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2008/08/01

08【AWAY】第19節@鹿島戦

久々の充実感。
勝てなかった。だから満足していない。
でも、選手と共に闘った実感は、何物にも代え難い。
われらが求めていたのは、この感覚だったのではないだろうか-----「We are REDS」という一体感を。


080727kashima1 さいたまから首都高~外環~常磐道を経由して東進し、車を走らせること2時間半で敵地着。相も変わらず同じ関東とは思えない遠さ。正午過ぎの到着にもかかわらず、すでに多くの同志たちが待機列に並ぶ。深夜到着の仲間の前にはすでに100枚以上のシートが並んでいたとか。遙かこの地へ駆けつけた者の並々ならぬ意気込みを静かに感じ取ることができた。
肌を射るような真夏の陽射し降り注ぐ日中の待機列だったが、入場すると時間の経過とともに陽射しは消え、風が吹き出した。沿岸部特有の夕凪から陸風に切り替わったのかとも考えたが、少し様子がおかしい。気温も心なしか低い。予報どおり夕立の気配が感じられた。

080727kashima2 予感的中。試合開始から霧雨が降り注ぐ。
ピッチでは、そんな天候の変化など一切気に留めず、ただひとつのボールを巡り集中してファイトする選手たちの姿があった。
浦和は、常時先発であったエジミウソンを外し、高原・達也の2トップとし、永井をトップ下に置く攻撃陣。後方は、「ようやく」闘莉王をCBに戻し、阿部を本職のボランチに、啓太と共に据えた。平川・相馬が両サイドを務めれば、暢久は自動的にベンチへ。どうやら「夏休み」か・・・
080727kashima3 コンパクトな中盤でのせめぎ合いは、傾斜の強いスタンドからよく観察できた。ボール保持者への厳しいプレス、球際の競り合い、機敏な動き・・・選手たちの闘争心と集中力が見る者に伝わる緊迫の試合展開。
しかし。
まるでギシギシと軋み鳴るように絡み合った鎖が少しずつ解けるように、ピッチの端から徐々にタテへの動きが顕れだした。
新井場の顔がたびたび至近距離まで見えてくるようになった。平080727kashima5 川が上がった後方のスペースががら空き。啓太のカバーが間に合わず、坪井が応対。かたや啓太がサイドのカバーに引き寄せられるとそのスペースを突かれる。多忙を極める阿部。さすが、鹿島は抜け目がない。浦和陣内の隙を容赦なく突いてくる。そして新井場をバイタルエリアで待ち構えるマルキーニョス。一瞬の身のかわしが早い。堀之内の懸命の対応にゴール裏が援護のブーイング。さらにダニーロが、興梠が顔を出す。押し込み続けられる劣勢に、点を獲られてなるものぞと吠えに吠えるゴール裏。都築の腕が、サポーターの声が、枠に飛んで来る球を弾く。

今季一番の熱戦に、時の経つのも忘れていた頃、雨足が強くなる。風がスタジアムを巻くように吹きつけ、霧雨は粒を膨らませて叩きつけてきた。ハーフウェーラインあたりからの視界が効かない。まるで厚手のレースのカーテンを吹き流しているかのような、選手が何をやっているのかわからない状態。周辺では稲妻がお構いなしに落ち、真昼のようにスタジアムを照らす。
中断。
080727kashima7 何かの祟りかと思ってしまうほどの激しい雷鳴。まるで龍が天を這うような、八方に夜空を裂く稲妻を初めて見た。あまりの現実離れした光景にファンタジーさえ感じた。スタンド上部で1時間余り待機。全身ずぶ濡れ。真夏というのに寒さに震える思いをしようとは、試合前にはゆめゆめ思わなかった。全く意外な展開だったが、不思議にも状況を楽しむ心の余裕があった。カシマスタジアム、嵐、絶対に負けられない相手、劣勢、ずぶ濡れの自分、、、上等だ。

20時ごろ。誰もいないグラウンドに土田コーチがひとり現れ、勢いよくピッチにボールを転がした。その試合再開の合図に湧き上がるスタンド。真っ先に浦和の選手がピッチに広がっていく。この間、中断で削がれたモチベーションを再び持ち上げていく。選手もサポも。
1時間余りの中断を経て、20:20、前半39分より再開。
そして。
浦和スローインから再開した試合は、瞬く間に動いてしまった。ペナルティライン中央付近にフリーでいた小笠原にボールが渡った時点で万事休す。悪いことに小笠原対応のDF複数名が直線状に被り、ぽっかり見事なシュートコースが空いていたのが私にも見えてしまった。浦和相手に、これを決めない彼ではない。再開直後の油断もあっただろうが、もともと押し込まれた展開に、これまで深い位置取りをしていた小笠原にまで前線に顔を出されてしまっては堪らない。
無意識ながらも覚悟していた失点シーンを再開早々に拝まされ、前半終了。
何とも言いようのない気まずさに、ハーフタイム中、無言で過ごす。まさに「水を差すような」雷雨中断と、空を恨んでもみた。
しかし、だ。
ここで心が折れてしまっては、選手もサポも前節の轍を踏む。試合を捨ててはならない。

080727kashima4 後半開始。
日曜、ナイトゲーム、遠方、嵐、中断、不安定なチーム状態・・・多く重なった悪条件にも関わらず応援に駆けつけたことの意味を反芻した。
「絶対に負けたくない。」
ただそれだけが自分を支えていた。

達也も前線から精力的に、むしろやり過ぎるくらいに守備に回った。この日ボランチを務めた阿部は久々の本職に本領発揮。機を見て前線を駆け上がったり、高い位置からプレスを掛けたりと、浦和中盤の『軸』を形成。いままで浦和になかったものがようやく作り出されたような思いがした。啓太もバランスに配慮しながら動けている。坪井の復調も確かなものと確認でき、ハードマークによく耐えていた。

徐々に鹿島の両サイドから切り崩しできるように。前半飛ばしすぎたのか、新井場の積極性が消え、中後が担当する鹿島右サイドは相馬の突破に持ち堪えられなくなってきた。が、何故か相馬OUT→梅崎IN。ここがゲルト・クオリティか。。。しかし梅崎も良くサイドを切り裂きチャンスメークに貢献した。しかし、相馬にしろ、梅崎にしろ、平川にしろ、サイドからのクロスの精度を上げていかねば、せっかくの苦労を自ら泡にしてしまうようなものだ。そればかりか、浦和の攻撃の浮沈にも関わる問題である。研鑽を求めたい。

前半からボディコンタクトに寛容(ファウルを取りきれないとも言う)なレフェリングが気懸かりだったが、その影響か、時間の経過とともに鹿島の選手が転がり「時間が止まる」回数が増加。しかし徐々にヒートアップする状況の中、浦和の選手たちは、闘争心を見失うことはなかった。
前半の劣勢とは対照的に、後半攻勢となった浦和の指揮官は、後半30分前後に交代のカードを切った。献身的に走り回った高原が倒れたタイミングを図り、高原OUT→エジミウソンIN。スピード感と切り替えの早い試合展開に不安増大のこの交代劇・・・。
しかし、そんな理屈や予感が通らないのもまたサッカーというものだろう。
さらにトップ下として空回り感の拭えなかった永井を下げ、最後の切り札として投入されたのが、セルヒオ。これが相乗効果となったのか、劇的に前線でボールが回り出した。「前へ」の推進力とスピードを若き力で表現するセルヒオ。この若者の躍動が連動性を生んだのか、絶妙なコンビネーションの連発で、得点の匂いが一気に立ちこめた。ゴール裏もそれを肌で感じ取ったのだろう、応援の熱が一層高まった。前半はボールを跳ね返した声援が、今度はゴールへ引き入れようと選手を呼び込む。

一念は通じた。
セルヒオから預かったパスをエジミウソンが達也に送り込む。達也の全身を使って押し込んだボールは、スロー再生を観るように、しかし確実に曽ヶ端をすり抜けてゴールに吸い込まれていった。。。
選手たちの気迫が乗り移ったかのような、ゴールへ導かれるような同点弾。
達也と共にボールを押し込んだかのような錯覚に陥るほど、サポーターは念じていた。その思いが通じた喜びに、今季最高のボルテージで歓声が沸いた。

後半運動量が落ち守勢で時間を稼ごうとした鹿島と、負けられないという気迫でボールを追い続けた浦和との意識格差が、勝負に変化を与えた。
選手に気持ちを見せてもらった。次はこちらの番・・・満を持して封印を解いた『Pride of URAWA』が弾けるようにカシマスタジアムに響く。
一気呵成に逆転に持ち込もうと盛り上がる浦和。達也がさらにシュートを放つも、「今日はここまで」と終止符を打つ笛の音がピッチに響きわたった。否、笛の音のタイミングなど関係なく、今の浦和を鑑みれば、確かに「ここまで」だったのかも知れない。

080727kashima8 その動機に憶測は飛び交うものの、従来の固定メンバーとポジションを変更してまで臨んだ今節に、監督と選手の意気込みと覚悟は感じた。しかし、チームの完成度を問えば明らかに鹿島が上。選手個々のスキルも鹿島が高い。アジアチャンピオンの名は過去のものとなり、昨季J王者に胸を借りて挑んだ浦和。即席フォーメーションだけが一因ではなく、今季当初からあった攻守の連携不足や局面勝負の弱さなど、課題は山積である。闘莉王が時折味方DFと被る場面があったのもその一例と言えるだろう。

080727kashima9だが。
形の良いサッカーをしたからと言って、勝利できる保障はどこにもない。
王者・鹿島にも、付け入る隙はあった。
不細工でも、勝負を捨てずに闘えば、活路は開けるものなのだ。最善でなくても次善の利は掴むことができるから。

久々に、選手に闘う強い気持ちを見せてもらった。
それだけでも、鹿島に行って良かったと思う。
勝敗の結果ではない、共に闘う時のためにこそ、「We」を。

 

追記:
080727kashima6 落雷の瞬間。
昼間と見紛うような強烈な稲妻が、測ったようにスタジアムを避けて、近隣周辺に落ちていました。
しかしながら、危険なことには変わりない状況。
「お気持ちはよーく解りますが、危険ですのでコンコースに避難してください」
というアナウンスには、素直に従いましょう。
(撮影位置はこの際不問として/(笑)

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コメント

お疲れ様でした。
「意地」、この試合、この一言につきるのではないかと思います。
技能や体力を超えたところで結果が出たというか。
首位のクラブから合計勝ち点4。
これをどう生かすかは今後にかかっています。

投稿: sat | 2008/08/01 15:28

nigoeさん、こんにちは。異国での戦い、ご苦労様でした。
たまのりも、微力ながらもバックアッパーで叫びまくっておりました。(お陰で、まだ美声?は復活しておりません。)
それにしても、やっぱり鹿スタは燃えますね!かのクラブも磯も(小汚い旗出し=何のためにやってるんでしょ?あれをビジュアルとは、恥ずかしくって言えんですよねぇ。)、戦うたびにたまのりの闘志に火を点けまくってくれます。そして、ウィーアーさん達も知らず知らずのうちに一枚岩の戦いをしてしまっていましたよね。試合終盤のP.O.U、そして試合後のWe are Reds!、痺れました。完全に咽が潰れました。
ゲルトも、この戦いで吹っ切れたでしょうか?たまのりは、ゲルトの戦術家としての能力は信じてます。(戦略家としては「?」)柏戦からの、妥協なき采配に期待です!

投稿: たまのり | 2008/08/01 16:55

お疲れ様でした。
鹿島アウェイは初めてでしたが、色々な体験をさせていただきましたし、
また肝心の試合も久しぶりに強い気持ちを感じることが出来た内容でした。

そして、あれだけの豪雨&雷を体験したのも久しぶり(苦笑)
見事でした。さすがは異国の地と言われるだけのことはありますね。

そして帰るときまさかの工事渋滞。どうやらラスボスは
首*高速会社だった様です。
(5号線と小菅JCを同時に工事するとは・・)

とにかく、光明が見えたことは収穫です。

※私も1Fスタンド最上段で待機していました。
コンコースに移動するタイミングを逃したのが大きな理由です。

投稿: Kouichi | 2008/08/01 22:32

遅くなりましたm(_ _)m
この週末は、また「みちのく場所」に巡業しておりました(^^;ゞ

@satさま
参戦、お疲れ様でございました。

>首位のクラブから合計勝ち点4。
>これをどう生かすかは今後にかかっています。
そうです、そのとおりですね。
鹿嶋国での引き分けを糧として優勝できた2006年、鹿嶋国で勝てたのにわずかな差で優勝できなかった2007年、、、さて2008年残り15節、この勝ち点を必ずや有効に活かしたいものです。

@たまのりさま
参戦、お疲れ様でございました。

>ウィーアーさん達も知らず知らずのうちに一枚岩の戦いをしてしまっていましたよね。
>試合終盤のP.O.U、そして試合後のWe are Reds!、
>痺れました。完全に咽が潰れました。
ノドの調子は回復いたしましたでしょうか?(^ー^)
自分たちの声が、応援が、選手たちの何らかの力になれば、という純粋な気持ちを持って最後まであきらめないところが、浦和サポの真骨頂ですものね。終盤での追い上げ同点弾のシーンには、原点を思い出させてもらいました。
やはり、浦和レッズは「これ」ですよ、「これ」。
勝つことが難しくなった今季、サッカーの神様に、「原点に帰れ」と言われているような気がします。「選手と共に闘え」と。

@Kouichiさま
参戦、お疲れ様でございました。
初めての渡航、いかがでしたか? 鹿嶋国の商人の皆様は驚くほどフレンドリーで接客態度も上々です。ただし『五浦ハム』の値段が、指定席よりゴル裏のほうが100円高価なところが不可解ではありますが(゚∀゚;)。

>※私も1Fスタンド最上段で待機していました。
そうですか、近くだったのですね。
ワタシは1Fスタンド屋根直下ギリギリに席を陣取っていましたので、少しは雨露が凌げると思っていたのですが、、、甘かったですね。携帯とデジカメが水没しないか心配でした(^^;
ところで、頻繁に場内放送で避難を促していましたが、運営側がそれほど危険を感じているのなら、何故避難誘導しなかったのでしょうね。こういう危機管理運営を怠れば、Jから罰金を科せられるというのに・・・(^^;

投稿: nigoe | 2008/08/04 12:12

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