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2007/01/10

『犬?家の一族』

ジェフ千葉の某選手の動向について、1月10日16:30現在、まだ正式発表はありません。

何かと落ち着かない状況を過ごされている方々の心を少しでも癒したいと思い、本日当サイトでは、このようなエントリを綴ってみました。

題して。

  『犬家の一族』

※おことわり:
 以下、話題を大きくハズしております。期待された方、どうぞ怒らないでください(詫;
 興味のある方のみ、以下ご閲覧ください・・・

 

オツム監督の電撃退任に端を発した、ジェフ千葉連敗事件-----------。
理不尽な出来事は、協会の重鎮の一言がきっかけだった。
その重鎮の名は、ブッチ三郎。

 

あ、、、間違えました。

 

犬神佐兵衛の遺言に端を発した、連続殺人事件-----------。
不可解な事件を解決するために、ひとりの探偵がやって来た。
その探偵の名は、金田一耕助。

  『犬神家の一族』

こっちが正解です(笑)。

 

この連休、初めて『シネコン』なるところへ行ってきました。
旧型人間のダンナと私は、上映2時間前に家を出て「早よ映画館に行って、並ばねばぞ!」と意気込んで現地に乗り込んだところ・・・そのシネコンなる施設の正しい利用方法をそこで初めて知り、隔世の感に愕然としながら、満席直前で指定席チケットを買いました。

『犬神家の一族』は、前作公開が1976年。私が小学校高学年の頃、映画館で初めて観た本格映画でした。あの強烈な“V字開脚”シーンをプールでよく真似ていたことは置いといて(恥;)、当時小学生だったにもかかわらず、重厚かつ完成度の高い「ホンモノの映画」として、私の記憶に今も鮮やかに刻まれている作品です。
そして、この映画をきっかけとして、私は市川崑監督作品のファンとなったのです。

前作については、何度も鑑賞しておられる方も多いと思います。
そういう方には、「話の筋が云々・・・」ということよりも、

 前作との表現描写の比較

この一点に興味が注がれることと思います。
かくいう私も、そのひとりの鑑賞者として、スクリーンに対峙しました。
まず、「こだわり」といいますか、“市川崑×金田一映画”に欠かせないファクターというものが、ファンのそれぞれの感情の中に存在します。
私の「こだわり」は、

  • “光と陰”の映像表現
  • (断片的かつスピード感のある)カット展開
  • 俳優陣(石坂浩二、加藤武、大滝秀治、草笛光子etc...)
  • 大野雄二のサントラ

の、4点にあります。

まだ(前作を含めて)鑑賞されていない読者の方も多いでしょうから、物語の内容ではなく、個人的な好みなどの主観的感想を主体に、以下ご紹介したいと思います。

【“光と陰”の映像表現】
・前作と比べて「見やすい」という感じ。コントラストが軽減されたのか、画質が良くなったのかどうか・・・
・前作の強烈な“光と陰”のコントラスト表現が作品の重厚さの象徴でしたので、そちらを好まれる方には、新作は少々物足りないかも知れません。

【カット展開】
・前作のカット展開は、TV時代劇『木枯し紋次郎』(市川崑監修・監督)の路線で、“マルチ分割”“断片カット挿入”など、奇抜な表現を多く用いていましたが、新作では“マルチ分割”技法は使用していなかったと思います。
・過去のフィード&フラッシュバック部分(引き揚げ船出迎えや、佐兵衛の幻影)などは、前作同様、随所にモノクロの“断片カット”が挿入されていて、いわゆる“市川×金田一映画”のテイストは継承されています。

【俳優陣】
・“石坂金田一”は、既成の青年像を「なし」と最初から設定すれば、無理はありません(笑)。それなりに楽しめます。
・加藤武、大滝秀治、などの歴々は、凄いことですが「そのまま」です。
・物故者は如何ともし難いですが、前作の出演者を別の配役に当てていることろは、ファンとして興味深いものがありました(三条美紀、草笛光子)。
・若年層の配役は、当然ですが総取り替え。時代の流れには逆らえません(笑)。
 松嶋菜々子(珠世役)、深田恭子(はる役)については、「お好み」ですね(^^;
・富司純子&尾上菊之助の母子共演は、まさに「迫真」です。適役です。

【大野雄二のサントラ】
・やはり前作のイメージを牽引する重要なファクターとして、基本的に同じ楽曲が使用されています。
・しかし、今回の音楽監督は、最近の市川作品で多くコンビを組む谷川賢作が担当しています。谷川氏もまた、前作のメロディーと雰囲気を踏襲しつつ“肉付け”的な演出を心がけ、微妙なニュアンスで新しい『犬神家・・・』のイメージを引き出しています。

<総じて>
・全体としては、うまくまとまっている作品だと思います。90歳にして自己の「原点」に立ち返り、さらに実験的仕事をしてのける市川監督のパワーには、恐ろしいほど感服いたしました。
・決して「様式美」ではない、スタイリッシュな映像表現は健在。
・前作が制作された30年前は、出演者はじめ制作時期においても“戦中~戦後”の匂いをまだ引きずっている時代であったために、フィルムを通してもそのリアリティを感じさせてくれましたが、今回の新作ではさすがにその雰囲気を醸し出すことは無理。仕方ありません。
・そのかわり、現代的テイスト(淡々とした展開、画質の良さなど)を加味し、現代人の鑑賞眼に合う作品となっているような気がします。
・驚いたのは、前作の演技形態や表現をほぼトレースしていたことです。前作との比較評価をあえて受けよう、との監督の「攻め」の姿勢に圧倒されてしまいました。
逆に、前作をトレースして鑑賞するであろう観客の嗜好を見抜かれているような、そんな気がしました。

市川崑という映画監督は、本当に恐ろしい。。。

追記:

思わず買っちゃいましたよ~! ス ケ キ ヨ さん ((((;゜Д゜)))

070110inugami

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『犬神家の一族』オリジナルサントラ盤。
なんと、前作と新作のサントラを、CD2枚に別々に収録しているお得な一品。
ただ、前作の楽曲を踏襲するあまり、新作のサウンドはほとんど効果音的な音楽ばかりで・・・谷川賢作には少し気の毒だったかも知れません(^^;

追記その2:
石坂金田一が、はじめて「はる」(深田恭子)に出会ったシーンは、昨年11月の旅行で訪れた上田・柳町の北国街道で撮影されていたのがわかりました。
 #背景の井戸が、そのまま使われていたようでした。

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コメント

どもです!
あたしゃ、席亭さまの軽妙洒脱な語り口に思わず釣り込まれました。
いやー、まいった!まいった!
みごとな、表現力と観察眼でおじゃりまする。

シネコンは3年ほど先輩でおます。
映画館など行くこともなかったのですが、東京で、1本見たのウンの
尽き?名古屋に戻って、行ったのがシネコン。やはり同じように、朝
早く出かけてびっくり!!(あっ同じだと笑う)

シネコンという言葉は知ってましたが、ネオコンと同じくらいのもん
だろうと…。アハハ。それ以来、季節ごとに、くらいの頻度で通って
ます。あは、少ないか。

投稿: なごやのじーじ | 2007/01/10 20:59

前作も見た記憶がありません。
トイレに行けなくなるので、恐い映画は見ないようにしてたからでしょう。
今度、レンタルしてみてみようかな。

投稿: 豆腐小僧 | 2007/01/10 22:25

@なごやのじーじさま

>あたしゃ、席亭さまの軽妙洒脱な語り口に思わず釣り込まれました。

毎度ばかばかしいお話にお付き合いくださり、ありがとうございます m(_ _)m
サポの習性で、どこでも並ぶクセがついておりまして、、、シネコンでも「前抽」「当抽」システムのようですね。おっと、「マルチ」は金がかかるから無さそうですが(笑)

@小僧さま
あら意外(゜∀゜) 前作見たことないんですね。TVシリーズもあったんですが、ま、少々世代が若いってことで・・・(^^;
前作『犬神家・・・』は、怖さよりも映画としての完成度が極めて高い作品です。「日本映画の金字塔」と評する人もいるくらい。是非ご覧アレ。
怖いという意味では『八つ墓村』が最高傑作です。夜中見たら、3日間くらい眠れませんでしたから(マジで)。

投稿: nigoe | 2007/01/11 16:27

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