を遣ると、攻撃は左の相馬に任せているように見えた右の平川だったが、どうやら下がり目に守備的対応のポジションを取っていた模様。これは鹿島戦でも見られた『疑似4バック』ではないかと思われた。DFに厚みを増した分、これまで3バックの穴となったいたサイドのスペースへの対応が容易になったためだろう、安心して相馬が再三突破を試みていた。前回対戦の轍は踏まずとの意識も働いたのか、対面の太田に対する相馬の意地が感じられ、応援するわれらも闘争心を掻き立てられた。

080809kashiwa1 しかし。
浦和の攻撃が、どうも「そこまで」なのである。
選手の動きは悪くないのだが、前線へのサポート不足からか、チャンスは作れてもフィニッシュが単発的でうまくいかない。良い流れで攻めつつも決定打が出ないのは、どこかの若き代表チームに似ている。まあ代表チームとは違って守備に重点を置いていたこともあったのだろうが、チャンスの機会が多いうちに畳み込むような攻撃で得点を取るような、攻撃の連動性がまだ足りない。
そうこうもたついているうちに、守勢に入り、普通に対応したと思われた坪井のクリアボールは不運にも菅沼にわたり・・・ややロビング気味に放たれたボールは、都築の指先をかすめてゴールに吸い込まれ、失点。「まぐれ」のようでいて、しかし決して「まぐれ」ではないところがサッカーの恐ろしさ。
だからといって、浦和の守備が破綻していたわけでもない。失点前も失点後も、今季の中では最も安定した部類に入っていたと思われた。攻撃に転じた際も、中盤が良く機能していた。対する柏にしろ、それほどプレーに精度はなく、先制点を奪った後の攻撃は、鳴りを潜めていた。浦和にとって少々不運な失点劇ではあったものの、「取り返せる」期待感は充分に感じさせてくれた。
そしてその期待感は、先刻の失点に絡んだ坪井のカット&ドリブルで現実に。機を見て相手陣内に侵入した平川へボールを渡し、中央から飛び込んできた阿部にパス。一発を浴びせて同点に。中盤中央の動きが活性化すれば、攻守のバリエーションが増えることを体現してくれたシーンに溜飲が下がる思いがした。かたや、これを指揮官がわかるまでに半年もかかってしまったことを思うと、少々遠い目にもなったが・・・(^^;

何とか試合を振り出しに戻して迎えた後半。
立ち上がり相手のシュートを立て続けに撃たれるものの、少しずつ浦和が押す展開に。
相手陣内でのパス回し、揺らし、ドリブルによる仕掛けなど、積極的で厚みのある攻撃を展開するように。ルーズボールも良く拾い、2重3重に攻め込むシーンも見られ、サポーターも白熱。弾かれたボールの行方はフリースペース、そのボールを拾ってシュートを撃つのは「残念、そこは鈴○○太」な場面もあったが(笑)、心をひとつにしてゴールを貪欲に狙う姿勢は、たとえ得点に繋がらなかったとしても志気があがる。

しかし、相手も然る者。ボールを奪うやいなや、前掛かりとなった浦和の背後にボールを放り込み、手数を掛けずに速攻で突いてくる。結局、互いが応戦する形となり、やや展開としては単調さが目立ってきた。エジミウソンが負傷退場で梅崎を投入するも、劇的に戦況を変える効果は見られず。そうこうしているうちに時間は過ぎていき、引き分けが濃厚になりかけた後半45分ロスタイム・・・それまで中盤で、まるで何かを自重していたかのような永井が、私の視界に飛び込んできた。逆転。焦れったいスローモーなプレーでゴール裏の怒りを買っていた菅野を嘲笑うかのように交わして放たれたテクニカルなゴールに、狂喜乱舞するサポーター。
「よーし、いけるぞ!」と上気して叫んだ私の言葉に、ダンナがこう言った。
「おい、まだ試合は終わってないぞ、集中!集中!」
今にして思えば、この言葉がこの試合の“すべて”となってしまった。。。

ロスタイム4分もほぼ費やされた頃、両チームの『真価』が問われることに。多くの誰もが浦和の勝利を確信し始めた・・・否、浦和が浦和の勝利を「勝手に」確信したのであって、柏側は決してそうではなかった、と表現する方が正しいだろう。そうでなければ、残りわずかな時間に同点弾を奪い取る強かさを持ち合わせているはずがない。
柏コーナー付近で少々悶着の後、柏のスローインボールが菅野に渡り前線に大きくフィード。その後のハイボールの競り合いにことごとく負けたうえに、あろうことかフランサがフリーで中央に走り込んで来た(これは反対側ゴール裏からもよく見えました)。毎度彼にしてやられている経験を忘れていなければ、最後まで彼を掴まえていなければならなかっただろうに。。。堀之内が遅れて防御に入ったが、その前に勝負あり。
『油断』以外の何物でもない。
十数秒後に試合終了。自業自得と言うべきか。。。

080809kashiwa2 柏は勝負を捨てていなかった。今の浦和に足りないのはこれなのかも知れない。勝負を「捨てる」のは劣勢に立たされているチームのほうだとは限らないことを思い知らされた。
試合後、ゲルトに対して罵声を浴びせていた人もいた。確かに時間帯を考えずに交代枠を使わなかったゲルトの落ち度もあるだろうが、失点を招いたのは紛れもなくピッチ上の選手たち。もっと早い時間帯であったなら、この状況に選手交代で時間を使え云々の話など通じない。
まあ、そんな人のことをとやかく言う前に、試合が終わる前に「勝った」と思い込んでしまった自分にも非はある。大いに反省すべし。

試合の行方を左右した「集中力の欠如」が特に強い印象を与えたものの、それまでの選手たちの間で保たれていた攻守にわたる「集中力」「安定感」は、前向きな材料と言ってもいいと思う。確かに攻守の切り替えの動きは柏の方が勝っていたが、「これまで」との比較論をすれば格段にマシ(笑)な動きとなっており、改善がみられたのは確か。
かえすがえすも、何故もっと早く手を打たなかったのか、、、このことについて、指揮官に問うてみたいものだ。

痛い引き分けであったが、失ったものと同じくらい気付いたこと、得られることもあった、そんな試合だった。

追記:
負傷したエジミウソンが、途中、負傷者として主審が認めることもない間に、勝手にピッチを離れベンチまで転がり込んだシーンがありました。すぐに促されてピッチに戻り、梅崎の交代を待ちましたが・・・交代手続きを受けるためにも、(負傷者として認められる前に)主審の承認無しに勝手に離れることはできないように思えるのですが。
 #JFA『競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン』
   P59:第3条・競技者の数「交代の進め方」参照→抜粋
装身具警告の件といい、この件といい、競技規則をどこまで理解しているのか、疑わしくなる時があります。

080809kashiwa6 追記その2:
ひとりの愚行が、ついにこんな注意喚起までさせてしまう事態に。
あらゆる客層が集う埼スタでは、駒場時代のような「モラル」と「信頼」が薄らいできてきていることを実感せざるを得ません。

追記その3:
FC浦和、優勝おめでとうございます。
TV観戦しましたが、両者素晴らしい試合でした。
この優勝にあやかりたいんですが・・・

追記その4:
北京オリンピックで見事金メダルを獲得した、柔道の上野雅恵選手。
決勝戦で、『朽木倒し』で一本を決め試合が終わったにも関わらず、相手をまだ畳に押さえ込み続けていました。
この勝負に対する飽くなき集中力が、必要なんですね。

|

« 08【五輪】男子:日本 0-1アメリカ | トップページ | 中山道中膝栗毛@与野~大宮宿~上尾宿 »

浦和レッズ」カテゴリの記事

コメント

お疲れ様でした。

あれほどたくさんの「呆然とした人々」を見たのは初めてでした。

精神力なんてものは、そう簡単に弱くなるものではないと思っていましたが、違っていました。確実に「20世紀のレッズ」に戻っているのではないか・・・認識を改めて味スタに行きます。

投稿: sat | 2008/08/14 11:25

nigoeさん、今晩は。
それにしても、レッズらしいといえばレッズらしい試合でした。ベンチワークも含めて、試合をしっかり終わらせる厳しさがまだまだ足りません。また、たまのりもナギーのゴールで舞い上がっちゃいました。フランサにボールを渡さないサポーティングは、あったんじゃないかと思ってます。
今シーズン、何かアウェイと比べてホームゲームがぬるく感じて仕方ありません。サポの一体感もかなり違います。ホームゲームでも鹿戦のようなゲームができるはずなんです。これを続けて欲しい。
土曜のガス戦も、アウェイで毎回燃える戦いです。たまのり、現地参戦での勝に激しく餓えてます。勝たせるサポーティングを突き詰めたいでっす。

投稿: たまのり | 2008/08/14 21:32

@satさま

>あれほどたくさんの「呆然とした人々」
>「20世紀のレッズ」に戻っているのではないか
言われてみて、どこかで観たような・・・と思っていたら、思い出しました。Vゴール負けした時の懐かしい光景に似ていましたね(自虐)

アジア王者から、そんな時代までわざわざ原点回帰せんでもいいのにww

@たまのりさま

>フランサにボールを渡さないサポーティングは、
>あったんじゃないかと思ってます。
例えば、永井が悶着しているのをもっと審判に注視してもらえるようにするとか、菅野へ動揺をもっと与えるべきだったとか・・・確かに仰るとおり、私たちにもできることがあったはずですね。反省。

>今シーズン、何かアウェイと比べてホームゲームが
>ぬるく感じて仕方ありません。
駒場時代から「アウェイは楽しい」の傾向はありましたが、埼スタ時代に移行してからは「アウェイの方が応援が純粋で楽しい」という傾向が一層強くなりましたね。しかしアウェイも最近では人数が多くなって、昔のような『多勢に無勢』の必死の応援の雰囲気が薄れてしまったような気がします。サポ1人にかかる“戦力”としての自覚と責任の重さは昔の方がありました。

でもやはり、アウェイはお金も時間もかかる遠方に「応援」という目的を明確にして自発的に行きますので、いわゆる「お気軽さ」が排除されて良い雰囲気になるのでしょう。
アウェイ、私も大好きですよ。だからやめられません(笑)。


投稿: nigoe | 2008/08/15 14:53

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/139833/42143958

この記事へのトラックバック一覧です: 08【HOME】第20節@柏戦:

« 08【五輪】男子:日本 0-1アメリカ | トップページ | 中山道中膝栗毛@与野~大宮宿~上尾宿 »