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2008/04/15

08【HOME】第6節@鹿島戦

対鹿島戦戦績
第5節終了時点8勝3分23敗。
第6節終了時点、9勝3分23敗。

そして、浦和のお家芸・・・“連勝ストッパー”。
「全治6週間」にて、ひとまず“仮退院”。

道程は長いけれど、ひとつひとつ、確実に。

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080413kashima1 心配された雨も上がった曇天の埼スタ。午前中は、歩道を歩けば少し汗ばむほどの気候だったが、午後になり、底冷え感が増す。入場してキックオフを待つ時間にも徐々に体温を奪われ、なかなかビールがすすまない。しかしこの日は、冷えた体をたやすく熱くしてくれることだろう。
勝負の相手は、鹿島アンドラーズ。

試合を控え、仲間と握手する手は互いに冷たくとも、握り返す手080413kashima4 と手はみな力強い。闘争心は熱くたぎっていた。これから始まる勝負への期待感で、放っておいてもテンションは高まっていた・・・・・・ところに、恒例・選手入場前の対面スタンドでの珍事。快い勝負への緊張感が昂揚してきたところに、抜群の破壊力で雰囲気を台無しにする光景が(この暗号文字の解読についてはこちら様をご参照ください。訂正記事もご参考まで)。ずっと昔、段ボール製の同様の人文字を国立で見たことがあったが、その時の文字は少なくとも「読めた」。しかし今回は、あまりにも080413kashima8無様。こちらからは「や り直せ!」コール。しばらくはあまりの滑稽さに笑い転げていたが、バツの悪そうな感じで撤収しつつ、失態を掻き消そうと取り繕ったかのような“鹿島コール”を吠えているのを眺めていると、単純な「笑い」が「痛ましさ」へと変わってきた。毎度思うのだが、彼らは何故に選手入場の時に、選手を鼓舞するメッセージを表現できないのだろう。彼らは“サポート”をするためにここに来たのではないのか?。戦う相手を履き違えているばかりでなく、相手を貶めていたつもりが現実は自クラブと自身を貶めていることに気付かないことが、実に痛々しい。

080413kashima3 この珍事に先立って発表されたスタメン。鹿島は水曜日のACLに引き続き野沢が欠場。ACLで負傷でした内田も不在であるものの、揃えた面子はいづれも名に聞こえのある選手。迎え撃つ浦和は、前節終盤のメンバーで手応えを感じたのか、前節の相馬(胃腸炎)、梅崎に替えて暢久、細貝が先発。しかし、同様の路線からか、好調の鹿島相手にも関わらず闘莉王を初っ端から前線(2シャドウの一角)へ配していたのが、戦前からの私の気掛かりとなっていた・・・

080413kashima5試合開始。懸念されていた開始早々の「失点」は無く、無難な立ち上がり。暢久を右サイドに戻し、細貝がチェックに動き回ることで守備にはある程度の落ち着きが戻ったが、、、残念なことに次第に機能低下。この2名がともに守備に翻弄され、混乱に乗じた鹿島にそこを再三狙われていた。何故にここまで攻め立てられてるのだろう・・・と訝しく思っていたところ、この2人が高い位置から低い位置までカバーしていているのを見て、わかった。前の3人が守備をしないうえに、簡単にボールを失ってしまうからだった。せっかく攻撃で前線に進出してもすぐに相手ボールとなり守備に切り替えねばならず、受け身の態勢が長時間続くことで、次第に集中を欠いてきた。最も象徴的だったのは前半終了間際、新井場とダニーロのスクリーンプレー気味のオーバーラップに気付いたのか、啓太が暢久の守備のサポートで接近するも暢久が看過、ダニーロのオーバーラップをたやすく許してしまったシーンには大いに肝を冷やされた。その後、決定的なセンタリングが田代に渡り万事休す・・・と思ったが、田代が素直に撃ったシュートは都築に弾かれ、辛うじて胸をなで下ろす。
相手の決定力不足で前半をスコアレスで終了。しかし、どう贔屓目に見ても、鹿島の連携の良さが浦和のそれを上回っていた。鹿島6本、浦和2本のシュート数がそれを物語っているだろう。ここは何とか、無得点で折り返せた幸運を、後半に活かしたい。。。

080413kashima2 早々に「手を打つ」ところは、前監督との異なる仕事をするゲルト。
高原OUT→永井IN。
腰痛がまだ癒えぬのか、先発は見送ったもののさすがにベンチから外せなかったところに、今の浦和の苦しさが滲んでいる。しかしサブに名を連ねる以上は「動ける」との判断をするのは至極当然。
その「動ける」というキーワードが戦術かのように、永井投入直後から劇的にボールが回り出すように。得点の匂いがにわかに漂いだし、その気配に色めき立つゴール裏の期待感は、ほどなく歓喜へと変化した。闘莉王のトラップ&センタリングがファーのスペースにフリーで進入していた永井に渡り、先制!十数分前のダニーロと田代の連係プレーへの“お手本代わり”となるような得点シーンは、実に爽快。

割れんばかりの歓声とともに「さあ、次!」と応援のボルテージも上昇、さあ浦和の選手たちよ勢いづいてくれよと勇壮な声をピッチに送り続けた・・・ところが、効果は逆の方向に。浦和の先制点は、鹿島の選手たちの闘争心を着火させてしまったようで、期待とは真逆な厳しい劣勢を長時間強いられてしまった。ゲルトは少しの我慢ののち、前半からかなり動き回っていた細貝の消耗を放置せず、後半25分、細貝に代えて梅崎投入。細貝OUTで前目からの守備の枚数が減ったからには、闘莉王もそのままではいられないはず。自陣内に押し込まれる時間が続けば、空中戦やゴール前に対する危機管理も当然必要となり、そうなれば必然的に引いて中央を固めて跳ね返す、いわばこれまでの『浦和スタイル』に戻すしかない。

サッカーは、点を奪われなければ、最低でも「負けない」。
そうやって、アジアを闘い抜いた昨季。この戦術の考え方の是非はここでは置いておくことにして、現実は、そうなのだ。ただしその「守り方」には議論の余地はあると思う。引けるだけ引いて、あとはGKの神業頼みとしていては、あまりにも危険。都築も大変。観ている側にも心臓に悪い(^^;。
しかし、目の前の現実は、そんな事を考える間を与えてはくれないわけで、咄嗟の事態では最も身に付いた動作で対応するしかない。
ここが、今後の浦和の課題となりそうだ------と思いつつ、守り抜いてくれよと、まさに神頼みの心境で見守り、コールを続けた。
そして激しい攻防の中、少しずつ変化が見えてきた。
鹿島の選手たちの集中力が落ちてきた様子を、私は感じ取ることができた。
「攻め疲れ」もあっただろう。しかし思いのほか水曜日のACLでの疲労が見え隠れ。そしてもうひとつ、昨季の天皇杯決勝でシーズンを終えた彼らのオフは短かったことを考慮すれば、ここに来てその隠れた疲労の蓄積が響いてきているようだった。

無事に時間が過ぎてゆき、いよいよ終盤、エジミウソンOUT坪井IN。
すると、守備の枚数が増えた安心感からなのだろうか、心なしか全体的に選手が「前向き」に見えてきた。暢久も後方は坪井に任せたかのように、若干位置をあげたように見えた。
多分、永井が後方から長い距離を追いかけて大岩のバックパスを強奪できたのも、守備の補強(坪井の投入)と無縁では無いかも知れない。あの時間帯、しかもロスタイムであれば、縦パス1本でも出ない限りは攻撃の選手も可能な限りフォアチェック程度ででも守備に回るもの。あれだけ押し込まれた状況ならなおさらである。しかし自分の後方を不安視せず相手のバックパスに閃きを感じて前方に飛び出せた永井、、、考えすぎかも知れないが、その心の余裕を生んだものは・・・と考えた次第。やはり考え過ぎか?(笑)
「優勝できるチームに行きたい」と、浦和を「袖にした」因縁の大岩からのアシストを思いがけなく頂戴し、最後の障害・曽ヶ端を交わし、無人のゴールにガッツポーズでボールを流し込むおまけまで付いて、追加点。そしてほどなく試合終了。

080413kashima6 鹿島は、サポーターも、そしてピッチ上の選手たちも「自滅」した形での敗戦となった。
対する浦和は、課題山積でも快い勝利となり、鹿島にとってはのちのちのダメージにもなりかねない敗戦となったのではないだろうか。
リーグを制し、天皇杯を獲り、ゼロ杯をこなしたうえにリーグとACLを戦い、A3に参加し、そして代表招集に応ずる・・・これがこの国の王者に課せられた義務であり、これらをすべて果たしていかなければならない。それらの義務を果たさずして、シーズン前から軽々に「アジア制覇」などと口にして欲しくないものである。
今後、鹿島は昨年浦和が歩んだ道を経験し、どんな成果を見せてくれるのだろうか。

080413kashima7さて、闘莉王の攻撃参加について、少し触れておきたい。
なまじ攻撃的センスがあり自身も攻撃好きであることが、プレーを中途半端にしてしまっているように私には思えてならない。ほぼ担当経験のない持ち場で、「主担当」として充分に機能を発揮しきれるかと言えば・・・学生サッカーならまだしも、プロサッカーの世界はそれほど甘くないわけで、早々に未熟さを思い知らされることになる。「闘莉王MF(FW)戦術」をこの2週間ほど観察しながら、この目的は、ひとつはチーム再建のため早急な攻撃力アップを目指した苦肉の策であること、もうひとつは闘莉王自身へ自己の役割を自覚させるための監督の教育的指導の一環であること、と思えてきた。あくまで憶測だけれども。どちらも言い当ててはいないだろうが、“臨時”の戦術であることは確かだと思う。けれど期間限定であれば、それはそれで「作戦」ではある。
正直な話、「たまになら」攻撃的ポジションの闘莉王は見てみたいとは思うし(笑)
ただし、“がけっぷち守備”とも言える「闘莉王門番戦術」には一層の改良を求めたい。

080413kashima9 「勝負は紙一重」を表現したかのような今節。相手に内容を圧倒され、相当危なげな内容の試合でも勝利をおさめられたことは成果として充分評価できるものであり、対戦相手が14連勝中の鹿島だったことは、シーズン序盤で失いかけた自身と誇りを取り戻す大きなきっかけにもなりうるものであると思う。確かにまだまだ課題は多い・・・いや山積みと言ってもいい。しかし前半無失点であったことや完封勝利であったことなど、少しずつでもチーム改善の成果が目に見える形で表れていることは、素直に喜びたい。

新潟戦でのリーグ初勝利の際、選手たちは口にした。
「勝つことは、大変」だと。
さらに、「勝ち続けることは、大変」だと。
さあ、自信は取り戻した。
荒療治ではあったけれど、勝負の原点に立ち返れたことを幸いとして、これからひとつひとつ、2008年の浦和のサッカーを積み重ねていこう。

【2008 J第6節 4月13日(日)16:04 KICK OFF】
          浦和 2-0 鹿島

会場:埼玉スタジアム 観衆:54,450人 天候:小雨    
得点者:[49分]永井雄一郎(浦和)
     [89分]永井雄一郎(浦和)
交代:[HT]高原直泰→永井雄一郎、[70分]細貝萌→梅崎司、
    [88分]エジミウソン→坪井慶介(浦和)
        [76分]本山雅志→増田誓志、[86分]伊野波雅彦→興梠慎三、
    [89分]新井場徹→中後雅喜(鹿島)
警告:[46分]堤俊輔、[80分]鈴木啓太(浦和)
    [7分]岩政大樹、[7分]大岩剛(鹿島)
退場:なし
主審:岡田正義

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コメント

お疲れ様でした。

結局は「何が何でも勝つ」と考えてそれを実行した、総力戦の勝利だったのだと思います。
北も南もメインもバックも埋めたサポーターの声はこれまでに無くよく響いていましたし、それを受けた選手もよく動いていたと思います。

闘莉王のMF起用については、選手の意識を活性化する起爆剤みたいなもので、その意味では成功だと思います。ゲルトもこれは一時的なものであることは十分分かっているでしょう。あと少しで、前線からプレスをかけまくる、すばしこいFWが戻ってくるようですし、続いて、「本職」の攻撃的MFも帰ってくるわけですから。

投稿: sat | 2008/04/15 13:50

勝ちに不思議の勝ちあり負けに不思議の負けなし…、の典型的な試合でしたね。まっ、鹿さんにとっては不思議の負けなのでしょうが…。いや、理屈はとにかく勝ったことがとにかくうれしい。

寒さも風邪も、永井さまの、あの2点目でどこかに飛んで行きました。あたしゃー、キーパーを交わしたとたんに飛びあがって喜んでましたもんね。長生きしててよかった(アハ)。


投稿: なごやのじーじ | 2008/04/15 23:17

ご無沙汰です。

一応…突っ込ませていただきます。

08【AWAY】第6節@鹿島戦→08【HOME】第6節@鹿島戦
ですよねcoldsweats01

投稿: りおれつと | 2008/04/15 23:33

@satさま
お疲れ様でしたm(_ _)m
何が何でも「アイツには絶対に勝ちたい」と思う気持ちは、勝負事の原点ですよね。そういう「総力戦」ともなれば、浦和の得意とするところですから、ね。現場に響く声、私もビンビン感じていました。久々の気合いの入った応援で心地よかったです。
闘莉王のことは、仰るとおりだと思います。あとは皆が「本職」に戻って、本来の力を発揮してくれる日を楽しみにしています。それだけでもかなり戦力の上積みになりますから。

@なごやのじーじさま

>勝ちに不思議の勝ちあり負けに不思議の負けなし…、
じーじさんが常日頃書かれていること、そのままの試合でした。浦和の不思議には「執念」が叶えた奇跡が、鹿島の不思議には「不覚」が引き起こした必然だと思いました。

永井が曽ヶ端を交わした件のお話ですが、よそ様でその詳細は拝見いたしましたよ(笑)

@りおれつとさま
お久しぶりでございます m(_ _)m

>08【AWAY】第6節@鹿島戦→08【HOME】第6節@鹿島戦

全然気付きませんでした(笑)。ATOK(辞書)の予測変換機能で出た第1変換候補をそのまま確定した記憶が・・・
ご指摘、ありがとうございましたm(_ _)m
早速訂正いたしました。助かりました。

投稿: nigoe | 2008/04/15 23:58

鹿の連携の良さは、流石でした。だてに14連勝はしてないです。現時点でのチームの成熟度は、悔しいけれど鹿のほうが大分上だと思わされました。
でも、必ずしもその上下関係が勝利に直結しないところが、フッチボーの怖さ・面白さです。気持ちの強さと運でひっくり返っちゃうんですから。
ダメーロ、鹿の戦術に合ってきましたね。キープ力・ボールコントロールは、流石です。でも、あのスピードでは、しょせん1.5流にもいってない。ポンテとは比較にならない、まあ、野沢、本山当たりの控え、中後よりまし、といった程度でしょう。
J1次節で、脚がちゃっかりレッズのおこぼれ、鹿の自滅で勝ち点3を取っちゃうのは、なんとも納得できないですが、しょうがないですね。せめて、引き分けてくれぇ~。

投稿: たまのり | 2008/04/15 23:59

@たまのりさま
コメント1分入れ違い(笑)
鹿はやはり、どんな時代になろうとも立ちはだかる『壁』ですね。戦術の成熟度は正直、あちらが上でした。これは認めざるを得ません。
ただし、「内容」と「結果」は異なるもの、という顕著な事例となった今回の一戦となりました。勝負はまさに紙一重、、、恐ろしいですね。
なお、ロビー様は、Jリーグでは「規格外」の選手かと。
ある意味「存在が反則」ってもんでしょうか(笑)

投稿: nigoe | 2008/04/16 00:37

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