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2007/05/25

07ACL【HOME】シドニーFC戦

私たちを、未知なる世界へ連れて行ってくれてありがとう。
アジアの果てまでついて行こう・・・たとえ行けなくても、魂はついて行く。
ありがとう、そしておめでとう。

070523sydney1水曜日、初夏の太陽照りつける真昼の埼スタへ。
端から見れば、こんな時間に何をやっているのだと言われても仕方がない。この日の仕事をすべて明日以降に回し、缶ビールを手に心弾ませて炎天下を歩く『ダメ社会人』。スタジアムに到着すると、スタジアムには数千人の同胞たち。確かに日中働くべき社会人としては愚かな振る舞いのかも知れないが、決して愚かな『ダメ人間』ではない。愛するもののため、それぞれの事情と都合を置いて集った者たち。
愛すべき馬鹿者たち。

070523sydney2 開場してしばらくすると、革靴に通勤カバン、背広を小脇に抱え、ワイシャツの首に赤いマフラーを掛けながら、日中の暑さが残る場内に次々に流れ込んでくる同志たちの姿が続々。ご苦労様。
仕事での疲れも見せず、意気揚々と駆けつける人々。若者だけではない、多くの大人たちの心を、これほどまでに掻き立てるものは一体何なのだろう・・・魔物に取り憑かれたように。

短時間で急速に膨れ上がる北ゴール裏。週末のゴール裏の密度に少しずつ近づいてくる。まだまだ滑り込んでくる赤きサラリーマンたち。この日の遅参は誰も責めまい。何が何でも駆けつけてきた心意気こそが尊い。無念にも駆けつけられない同志もいるのだから。しかし、遅ればせながらもそれぞれの表情はすでに戦闘モード。それぞれのまなじりに気合いが漲っている。070523sydney9

ついに、闘莉王は、この決戦に名を連ねられず。
G大阪戦、名古屋戦同様の先発メンバー。フォーメーションも同様3バックであることは、おおかた察しがついた。

引き分けでも決勝トーナメント進出が決まる浦和。3月アウェイ対戦時でのいきなりの2失点への警戒070523sydney8心があったのか、やや硬さが見られた立ち上がり。対照的に、勝たなければあとが無いシドニーの選手たちは、積極的にボールへ向かってくる。その心理状況が反映してか、浦和の選手はパスミス多発。目を覆いたくなるような場面もしばし。その影響もあり、多くの時間、ポゼッションをシドニーに許すことに。しかし浦和のミスに因るものだけでなく、細かいパスやコンビネーションプレーで組織的に攻略するシドニーFCのプ070523sydney7レーには、やはり他の対戦相手とは異なるテイストを持っていた。強引に表現するなら、ペルシクは東南アジア的、上海申花は大陸アジア的、シドニーは欧米的、といったところか。。。
クラブW杯出場経験を持つ先輩クラブとあって、やはりシドニーFCは強くて巧い。ただ有り難いことに、フィニッシュの精度は低く、時折救われた。

070523sydney3 頑強な大男たちとの肉弾戦に、浦和の選手たちは我慢強く耐えた。特に守備面には、自分たちの置かれた立場を具現化するような集中力を見せていた。
ただ、このACL予選での浦和の闘いぶりを通じて感じたのは、

 闘い方が、まとも

070523sydney6 ということ。代表のW杯予選でもそうなのだが、日本人は真っ向勝負というのか真面目というのか、小細工を好まない。同じ日本人として、私もその姿勢には共鳴するし誇りに思う。しかし、われらを取り巻く世界では、そんな「まとも」さをリスペクトしてくれないばかりか公平に扱ってくれもしない。対戦する相手は勿論のこと、試合を裁くレフェリーにおいても然り。Jとの判定基準の違いだけでなく、主審の出身国によってもその哲学は千差万別。自国のローカルルールそのままを適用してくれるから困りものである。この日はUAEの審判団であったが、ハイボール競り合い時のファウル基準が異なるし(日本では、競らない選手への反則を取ることが多いが、この主審は逆判定)、副審と主審の判定のギャップも見受けた。
正直な闘い方は支持したいところであるが、今後、国際試合を対戦するうえでの知恵として、審判団の判定のクセを素早く見抜き利用する術を身につけた方が大いに利すると思う。確かにJの審判にもそれぞれクセはあるが、国際試合の審判はその曲者具合が読めないうえにサプライズが多すぎて・・・(笑)。

内容を冷静に振り返れば、チャンスの数としては浦和がやや多かったように思う。問題はやはりプレーとフィニッシュの精度。常に守備に意識を置きながらも、攻撃的姿勢は随所に見られた。後半立ち上がりは攻守の切り替えも早く、サイドチェンジを織り交ぜながら、中央からサイドへ、サイドから中央へと積極的に攻めた。
しかし、なかなか決まらない。
両者とも一向に決まりそうもなく「引き分けもやむなし」との雰囲気が漂いだす、膠着した展開。浦和はまず相馬に代え長谷部投入。阿部が左SBに回り4バックとし(自主判断とのこと)、浦和陣営がサイドを固めた・・・と思いきや、オジェックの次の手は、伸二→永井、ロビー→岡野というFW投入策。状況からして“時間稼ぎ”の意図も感じられたものの、定石の守備固めではなかった。中盤の中心人物2人に代えてFWを投入した意図を想像するに、指揮官には、
「あわよくば得点を・・・」
という、珍しくリスクを負ってでも打って出ようとする気持ちがあったかも知れない。

070523sydney10 終盤、ワ級が決定機を逃し、結局そのままスコアレスドローで試合は終了。
しかし素直に、浦和は「良く耐えた」と思った。そしてシドニーは強かった。
決勝トーナメント進出という結果がすべての勝負にあって、最低限の“実”を取った。喜びはあったが、安堵感の方が大きかった。それは、選手もサポーターも同じ思いだっただろう。オジェッ070523sydney11クの喜び方には、義務を果たした喜びのほうががよく表れていたようだったが(^^;
互いの健闘を讃えあったあと、普段ならすぐに挨拶に来る選手たちが、珍しくベンチの前に座り込んだ。確かに疲れて座り込んでいる選手もいて、一瞬放心しているかのようにも見えたが、皆が皆そう言うわけでは無さそうだった。放送の都合なのか、はたまたインタビューを待って揃って挨拶したかったのか、、、見慣れぬ光景ではあった。070523sydney15

「正直に」とか「素直に」などと問われれば、本当に「そのまま」しか言えない主将のコメント。インタビュアー諸氏もだいぶ学習しているとは思うが、うちの主将に気の利いた日本語は期待すべからず、である(笑)。
 #それとも、それを狙っているのか、、、

その後、選手が揃って挨拶に。070523sydney12
初体験のACLの闘いで、これまでにないほどの苦戦の連続を強 いられたものの、その労苦を無駄にすることなく結果を得ることができるチームへ成長を遂げている浦和。負け犬根性にまみれていた昔の姿からは想像もできないほど成長した姿を見ていたら、嬉しくてちょっぴり泣けた。しかし、「ほんの少しだけ」。チームとともに、自然に私も成長しているようだった。志がまた高くなった。大泣きするにはまだ早い。
安堵感に満たされながら、スタンドをあとにした。

070523sydney13 スタジアムを出ると、先刻別れた仲間から電話があった。
「シドニーFCのサポーターが南門に並び、浦和サポーターを握手で見送ってくれている、実に素晴らしい」と。
その連絡を受け、私の好きな映画のひとつである『炎のランナー』の、あるフレーズを思い出した。訳者によって表現は違うのだが、この言葉は、私の心を捉えて離さない。

 「我を讃える者を、我も讃えん」

相手への敬意を持ち互いの健闘を讃えあう、そんな紳士・淑女でありたい。

070523sydney14 ACLの舞台は、私たちを学ばせ成長させてくれている。
実に、楽しい。
“赤いライトアップ作戦”は良くわからなかったが(笑)、クラブも選手も観客もスタジアムも一心同体となって闘うことの幸せと楽しさを感じさせてくれた。
まだ世界へ向けた闘いはつづいている。われらの成長もつづくのである。
がんばろう、共に。育もう、共に。

070523sydney5 おまけ:
この段幕ですが・・・
まさか誰かだましていないかと、ちょっと心配になりました(^^;
“ギャグ”ならば、ずいぶんと捨て身だなあ・・・(笑)

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コメント

試合終了後の南ゴール裏もエールやらいろいろなものの交換やらありまして,私も赤いシャツ着て入場したはずなのに,スタジアムを出るときには水色になっていましたw

投稿: sat | 2007/05/25 21:19

nigoeさま

試合内容については色々な見方があるようですが、私は素直に予選突破を目標にして闘い、その
通りに勝ち抜いたと思っています。久々に負ける気がしなかった試合であったかなー、とも思って
いました。ちと、自信を持ちすぎかなー!

メインロアー・201入り口付近で見ていましたので、シドニーサポの奮戦ぶりが良くわかりまし
た。200人はいなかったと思いますが良く声が出ていましたね。北ゴール裏辺りの写真も良く
撮っていたみたい。南門のお見送りは知りませんでしたがカッコいいですねー。ス・テ・キ

投稿: なごやのじーじ | 2007/05/25 23:21

@satさま
南のエール交換に参加されていたということは、今回も遠いところからのご参戦ですか!お疲れ様でした m(_ _)m
着ているシャツの色が変わっちゃったなんて、なんとも心温まる交流ですね。良い経験をされてうらやましいです。

@なごやのじーじさま
こちらも遠いところからのご参戦、大変お疲れ様でした m(_ _)m

>>久々に負ける気がしなかった試合であったかなー、
私にも「負けない確信」めいたものがありました。そう、名古屋戦前のエントリの時の気持ちが続いている、そんな感じです。

>>シドニーサポの奮戦ぶりが良くわかりました
オセアニアからアジア連盟に移籍して、レッズのようなチームと対戦したのは初めてだったのでしょう。シドニーのサポーターたちも、新鮮な体験をしたのでしょうね。無論、私たちとて同じです(^^)。

投稿: nigoe | 2007/05/26 16:57

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