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2007/11/16

07ACL決勝【HOME】セパハン戦

071114sepahan1終了を告げるホイッスルの音が響いた瞬間、笑顔がはじけた。
準決勝では、あんなに滂沱して泣き崩れたのに、、、なぜだろう。
どこかの時点で、“夢”が“確信”に変わったのだろうか。
今も、わからない。

掴んだ、アジア。もう離さない、離したくない。

今年の『埼玉県民の日』は、その歴史に残る特別な日となった。

 

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071114sepahan3 美園の駅から、赤い。歩道も赤い。スタジアムも赤い。昨年、G大阪との雌雄を決したあの日を彷彿とさせながら、しかしそれ以上の『想い』が込められた“赤き戦場”が紺碧の空に映える。
そして平日の真昼というのに、信じがたいほどの人・人・人の波。県民の日とあって子どもたちの姿も多い。いつもの数倍の人数が並んだ抽選列。当然時間も長々と要した。抽選の途中でクジが無くなり継ぎ足される異常事態。初めて見たクジの数字に正直呆れると同時に、いつもと071114sepahan4違う「見えないパワー」を肌で感じる。「今日は違う」と。

場内も平日とは思えない密度。すでに北サイドスタンドは満席。どこかの番号を境に、抽選は無意味なものになっていたようだった。
自分も含めた仲間6名の闘う場所は、3つの座席と階段3段。仕方なし。しかしそれでも場所はある。その場所さえも与えられず、さらに入場も参戦も叶わないサポが数多くいることを考えれば、この場が与えられただけでも幸せというもの。この厳しき状況で、不思議とモチベーションが高まった。

071114sepahan6 見知った顔に合うたびに言葉を交わす。仲間の到着に応対する。充実した時間は刻々と足早に過ぎていく。選手登場、選手紹介・・・浦和は前節・川崎戦と同じスタメン。達也の先発はなく、「せめてベンチ入りだけでも」と願った暢久の名も告げられず。対するセパハンも、第1戦の際の途中交代(ケガ?)の影響か、エース・カリミがベンチスタート。
運命の時はやってきた。隣り合う同志で手を繋ぎ、拳を天に突き071114sepahan8上げる。言葉にせずとも、『特別な試合』であることは誰もが承知。押しつぶされそうでいて、しかし快い緊張感が私たちを包む。もう後戻りはできない、前に踏み出すしかない、そんな覚悟にも似た決意の“力”が、スタジアムにいる全ての人々の背中を、押した。

闘いの口火は切って落とされた。耳をつんざくほどの咆吼。鼓膜が痛いほどに震えた。跳ねる、拳を突き上げる、手を叩く・・・闘う選手たちに、私たちができることはそんなこと。しかし、そんなことでも、何かの役に立つかも知れない・・・そう願いながら声を張り上げ続ける、それが浦和のサポーターというもの。

071114sepahan7 心配された浦和の選手たちの疲労だったが、序盤から積極的に攻めの姿勢で打って出た。豊富な運動量でピッチを駆け回る選手たちのパワー・・・“頂点”の一歩手前まで来たけれど、負ければ奈落の底、全て失う「この一戦」への闘争心が、アドレナリンを増幅させているかのような浦和の選手たちの形相。これまでの連戦による疲労を考えると、信じ難いほどのハードワークを展開している。ずっと感じていたのだが、リーグ戦よりもACLでの闘いにおける選手の動きのほうが素晴らしい今年の浦和。リーグ戦では堅実に、ACLでは堅実さにあわせ、挑戦者らしい冒険心を加えた闘い方、というように、戦術を使い分けているように見える。
そんな動きまわる浦和の選手の球際へ向かって、的確に狙い澄ましてボールを盗むセパハンの選手たち。決勝戦に相応しい、緊張感あふれる“つばぜり合い”のような勝負。しかし、私たちも固唾を飲んでいる暇はない。懸命に自分たちができることを、それぞれ与えられた場所で必死にやるのだ、、、選手たちと同じように。

071114sepahan9 「守備のチーム」と前評判のあったセパハンだったが、それは事実だと思う。確かに守備は固い。特に中盤から最終ラインまでの防御網は強い。相手ボールの際の読みと狙いが鋭い上に、判断が遅れても球際の強さでボールを奪ってきた。しかしことここ(決勝戦)に至り、仕舞い込んでいた牙を剥きだした格好だろうか、積極的に最終ラインをあげ中盤をコンパクトにして浦和陣営ににじり寄ろうとする。ボールを奪っては前線へ素早くパスを供給する典型的カウンターではあるものの、スピードは驚異。第1戦同様、浦和の裏のスペースを執拗に狙っていた。しかし・・・試合全体を通して、攻撃の精度の低さと、第1戦の展開から学んだ浦和4バックの布陣が奏功し、セパハン側の速攻に瞠目するほどの危険さは感じなかった。

かたや浦和は、パスミスや押し込まれてCKに持ち込まれる事態はあっても、どこか落ち着きが感じられた。シュートの質も、セパハンと比較して可能性のあるものがであったし、全体が申し合わせたように連動して動いているように見えた。ただ時折今年の癖か、中盤が最終ラインに吸収され、その前にできたスペースを狙われる。前線と中盤の距離が遠く、攻撃に時間がかかる。しかし、それも今年の浦和のデフォルトと思えば見慣れた光景であり、ここまでの実績を考えれば、妙な話だが、安心感があった。
だが、やはり引いてしまっては攻撃に時間と手間がかかる。さらに網をかけたようなセパハンの守備に手を焼く事態になろうとも、浦和は根気よくパスを繋いでセパハン包囲網をこじ開けていくしかない。

その努力は、実った。
ロビーの前線へのパスをセパハンDFがクリアミス。オフサイド限界に走り込んでいた永井にボールは渡り、豪快な右足一閃の弾道は、まるで「導かれるように」軌跡を描きながらゴール左隅に突き刺さった。まさに浦和の9番が「こじ開けた」先制点。ゴールが決まった嬉しさ以上に、永井から漲った勝利への“強い意志”に、魂が震える思いがした。
カウンターパンチで相手に大打撃を与えた、威力充分な先制点。理想的な形で前半終了。

うまくいきすぎて逆に不安がよぎったが、そこは「連戦連敗の過去」を背負った浦和サポの“性”。思い起こせば、通算成績をようやく五分にしたのもつい最近の話。そんなチームなのだ。その事実を自覚したほうが、最後まで油断せずに闘えるというもの。敗戦にまみれた歴史を無駄にしないためにも。

後半の笛が、吹かれた。
長かったACLの闘いも、いよいよあと数十分ですべての結果が出る。すでに声が裏返ってしまったサポーターの咆吼が、そこかしこから聞こえる。これまでの激戦を乗り越えて、最後の声を振り絞る“漢”たち。最後まで、やるしかない。

もう後がないセパハンは、後半立ち上がりから猛攻を仕掛けてくる。時折「疲労の影」も見え隠れする浦和の選手たち。だが、決して「受けて」はいなかった。押し込まれつつも攻めの姿勢を見せ続ける。イスファハンでの最後の5分間に見せた『連動性』の再現。一進一退、肉体と神経をそぎ落としあうかのような攻防に鳥肌が立った。
「すごい・・・すごい・・・すごい闘いだ・・・」
思わずつぶやかずにはいられなかった。これまで遠い世界の話だと思っていたACL・・・それも決勝の舞台。これほど胸焦がれるほどに、激しく、熱く、恐ろしく、心酔わせるものだったとは。闘争心の極限には、陶酔の世界が待っていた。かつて鹿島や横浜やG大阪に先取りされてきた世界だったが、この“禁断の果実”の味を知ってしまったからには、もう他の誰にも渡したくない---そう思った時、地から足が離れるような、魂が宙に浮くような感覚に襲われた。まるで“ランナーズ・ハイ”のように。

その感覚は、選手にも乗り移っていたのだろうか。

「自分でも、何であそこにいたのかわからない-----
サイドにいるとサポーターの声がより大きく聞こえる。それが背中を押してくれて、得点につながったのかもしれない」
                        (浦和:阿部、試合後のコメント)

071114sepahan10 闘莉王クロス→ワ級ポスト→永井GK強襲シュート→GKクリアボールを阿部HS。
関わった選手が同じ画を描いていた、連動性に満ちた素晴らしいゴールシーン。この一連のプレーは、浦和の優位性をセパハンに思い知らせ、確固たらしめるに充分なものであった。

この先のことは、、、あまり覚えていない。甘美な陶酔の世界を彷徨っているような浮遊感に包まれているようだった。
ただ、守勢に回っていても、浦和の選手たちは落ち着き払って、集中力を切らさずプレーをしていたのは覚えている。数分後、途中投入されたカリミが抜け出しゴールネットを揺らす直前、堀之内がしきりにカリミと闘莉王の位置を確認する動作が遠目からもわかった。カリミにパスが出される刹那、スッと前に出た闘莉王と堀之内。憎らしいほど落ち着いたプレー。カリミが抜けてシュートを決めたが、私はすぐさま「旗!旗!」と声を出し、メイン側副審の姿を指すことができた。自分も必死なはずなのに、なぜかそのシーンだけは冷静に「見えて」いた。何故だろう、今でもわからない。
そこから、夢の時間が終わりを告げるのに、それほど時間を要さなかった。
浦和CKの場面で主審の両手が上がり、澄んだ笛の音が鳴り響く-----。

071114sepahan11アジアにおける、すべての闘いが終わった。
完勝。そして、優勝。
準決勝を終えた直後、「まさかこんな遠く高いところまで来るとは・・・」と、昔を思えば信じられないほどのチームの成長に感慨し泣きじゃくっていた。優勝したら壊れるほどに泣くだろう、、、そう思っていたが、意外にも、私の表情は笑顔ではじけた。仲間内では「必要以上に泣くヤツ」とからかわれる私が、笑顔で喜びの瞬間を迎えたのだから、周囲の驚きも相当なものだったに違いない(笑)。
浦和の選手たちがアジアを突き抜けたように、もしかしたら、私も自分自身を「突き抜けた」のかも知れない。。。

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夢心地のなかで、華やかな宴の時は過ぎていく。
再びバックスタンドに浮かび上がる巨星。「URAWA RED DIAMONDS №1!」を高らかに唄う。功績を讃えられた選手たちへ惜しみない拍手が送られる。

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見たこともない、幻想的な世界。漆黒の夜空に舞う銀の紙吹雪・・・この歓喜の時が過ぎるのを惜しむようにゆっくりと、選手へ、クラブスタッフへと降り注ぐ。
時を止めることができるなら、、、と心からそう思った瞬間。至福の時。

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啓太から暢久へ、トロフィーが渡された。
ケガさえなければ・・・暢久そして伸二の無念は計り知れなかっただろう。しかしその無念の思いを全身で受け止めた仲間たちは、『優勝』という大きな果実を掴み取ってくれた。
啓太に促されて、主将として再度トロフィーを頭上に掲げた暢久。負傷のため志半ばで倒れた選手も、出番の無かった選手も、スタッフも、サポーターも・・・すべての力を結集して掴んだ栄冠であることが、このシーンに凝縮されていた。感無量。
 #しかし・・・さすがにそれは喰えんのだよ、暢久(笑)

071114sepahan16 延々と続くチャント、コール。
「マリッチが出てくるまで」と、はしゃぐリーダー。マリッチ・コールが果てしなくスタンドをこだまする中、私は仲間と固い握手を交わし、笑顔でスタジアムを後にした。

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スタジアムの外の世界は、すでに祝賀ムードにあふれていた。
幸せに包まれた浦和の街に足を運びたい気持ちもあったが、まだ「もうひとつの闘い」は続いている。そして夜が明ければ自分たちの日常の闘いが待っている。ここは喜びを噛みしめて、「もうひとつの栄冠」を掴み取るその時まで、心を解き放つのを楽しみに待つことにしたい。071117acl

 

  

 おめでとう、浦和レッズ。

 おめでとう、浦和サポーター。

  待ってろ、世界!

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追記:
被写体の方、ご一報いただければ、
右写真、謹呈いたします(笑)

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浦和レッズ」カテゴリの記事

コメント

おめでとうございます。
クールな永井の咆哮が印象的でした。
録画した試合を何度も見ては、感涙するばかり。
山田1号はいませんでしたが、しっかりエンドロールに特別出演しておりましたね。

セパハンの黄色、浦和の赤、ピッチの緑、都築の青、綺麗な色彩に祝福された試合でした。
本当に、本当に、サポーターに愛されているチームだと思います。

投稿: 行田住人 | 2007/11/21 22:11

バックスタンドに大きな星を描くこと、
それは、マリッチと共に闘った2006年元旦の再現であることを聞いたとき、考えていることは皆一緒だと思いました。

北や南と違って、決して出足が速くはなかったバックスタンド。しかし、欠けることなく大きな星が出現したとき、
胸が熱くなると共に、この日の勝利を確信しました。
いや、俺たちの力で勝つのだ、と思いました。

3日後、また、同じように、私達の意思が試されます。

投稿: sat | 2007/11/21 22:13

nigoeさまのコメントで、感動再び…。

風邪っぴきのジージはバックアッパー、☆の右肩あたりでの参戦。このチームの9番には、いつも叱咤(激励)の声援を送るのですが、するとなぜか得点!わからない選手だ…。この先制で優勝を確信、阿部ちゃんの得点には、もうウルウル。あとはなにも覚えていません。

気がつけば浦和のホテルの小部屋…。
翌日昼頃の東京駅(新幹線)のスポーツ紙が、東スポのぞいて売り切れでしたね。見出しに〝ご祝儀1千億〟とあったのでご機嫌で買ったら、広告効果…、だって!なんじゃこら。
同じ電車に、もうひとりウィアーさんがいらっしゃいました。恐るべしレッズサポ!

投稿: なごやのじーじ | 2007/11/22 17:20

@行田住人さま
おめでとうございます。

>>録画した試合を何度も見ては、感涙するばかり。
永井のゴールには、“魂”が乗り移っていたと確信しました。本当に意志の強さを感じた素晴らしいゴールでした。
やはり彼は生来の「何か」を持っているのでしょう。そういう星の下に生まれたんでしょうね。勝利の女神様は「イケメン好き」だったことが判明した次第です(笑)

>>山田1号はいませんでしたが、しっかりエンドロールに特別出演しておりましたね。
啓太の時も感動しましたが、「山田1号@故障中」がトロフィーを掲げた時は、ACLに関わったすべての人々の勝利であることが、しみじみ伝わりました。ぐすん。

@satさま

>>マリッチと共に闘った2006年元旦の再現
彼の残してくれた“魂”を、見事に昇華することができた充実感で感激しました。それもやはり、チームも選手もサポーターも、互いに「愛する心」があってこそ成し遂げられるものだと、今回の経験で実感しました。
浦和レッズというチームには、本当に多くの「愛情」を教えられます。

>>3日後、また、同じように、私達の意思が試されます。
神様が私たちを試されるというのなら、「神様に負けない愛情」をレッズに注ぎましょう。

@なごやのじーじさま
お体の加減はいかがでしょうか? どうぞお大事に・・・。

>>見出しに〝ご祝儀1千億〟
ワタシも、その見出しに釣られて買いました(笑)。
しかし、記事の内容では「タカ&トシ 浦和出入り禁止」の記事が他紙になかった内容で面白かったです(^^;

>>同じ電車に、もうひとりウィアーさんがいらっしゃいました。
おそらく、あちら様もそう思われていたのでは・・・(笑)
“うぃあー”さんには、「旅好き」「鉄好き」「ドライブ好き」「プロレス好き」「仕事嫌い」(笑)の傾向がありますね。遠方サポの方は特に、「プロレス」「仕事嫌い」以外の要件に、知らず知らずのうちに該当されているのではないでしょうか。
遠方からのご参戦、いつもいつも頭が下がりますm(_ _)m
何卒、道中お気を付けて。

投稿: nigoe | 2007/11/22 18:23

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