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2008/07/10

08【HOME】第15節@FC東京戦

たった1人の選手の復帰が、これほど劇的にチームを変えてくれるとは。
これまでの浦和に欠けていた「何か」を痛感させられた、そんなゲームだった。


080705fctokyo1梅雨の晴れ間の照りつける太陽に蒸し暑さが拍車を掛けていた。うかつにビールなんぞ飲もうものなら、たちまち熱中症にもなりかねないような陽気。入場後、いくぶん涼しさが漂ってきた頃にようやく一杯。これからはビールより冷凍ペットボトルが命を繋ぐ必需品となりそうだ。

選手の練習時にも、まだ明るさが残る080705fctokyo2ピッチ。空も明るく、予報で心配されていた雨は降る気配もなくひと安心。達也の姿が見えた。暢久も啓太もロビーもいた。
対面の客たちも、ひときわ出力を上げて唄っている。唄を聞かされながら「過去のあれやこれや」を思い出すと、より一層、彼らには負けたくないとの思いが強まる。お膳立てはできた。上等。

080705fctokyo7スタメン発表を待たずとも、練習でピッチに散らばる選手を眺めれば、だいたいのフォーメーションは想像できていた。場内アナウンスでも「MF闘莉王」の名を告げた。そして、高原、永井、梅崎、細貝の名は「SUB」として。
FC東京に、耳慣れない羽生、佐原の名を聞く。長友・石川・ブルーノらがピッチに不在でも、羽生、今野、梶山の存在は脅威。今の浦和のチーム状態では、これら走力ある中盤を有する相手との対峙を最も080705fctokyo8避けたかったとも言えるが、発想を逆転すれば、この1週間におけるチームの改善状態を量るには相応しい相手とも言える。
前節からどこまで立て直されたのか、、、不安よりも、「見せてくれ」という想いのほうが、私の心の中で膨らんでいた。「覚悟」をもって。

すると。
080705fctokyo6この1週間の研究の成果は、あまりにも呆気ないほど、いとも簡単に表れた。
最近久しく目にすることの無かった、「タテ」への顕著な動き。加えて相手DFの裏側へとボールが配球されるシーンを見るのもいつ以来だっただろうか。ボールの行く手に飛び込む「11」の背中が妙に懐かしく目に映る。シンプルかつ速い動きで、エンドラインギリギリから折り返しのパス。エジミウソンの「決めるべき」シュー トは、無事にゴールネットに突き刺さった。これまでの長い日々、ゴールマウスに背を向け続けていたFWを、ようやく前に向かせたのは、達也だった。「前を向けば、そして足元に配球すれば機能する」このFWの実態を、ひとりの男がいとも簡単に証明してくれたのだ。これほどまでに呆気なく・・・今までの苦悶の日々は一体何だったのだろう??? ((((;゜Д゜)))
そんな拍子抜けな現実に面食らってか、久々に早い時間での先制点で、正直、歓喜の雄叫びを上げるタイミングが目では理解できていても、頭で理解するまで一瞬遅れてしまう始末(笑)。

気を引き締めて、その後のなりゆきを見守ると、、、
これまた久しく見られなかった光景が、ピッチの上に広がっていた。「タテ」への動きを保ちながら全体に前進するフォーメーション。闘莉王も中盤の高位置でボールを配球。右に左にボールは走り、ポンポンと選手の足元で素早く叩かれる。恐れていたサイドも破られていない。
連動性、速攻、高い最終ライン、脇の締まった陣形------スタンドで見守る私たちも一緒に前のめりにさせてくれる、そんな臨場感に満ちた世界を味わったのは、幾久しい。これまでの姿は世を忍ぶ仮の姿、いよいよ本懐を遂げんがために重い腰を上げたのだ、とひとり盛り上がっていた・・・前半30分くらい、幻のゴールが放たれたあたりまで。それまで6本のシュートで攻め立てていた浦和だったが、幻のゴールを演出した「オフサイド」判定をきっかけに、リズムは崩れた。まるで古傷が再発するように、最近見慣れた浦和の姿に戻りだした。

それからというもの、苦行に耐える修行僧のように、忍耐に忍耐を重ねる時間を強いられた。選手もサポーターも。
前半の終了間際、今野の冷や汗もののシュートを浴びるも、辛うじて難は逃れた。
しかし、冷静に相手のプレーを観察すると、F東京の選手そのもののプレーに脅威は感じなかったし、危険なように見えたシーンでも、F東京の選手の個々のスキルが必ずしも浦和のそれを上回っているようには決して見えなかったし、危険視していたサイドもそうそう攻められることもなかった。
「普通に闘えば、普通に勝てる」
と、ハーフタイムで私はつぶやいた。
ただ、前半30分過ぎから、浦和は「普通」ではなくなっていた。
今野の進入を許したことに、その答えはあった。「脅威」は、浦和の中盤が自ら演出していた。

080705fctokyo3後半開始。
事態は好転どころか、なおもこの状態を継続。そのうえ、自陣に引きこもり、こちら側(北ゴール)にやってくる気配がない。反対側の遠い場所で展開する試合の行方にやきもきさせられ、前半とは全く違う心持ちの“前のめり”姿勢で、戦況を見守ることを強いられた。前半はそれなりだった審判団のジャッジが、後半から舞い上がりを見せはじめたことも、私の背中を押していたのかも知れない。。。
調べてみれば、浦和の後半シュートは2分エジミウソン、24分闘莉王、43分永井の3本。対するF東京は7本と、前・後半で形勢逆転したことが数字にも表れていた。それも達也がOUTしてからのちに、この7本のシュートは放たれていた。達也の交代は致し方無しとしても、いかに前線からの守備が重要であるかを、スコアは静かに物語っている。ロビーの負傷は誤算だったが、替わって入った梅崎の「前に進もう」とする奮闘ぶりに苦労が忍ばれた。“誰か”の分まで動こうとしていた奮闘ぶりに。
都築も良く耐えた。常々思うのだが、彼はゴールマウスのポストやバーに守られて幸運であるかようについ表現されてしまうけれども、それは都築自身のポジショニングの良さから起こるもの。ゴール前に構えて防御する際の彼の守備力には安定感がある。ただ、前節・柏戦のように、守備陣のミスから「前に出ざるを得ない」状況となればこの限りではない。仮にそんな状況で失点したとしても、彼を責めることはできない。「そんな状況」を生み出さないための努力こそが必要なのだから。

堪え忍んだ後半に光明が見えはじめたのが、細貝の投入後から。
永井の追加点が生まれたのは、細貝の投入と無縁ではない、と思えてならない。
エジミウソンには申し訳ないが、細貝との交代で守備の頭数が増えたことは事実。守備力のあるボランチ起用は、「逃げ切り」のサインでもあり、「後方への憂い軽減」のサインでもあった。永井が相手陣内コーナー付近で時間稼ぎをしているように見せかけて攻撃的なパスを梅崎に渡す場面があったが、それも永井自身の後方での守備負担が無くなり攻撃的なモチベーションにシフトできた心境の表れだろう。後方の守備に戻る必要もなくなったことで、ハーフウェイライン付近の位置で待機でき、あの豪快な突破&ゴールが生み出されたのだと思う。
080705fctokyo9さらに驚かされたことには、細貝は、決して後方だけではなく、高い位置まで出張ってチェックをかけていた。昨季の長谷部の役割を、今、彼が担っているのだ。
永井の痺れるゴールを演出したのは、細貝の存在だったと、私は思った。
この2人の『長袖王子』(笑)が、忍耐の時間に終止符を打ってくれた。5分のロスタイムは余計な時間ではあったけれど。

080705fctokyo11前半30分までの躍動感あふれるプレーを、90分見てみたい。見せて欲しい。

「もっと、強くなりたい」

『We are Diamonds』をあえて封印したコールリーダーの心境は、私には理解できた。
スタジアム観戦拒否や応援拒否をするよりも、直接的で建設的な意思表示だと思う。
闘っている時は、共に無心で闘う。闘い終わったあとに、忌憚のない想いを伝える。
サポーターは『客』ではない、「闘う当事者」なのだから。ピッチの080705fctokyo10上でファイトしない選手を許せないように、自身をサポーターと呼ぶのなら、眼前の闘いを放棄してはならないだろう。
共に闘うからこそ、さらなる高みを共に目指したい。温かくも厳しい眼差しで「その先」を語りあいたい。共につまづき、共に積み上げながら。
『サポート』とは、そういうものではないだろうか。

【2008 J第15節 7月5日(土)19:04 KICK OFF】
          浦和 2-0 FC東京

会場:埼玉スタジアム 観衆:49,218人 天候:晴れ    
得点者:【浦和】[3分]エジミウソン、[88分]永井雄一郎 
交代:【浦和】[54分]田中達也→永井雄一郎、[57分]ロブソン・ポンテ→梅崎司
            [82分]エジミウソン→細貝萌
        【F東京】[67分]カボレ→川口信男、[87分]羽生直剛→石川直宏
警告:【浦和】[29分]山田暢久、[74分]都築龍太、[75分]堀之内聖
    【F東京】[48分]カボレ、[81分]平山相太
退場:なし
主審:村上伸次

 

余談:
試合後、他会場の結果のアナウンスの最後に、「われらが浦和レッズ」の勝利報告で、うっかり間違えちゃいましたね>朝井女史。
「得点者 3分 田(ry」
個人的願望がつい出てしまったのか・・・まぁ、先制点の半分は「彼」のものですね(笑)

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コメント

お疲れ様でした。

達也1人で劇的に変わってしまいましたね。
もう1人達也がいてくれれば盤石なのに、と思わずにいられません。

もう、明日は大分戦@九石ドーム。
あの劇的変化が続くことを願ってサポートします。

投稿: sat | 2008/07/11 19:51

nigoeさん、こんにちは。
ガス戦、前半20分までは超wktk。後半43分の歓喜爆発と、久々の納得ゲームでした。前半20分以降と後半のほとんどは、ガスにポゼッションされていましたが、結構安心して見ていられました。(柏戦と比べれば、ハラドキ度はどうってことなかった!)
やっぱり、レッズのサッカーって「縦に早いサッカー」ですよね。それに、鬼ドリブルとキラーパスが散りばめられて、そしてきっちり守り倒す。これです。

さあ、次は鬼門のアウェー大分戦、エジ・達の素晴らしさは分かった。こんどは、高・達が見たい、たまのりでっす。

投稿: たまのり | 2008/07/12 09:22

@satさま
お疲れ様でした。

>達也1人で劇的に変わってしまいましたね。
達也ひとりで「前へ」という意識変革を選手全員にもたらしてくれましたね。前半の途中までは、本当に久々に見る痛快な試合展開でしたが、、、
大分での「劇的変化よ、ふたたび」が叶わず残念でした。
プロの世界は、レッズが考えているほど甘くないということなのですね。

@たまのりさま

>やっぱり、レッズのサッカーって「縦に早いサッカー」
現況は混沌としていますが、「レッズのスタイルとは?」と聞かれれば、私も同じように答えると思います。「鬼ドリブルとキラーパスが散りばめられて、そしてきっちり守り倒す。」も、そうです。
何を隠そう、第1期オジェック政権で確立されたスタイルに回帰してしまいます。しかしそう答えてしまいます。
何とも皮肉なものですね。

投稿: nigoe | 2008/07/15 15:54

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