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2006/09/21

『Jクラブ経営情報開示データ』を読んでみる

『05年度 Jクラブ経営情報開示資料』

おとといの夜、ダンナがこんなものを持って帰ってきました。

Jリーグ30クラブ別の収支・利益などの経営情報を、初めて個別に開示したことで、話題になっています。

レッズが営業収入(58億500万円)と経常利益(3億2700万円)でトップだとか、横浜FMは広告料収入(25億5100万円)は最多だけど経常利益は0円だとか、
「どのチームがどういう経営状況にある」
ということを知るには意味があるデータですが、
「○○データが一番だから、△△のチームは優秀で、□□のチームはダメ」
というチーム間の優劣のデータにするのは、ちょっと短絡的だと私は思っています。
“地域密着”がJの理念でありますから、経営諮問委員会の武藤委員長がおっしゃるとおり、

「地域に根差すとなると、地元行政や企業など広い支援が不可欠。何をやっているのかわからないようなクラブでは出資も受けられない」

というのも道理です。
あくまでも『個別状況』を判断するもので、『チーム比較』の材料とすることは、開示の趣旨から逸脱するものかと思います。

そこで。
このデータをチーム個別で見るだけですと、“問題点”とその“即効的対症療法”(例えば「収入に対して経費が高いから節約する」などの策)は浮かび上がりますが、“本質的な改善策”を検討するには、従来どおり、Jリーグ全体の(平均値の)経年推移と傾向を読み解くことが肝要かと思います。
 #実は、財務諸表やら損益計算書などの類の経済分析は、さっぱりわからんのです、拙者は(爆)
J全体の体質の変化や時代の趨勢を加味することで、即効性はないものの長期的な改善は図れます。
つまり、「全体の底上げ」をするために必要な策がわかり、その方向性を目指すことで「マイナスをせめて平均に」「平均を平均以上に」することが可能となるでしょう。

開示されたデータをクロス集計すれば、いろんな加工結果は出てくると思いましたが、面倒なので(笑)、Jリーグのサイトに、開示されたデータを図表で整理したものがありましたので、これを利用して、私なりに“簡単に”考えてみました。
以下、長杉なので、たたみますた。。。↓ (興味のある方は、どぞ)

※あくまでも独断と偏見ですので、専門的ツッコミは何卒ご遠慮ください>懇願(笑)。
  #「こんな考えもある」程度で流してください。
※「総数」値はチーム数が年度で異なるため、ここでは「平均値」に基本的に着目します。
※支出については、管理費等の諸経費項目はチーム事情に因りますので、どこのチームにも共通した「人件費」だけに着目しました。
※2006年度値は、いずれも『予算値』ですので、「希望的観測」も混入されていると推察します・・・(笑)。
※出典:Jリーグ オフィシャルサイト

【(簡単な)考察】

1.営業収入内訳の推移(J1クラブ平均)
060920j1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『広告料』が全体の約半数を占めています。増減があるのは景気あるいはチーム人気の影響でしょうか。その要因には、時代背景、広告主の理解度、市民の関心、商圏人口、宣伝媒体としてのチーム露出度、チーム成績などが考えられますが、スポンサー支援が大切な要素となっていることは、昔も今も変わりません。
『配分金』は徐々に減っていますが、『入場料』は徐々にではあるものの増加しており、好ましい傾向にあります。少しでもこの部分の増加を図りたいものですが、「競技場のキャパには限界がある」ことにはある程度理解しなければならないでしょう(毎試合完売しても、それ以上の入場料収入は、見込めません。値上げすれば別ですが)。

2.入場料収入(クラブ平均)の推移
060920

 

 

 

 

 

 

 

 

◆「限界はある」と言っても、景気などに左右されない安定した収入のためには、やはり『入場料収入』は伸ばしたいものです。対象期間において、J1、J2ともに順調に増加傾向にあります。いわゆる“招待券”の推移実態は不明(笑)ですが、現金収入が増えることはいいことでしょう。
◆グラフ内にある“最大”“最小”の値に着目してみましょう。すると、特にJ1では年々、クラブ間の『入場料収入』の格差が拡大しているのが顕著です。最大値は増加しているものの、最小値はほぼ横ばいです。
「ファン・サポの多いクラブはますます増加するものの、そうでないクラブはなかなか状態が改善されていない」ことが“仮説”として読み取れます。ただしファン・サポが“多いクラブ”と“そうでないクラブ”は、図の対象期間で特定のクラブを指すとは限りません。またファン・サポの多寡は、「(流行的な)人気」にも因りますし、地域が抱える「人口」にも因りますのでご注意を・・・。

3.入場料収入/選手等人件費(J1クラブ平均)
060920j1_1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆安定収入のファクターである『入場料収入』に対して、支出に当たる『選手等人件費』はどうでしょうか。年ごとの増減はあるものの、全体として増加傾向にあります。しかし節約の対象となりやすい項目ですから、チーム事情で個別の傾向は異なってくるものと予想されます。“年ごとの増減”はその影響でしょうか。
◆『人件費』が増えることを良しとするか悪しとするかは、それぞれの価値判断に任せるしかありません。Jバブル崩壊後の賃下げ状況をいつまでも続けていたら不満が募ります(私たちもそうですから)。稼ぎが増えて借金が減ったなら賃上げはすべきです。さらに人材を増やして選手層も厚くできます。
ただし大前提は「借金が減ってから」ですが。「借金が減らない」ようなら人件費を切り詰めるのは、悲しいかな世の常です。  

4.選手等人件費の推移(J1クラブ平均)
060920j1_2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆では、その人件費の内訳はどうでしょう。日本人選手への報酬額が増加傾向にあることは、良いことです。しかし過去5年間の割合に着目してみると、、、
 ・日本人報酬:
     01年:45.2%、02年:46.1%、03年:46.4%、04年:48.2%、05年:46.7%
 ・外国籍報酬:
     01年:33.2%、02年:31.4%、03年:28.1%、04年:30.7%、05年:33.3%
日本人報酬が46%台、外国籍報酬が32%台と、このあたりの値で落ち着きだしています。意図的に人件費の按分を固定しているんでしょうか・・・(謎;
◆また上記データから、「外国人選手は“最大3人”しかないのに、人件費の増減に関わらず全体の3割以上の報酬枠がキープされている」と言えそうですが、これはどう考えればいいのでしょう。。。
『監督・コーチ他スタッフ』って、あまり変化がないですね。この人達が我慢しているんでしょうか・・・(つ;д`)

【まとめ】
少ないデータと考察ですが(^^;、以上のことを要約すると、『Jクラブの経営向上のための基本的な方向性』について、次のような意見(私見)にまとめられそうです。 

  • 地域密着とファン・サポ層を育てることが、広告料&入場料アップの近道
  • 人口格差(人気格差は除く)の影響による入場料収入の格差を把握し、適度に是正・補助を図り、安定した収入が得られるようにする。
  • 広告財源獲得が困難な地方チームのための、全国的企業への支援紹介・斡旋(但し、自立経営を阻害しないため出資制限を設ける)
  • 『外国籍選手 3人枠』概念の見直し。極端な話、同じ予算枠で大物外国籍選手1人でもOKでは?。
  • また『外国籍選手 人件費30%枠』概念の縮小。外国籍選手数を抑え、余った予算で日本人選手を育てたほうが日本の将来のためになるのでは。
  • 良き軍師・スタッフには相応の報酬を。選手と同じで、首脳部の報酬次第でチームは変わる。彼らはボランティアではありません(笑)

要は、

 「みんなでがんばるところ」と「自分でがんばるところ」を見極めるべし

という当たり前のことが、Jの経営でも大切だということでしょうか。

また「自分でがんばるところ」も、“稼ぎを増やす”“投資すべきは投資する”“節約すべきは見直す”・・・と、これまたごく当たり前のことをすればいいのです。

長々と書いたのに、結論は『何の変哲も無いおはなし』でした。
駄文にお付き合いさせてしまい、大変失礼いたしました。。。m(_ _)m

しかし・・・なんだかブログで仕事しているみたいだなぁ(自爆)
引用させてもらったJサイト掲載のグラフも、Exellで作成しているみた(以下省略)。

蛇足:
「レッズは帰化外国人が2人いるからいいね」との意見も出そうですが・・・
彼らは高校時代から日本でプレーしており、日本における選手生活が長いです。
仮に帰化してなくても、いわゆる在日外国籍選手と同格の扱いだと、私は認識しています。

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