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2007/11/08

07ACL決勝【AWAY】セパハン戦

完全敵地。

ピッチコンディション、酸素の薄い空気、乾燥、ノドの渇き、宗教の違い、時計のない会場・・・
暢久も闘莉王も伸二もいない。万全なコンディションの選手なんていない。
身の危険の可能性を覚悟してでも現地に駆けつけたサポーターたちの熱意と真心に応えたい、と歯を食いしばって逆境を闘う選手たち。多くの人々の想いを身に浴びながら、必死に結果を求めて、体を張って最小限の良き成果を手中にできた・・・この試合を指して「内容が悪い」「つまらない」などと評する人もいるだろうが、そう仰る方は欧州サッカーや数年前の磐田のビデオでも毎日観て満足していただければ結構かと。
国内で見守る私たちは、私たちの愛する浦和レッズと浦和レッズを支える仲間たちが、厳しい現地環境のなかで闘う姿に感銘し、ただひたすら勝利を祈ることしかできない。しかし、現地で闘う選手や仲間たちの健闘を讃えることができることを喜びに、そして誇りに思う。例えば、徒競走で顔をゆがめながらも懸命に走る我が子に対し、「変な顔で走って笑っちゃった」なんて言えるだろうか。「よくがんばったね」と褒め讃え、抱きしめたり頭をなでてやりたいと思う、そんな自然な愛情に似ている。
形なんて、どうでもいい。
過酷な現実には、結果がすべて。それが決勝戦。

071107sepahan1 私のこの日の闘いは、ここから始まった。とにかく試合前までに帰宅し、自宅TVの前でスタンバイすることが私にとっての最低限の参戦条件だった。旅程は順調に運び、無事参戦叶う。自宅TVの放送開始間もなく映し出されるスタンドの仲間たち。黒い布を頭に被った女性たちの姿が確認でき、入場を許されたことがわかり、安心。性別の違いで扱いに差が出てしまう風習や宗教や国柄があることについては私もある程度の知識と理解は持っているけれど、それにも程度というものがあると思う。生まれながらの条件に不公平感を生み出すそんな「掟」のようなものには、女としては理不尽さを感じざるを得ない。余談だが、私の故郷は“男尊女卑”精神の代表地のように表向きには呼ばれるものの、実態は女性が強大な実権を握っている。「看板に偽りあり」(笑)。タテマエとホンネの違う、「自由な矛盾」と「面白さ」があるこの国が、私は好きだ。

郷に入れば郷に従え。
しかし。
頭は覆い隠せても、ほとばしる情熱は隠せない。イスファハンの空にこだまする、われらが精鋭の逞しき声。現地に行けない国内組の想いも一緒にのせてくれたような力強い歌声が、電波を通して彼の地から伝わってくる。もっと感情移入して言えば、自分たちの想いが現地組の声となって跳ね返って届いた・・・勝手な思い上がりだけれど、そんな気がした。

抑えきれない心の高揚感は、キックオフの笛と共に解き放たれた。
開始直後は、やや慎重そうに対処しているように見えた浦和の選手の動きだったが、数分経過すると、どうやら選手たちが「意図的」にそうしているのではなく、「やむを得ず」そうしているような、そんな様子が見て取れた。
明らかに、おかしかった。
何人かの選手が語ったように、「ノドの渇き」「空気の薄さ」は予想以上に早く選手に襲いかかってきたようだった。そしてぎこちないボール扱い・・・想像以上にピッチコンディションは影響を与えていたようだった。浦和の選手にはボールがうまくおさまらない。それを嘲笑うかのように、まるでボールに磁石でもついているかのようにトラップをおさめるセパハンの選手たち。特に長谷部は苦しかったのか、ボールチェックのための「あと一歩」が出ないうえに、球際で奪われたボールへのあきらめも早い。ボールを保持しては標的にされるようにセパハンの選手が奪いに来る、倒される。。。
また、スタメンの変更も多少の影響はあったのかも知れない。「右サイド阿部」の実況を聞いた時は、「永井の後方支援だろう・・・」くらいに思っていたものの、さにあらず。暢久のポジションを踏襲するのではなく、ほぼDFに吸収される態勢(4バック気味)。右サイド前面に生じるスペースには、時折啓太がタッチラインまで出張してきた。ルーズになる中盤、間延びする前線とDFラインの距離・・・さらに、セパハンの素早い攻守の切り替えと正確なパスワーク、当たりの強さに、苦しい展開を余儀なくされる浦和。
しかし、“辛抱強さ”は今年の浦和の戦術のひとつ。サイドチェンジを繰り返しながら、左サイドに活路を見いだした。平川の突破→永井HSを皮切りに、永井のミドルSと砲撃したのが奏功したのか、前半終了前に、ロビーの無回転ミドルがファインゴールとなった。

良い時間帯に得点し、理想的な形で前半を折り返した浦和だったが、、、
さすがは決勝戦、敵も然る者。
セパハンは、前半攻め立てられた自軍右サイドの手当を敢行(堀之内コメント参照)。1度に2人の選手交代にも効果があったのか、慎重になって自陣深く下がってしまった平川の前のスペースを利用され、中央へのパスを供給されてしまった。防御に来た阿部の足が滑ってしまったのは不運としか言いようが無く、1度はポストに助けられたものの、次の瞬間にはゴールマウスも味方してくれなかった。前半から攻め立てられたものの、相手のフィニッシュの精度の低さに助けられ辛うじて失点を防いではきたが、ゴール前ど真ん中フリーの選手の前にボールが転がってきたのでは万事休す。やはりアジアは甘くない。
その時点から後半40分くらいまでは、文字通り「祈るしかない」展開。同点に追いつき勢いづいたセパハン。前半、攻撃の起点となった平川はそのまま押し込まれてしまい、浦和は好むと好まざるとに関わらず劣勢を強いられた。高さ対策から守備にも貢献していた永井やワシントンも、前半にも増して自陣に戻り守備に奔走。しかしいざマイボールにするも、そこからの時間と距離が長く・・・なかなか前線へ戻ったワシントンまでボールが届かない。届いても足下を狙われる。ボールを奪われてはカウンターを浴びる。固くスピーディな試合展開、襲いかかる気候条件に、心身ともに消耗も激しさを増してきているのが、画面を通じてもよく見て取れた。

だが。
そんな浦和を、都築を、ゴールマウスの神様はお見捨てにならなかった。目を覆いたくなるような危険なシュートにも、どこ吹く風でボールを見送ってくださった。数あるチャンスを決めきれなかったセパハンは勝手に調子でも崩してくれたのか、あるいは浦和の粘りが報われたのか、、、後半40分くらいから、浦和は前線からのプレスが効きはじめ、高い位置でのボール奪取にことごとく成功するように。どうやらセパハンの選手も、この頃から足が止まりだした様子。そこを見計らっての浦和の計画的逆襲なのか、あるいは時間帯を考えた総攻撃態勢だったのかはわからないが、最後の数分間の浦和の頭脳的で活力ある攻撃に、私は大きな期待を持つことができた。決して“受け身”を続けるのではなく、機を見て戦術を変える力を持っているのだ、決して劣勢に無策ではないのだ、と。もし、今日引き分けても、次戦に向けて、実力の片鱗を見せてくれたような、そんな思いがした。
相手の攻撃を受け止め、辛抱強く耐え忍び、虎視眈々と機をうかがい相手を追い詰める・・・まるで、勧善懲悪ドラマのように、悪人には時間ギリギリの状態まで悪事の限りを尽くさせておいて、最後に颯爽と現れて悪人どもを懲らしめるヒーローのような、そんな感じ(笑)。

浦和レッズ。なんて大人のチームに成長したのだろう。
価値ある、アウェイゴール1点奪取のドロー。解釈によっては、次戦0-0勝利のアドバンテージしかないとも言えるし、その意味では城南戦以上の苦境とも言えるかも知れない。
だが、浦和はまだ何も手にしていないが、何も失ってもいない。
勝てばいいのだ。

最後の1試合に勝てば優勝できる・・・『180分1本勝負』の意味をより鮮明にしてくれた結果となり、逆に余計な悩みも無くなったというもの。

2007act_banner2_2あとひと試合、最後の試合。
必ず、必ず、勝ちましょう。
がんばりましょう。

 

イスファハンに行かれた皆さま、本当にお疲れ様&ありがとうございました。
しかし・・・西鉄ツアーの皆さまにおかれましては、大変な事態となり、ただただ心配です。
一刻も早く、皆さま全員が無事に帰国できますよう、心より祈っております。
そして、等々力で、お会いいたしましょう。

 

追記その1:
『セパハン』と聞いて、“鉄馬乗り”な皆さまにおかれましては、微妙に反応されたことでしょう。
 つ『セパレートハンドル』(笑)

追記その2:
BS朝日の画面は、自宅TVが旧型ブラウン管のため、横方向が圧縮され、通常でも縦長に見えるのですが、昨日はさらに縦長に見え、「このピッチ、正方形?」と気になっていたのですが、、、どうやら変形ピッチだったみたいですね。
一瞬、TVを買い換えようかと焦りました(^^;

071107sepahan2追記その3:
そのTVに映し出された番組終了前の映像。
エンドロールのような字幕が流れ出したので、
「そうか、今までのは映画か?」
ボケ勘違いさせてもらいました。

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コメント

羽田で見送ったSNSのマイサポさんは、
先ほど無事に成田に着いた、と日記を上げてくれました。
他の皆さんもどうか無事に着きますように(-人-)

そして、来週、私たちの手で歴史を作りましょう。

投稿: sat | 2007/11/08 21:10

お帰りなさいませ m(__)m

まず、報告させていただきます。明日から南の島に…、はさておいて、3日のチケット戦争には北の彼方より、PC・TEL・携帯にて参戦いたしましたがあえなく討死!しかしながら善意のご寄贈にて参戦がかなうことになりました。

高地での戦いは選手の心臓にも悪かったと思いますが、ジージの心臓にもわるうございました。でも、勝ち点というカンフル注射のおかげ生き返りました。このお返しは14日に「声」にていたしたいと思います。

投稿: なごやのじーじ | 2007/11/08 21:43

無事戻りました。

おいおいぼちぼち日記を書こうと思います。

一点だけ、、、、
あそこのピッチは『ましかく』です!
ゆがみのない生で見たので間違いありません!

放映には入っているかどうかわからないのですが、
個人的に、最大のネタは、
突如、ずんちゃっちゃ、ずんちゃっ、
という民謡調のイントロで始まるセパハンの応援歌・・・・
歌詞も何にもわかりませんが、印象的なメロディと歌い出しがいまだに頭を離れません・・・
(埼スタでもやってくれるかしら・・・)

投稿: えりぴょん | 2007/11/08 23:53

@satさま
SNSのマイサポさん、下記ご報告頂戴いたしました。
そして嬉しいことに、無事全員戻ってきたようですね。
つttp://www.urawa-reds.co.jp/tools/page_store/news_3557.html
けさの成田には、社長も出迎えてくれたとか・・・
この啓太のメッセージといい、社長と言い、現地に駆けつけたサポと言い、、、最近は涙腺が緩みっぱなしです。(つ;д`)

@なごやのじーじさま
チケット無事確保できて、良かったですね。
14日は、心臓が飛び出すくらいの緊張感いっぱいの闘いになると覚悟しておりますが、私たちの「声」で、セパハンの選手を潰してやりましょう!
勝つのは、私たちです。

@えりぴょんさま
m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m
お帰りなさいませ。本当にホントにお疲れ様でした。
画面を通しても、現地での素晴らしいサポートは充分すぎるほど伝わってきましたよ!TVを観ながら泣けてきました。
あなたがたは私たちの誇りです。本当にありがとうございました!
せめて明日は、ゆっくりと体を休めてくださいね。

>>あそこのピッチは『ましかく』です!
おお、やはりそうでしたか。
ウチのTVも、いよいよ「焼きが回った」と錯覚しました。でも「テレビデオ」はもう古いですね(笑)

>>民謡調のイントロで始まるセパハンの応援歌・・・・
そういえば、試合後のオジェックのインタビュー時にも、“we are REDS”の声に被せるように、日本の民謡のような場内音楽が流れてきましたっけ。まるで東京音頭のような、、、♪空耳アワ~(゜∀゜)b

遠征日記、楽しみに待ってますね(^o^)/

投稿: nigoe | 2007/11/09 20:09

お久しぶりです。
行田住人は某商社に勤めておりますが、今年は異常に忙しくて、試合観戦も出来ておりません。
レッズの試合結果が気になって、気になって。
海外出張もレッズのスケジュールを外すようにしておりますが、それも限界があります。
とはいえ、あと少しの願いと祈りと信じる心がACLチャンピオンに通ずるのですね。
イランの彼の地まで行った熱きサポの姿にはナミダが止まりませんでした。
14日は多分ニューヨークにいるかと思いますが、山田1号に期待します。

投稿: 行田住人 | 2007/11/10 00:48

@行田住人さま
お久しぶりです。お元気でお過ごしでしたでしょうか?
お忙しい中、コメントをお寄せいただき、ありがとうございました。

>14日は多分ニューヨークにいるかと思いますが、山田1号に期待します。
金曜日のGGR、すでにウォーキングを始めた暢久の姿が映っていました。さすが鉄人、驚異の回復力!!!
14日は、せめてベンチに入れてもらって、ぜひ彼がカップを掲げる姿を見たいものです(ノ;д`)
埼スタで参戦できないとは、とても残念ですが、遠いアメリカの空の下から、どうぞ選手たちに熱いエールをお送り下さい(試合中継は、海外にも配信されるそうですから)。きっと思いは届きますよ。

投稿: nigoe | 2007/11/11 08:23

行ってきました、イスファハ~ン。楽しかったです。
イラン良いトコでした。イラン航空は時間にルーズで弱りましたが。

川崎の時の教訓を生かしてか、各方面が入念な準備をしてくださったようで、スタジアムでも不自由は感じませんでした。唯一、乾燥がひどくてのどがヒリヒリしたくらいです。

あとは14日埼スタでの勝利を残すのみです。

投稿: あん | 2007/11/12 14:26

@あんさま
えりぴょんさん同様、
m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m
お帰りなさいませ。本当にホントにお疲れ様でした。
SNSで参戦されることは存じておりましたが、無事に帰国されて安心いたしました。
あなたがたは、私たちの誇りです。本当に素晴らしいサポートをありがとうございました!

>>唯一、乾燥がひどくてのどがヒリヒリしたくらいです。
そうですか、それほどの乾燥気候に選手もサポーターも耐えて闘ってくれたのですね。これを聞いてまた目頭が・・・(つ;д`)

あとひとつ、力を合わせて勝ちましょう!
「掴もう、アジア。」

投稿: nigoe | 2007/11/13 13:02

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